VADYジムからプロデビューすることを決意した岡山
6月に2年生部員が強盗容疑が逮捕されたことで廃部処分を受けた近大ボクシング部の元部員で、08年国体ウエルター級5位などの実績を誇る岡山■洙(りょう、■は〔令羽〕)(20)=近大3年=がプロ転向することが16日、明らかになった。神戸市須磨区に新設されたVADYボクシングジムからデビューする。後輩の不祥事で活動の場を失い不完全燃焼に終わったアマチュアの分までプロのリングで燃え尽きる。
突然の出来事だった。今年6月、いつものように自転車で練習に向かおうとしていた岡山の携帯が鳴った。ボクシング部主将からの電話で、2年生部員2人が逮捕され、同部が無期限活動停止処分になったことを知らされた。その後、すぐに廃部が決定。「想像もしていなかったことで最初は混乱した。でも、アマでやれないのならプロに行くしかないと思った」。このような形でボクシングをあきらめられるはずもなく、親交のあるプロ選手から元高砂ジムマネジャーの高嶋穣会長が6月に新設したVADYジムを紹介され、入門を決める。「中途半端になるのは嫌だから」と大学中退も決意。ボクシングの世界一本で勝負する。
大阪・興国高時代は井岡一翔、宮崎亮(ともに井岡)らと同級生で、岡山自身もインターハイ8強などの実績がある。「彼らのことは尊敬もしているし、自分も早く同じ位置まで行きたい。目標は世界チャンピオンです」。ひと足早くプロの世界に飛び込み、活躍している井岡らの存在も励みとする。
VADYジムは8月の西日本協会理事会でプロ加盟が承認された。アマチュア実績を考慮されてプロテスト(C級)を免除される岡山は11月8日、高砂市総合体育館でプロデビュー戦を予定している。