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ミャンマー軍政、有罪判決の米男性の出国許可 制裁解除の思惑も

2009.8.17 19:46
バンコクに到着したジョン・イエトー氏(AP)バンコクに到着したジョン・イエトー氏(AP)

 【シンガポール支局】ミャンマーの民主化要求運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの自宅に侵入し、懲役7年の有罪判決を受けた米国人男性ジョン・イエトー氏(53)が16日、解放され、タイのバンコクに到着した。17日付のミャンマー国営紙「ミャンマーの新しい灯」(電子版)は「健康と将来への人道的な見地から国外退去にした」と報じた。ミャンマーには、人道的措置を強調し軍事政権の国際社会でのイメージを高め、米国による制裁解除への道筋をつける思惑があるとみられる。

 AP通信によると、ミャンマーでイエトー氏の身柄を引き取ったジム・ウエッブ米上院議員は17日、米欧の制裁は軍政を民主化やスー・チーさんの解放へと向かわせてはいないとし、「制裁は必要ではない。新たなアプローチが必要だ」と述べた。

 米政府は、ウエッブ氏のミャンマー訪問は政府の特使としてではなく、個人的なものと位置づけている。しかし、軍政側は事実上の特使と受け止めたとみられる。先月タイで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議で、クリントン米国務長官がスー・チーさんの解放を条件に、「経済制裁下にあるミャンマーに米国が投資する道を開く可能性がある」と表明したことが、軍政に「米国が柔軟路線に転換した」との期待感を抱かせた可能性もある。

 将来の米欧による制裁解除に向け、軍政にはイエトー氏解放を最大限に利用しようとの思惑があるとみられる。それは「ミャンマーの新しい灯」がイエトー氏を解放した理由として、「米国とミャンマーの関係に留意した意思表示」と伝えていることからもうかがえる。

 ただ、国民に人気があるスー・チーさんを、軍政が来年の総選挙までに解放するとは考えにくい。米保守派やミャンマーの反軍政派からは、ウエッブ氏らの訪問が「軍政の国内向けの宣伝に利用された」「軍政の人権弾圧にお墨付きを与え、誤ったシグナルを送った」との声も聞かれる。

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バンコクに到着したジョン・イエトー氏(AP)
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