【これまでの経緯】
2006年
8月25日(土) 特定外来生物法が、アライグマとその飼育者を追い詰めている
「アライグマは凶暴ですか」
熊森は、これまで何人もの飼育者に、この問いをしてきました。
「ぜんぜーん。凶暴性などまったくないです」ばかり。
一方、一部の研究者やマスコミが、まるでこんな凶暴な動物はいないかのように、あおりたてています。
間違った情報の垂れ流しには、困ったものです。
「狭い檻に入れたままにしているからじゃないの。うちは外で遊ばせているから、心が安定しています」
の声。
ところが特定外来生物法が施行された現在、国の飼養規則によって、アライグマ飼育者は、飼育許可を申請し、アライグマにマイクロチップを埋め、さらに、檻から出してはいけないなどのがんじがらめの制約を受けるようになったのです。(環境省の飼養基準および手続きについて)
この飼養基準に驚いて、もう飼えないと、特定外来生物を捨てる飼育者が続出しているそうです。このような無茶な飼養基準こそ、国は改めるべきです。
野生動物なのに、散歩も禁止されたアライグマ
外来種殺処分派のシンポジウムとセミナー
2006年
9/2(土) 『どうする!? 兵庫の外来生物』 場所:県立人と自然の博物館 ホロンピアホール
「外来生物法について」 三村起一(環境省 外来生物対策室長)
「外国産クワガタムシ、カブトムシなどの現状と問題点」荒谷邦雄(九州大 助教授)
「オオクチバスとため池の動物」 田中哲夫(人と自然の博物館 主任研究員)
「アライグマ対策の現状と課題」 坂田宏志(人と自然の博物館 主任研究員)
「外来樹木の現状と課題」 橋本佳延(人と自然の博物館 研究員)
「外来生物と人の生活」 岩槻邦男(人と自然の博物館 館長)
参加して:公的な機関が、このような一方的な考えの人ばかりを壇上に挙げて、公的な場所で、公的な資金で、一方的なセミナーを開催することに、大きな問題を感じました。半分は反対意見の人をも壇上に上げて、討論するべきです。外来種殺処分派の主張には問題点がいっぱいあるのに、殺処分に反対するわたしたちには、指摘する時間さえ保障されません。こうやって、一方的な考えだけが広められ、世の中が狂っていく。人類は、この失敗を何度も繰り返しているのです。
◎企画展「兵庫の外来生物」(7/8〜9/24)
外来生物への生命尊厳を忘れた、ひどい内容。子供たちには、とても見せられません。
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アライグマ根絶殺害推進派による外来生物環境教育セミナー
8月8日(火) 京都市右京区京北中央公民館 後援:京北自治振興会・京都新聞社
1)日本のアライグマの現状と各地での対策
金田正人(生物多様性JAPAN・かながわ在来生態系保全ネットワーク)
2)アライグマの繁殖について
加藤卓也(かながわ在来生態系保全ネットワーク・日本獣医生命科学大学野生動物学教室6年)
3)京北で爆発するアライグマ−アライグマ侵入の早期発見と有効な対策−
川道美枝子(生物多様性JAPAN・関西野生生物研究所所長)
このセミナーは平成18年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催
参加して:アライグマは凶暴である、アライグマには恐ろしい寄生虫がいる(野生動物には、みんな寄生虫がいるのに)など、アライグマをまるで極悪犯人扱い。今すぐ抹殺せねば、京北町がアライグマで埋まるなどとありえないことを吹聴して、地元をたきつけていた。
後援をしたり、助成金を出されたりしたところは、このセミナーの内容をチエックされたのか、疑問に思う |
6月22日アライグマを根絶殺害しないよう熊森から兵庫県庁への申し入れ
(兵庫県庁責任者の答え)
「兵庫県の目標は、県内全域からのアライグマ完全排除ではなく⇒地域からの排除とします。」
北海道や神奈川県のようなアライグマの根絶殺害をめざさないとした、良識的かつ現実的な判断をしてくださった兵庫県庁に感謝すると共に、兵庫県民であることを改めて誇りに思いました。
熊森は、アライグマなど外来生物が日本の野で繁殖して、在来生態系に何らかの変化をもたらすようになってしまった現状を、自然保護団体として大変残念に思います。と言って、今さら、自然生態系の中から、アライグマだけを完全に排除することは、世界的に見ても前例がなく、不可能。だから、外来種問題は、取り返しのつかない大問題なのです。
自然界の中の生物の数を決められるのは、自然だけです。人間には、そのようなことはできません。
しかるに、北海道庁は10年で全道域から、神奈川県庁は5年で全県域から、アライグマを完全排除(=実質、皆殺し)すると宣言しています。このような不可能なことをあえてしようとすると、無用の殺生と多額の税金のむだ遣いを続けることになります。「兵庫県は、このような無茶な目標を掲げないで下さい」と、熊森は申し入れました。
熊森は、特定外来動物の根絶などできもしないことにお金を使うより、被害を受ける人たちを減らし彼らを守ることにこそ、お金を使うべきだと思います。被害防止、被害補償
6月20日(火) 環境省のアライグマ保護飼養許可証の発行がいまだにゼロだった!
特定外来生物法施行から1年が過ぎました。
法制定に当たって、熊森など自然保護団体や動物愛護団体などが、「100%のアライグマを殺すのではなく、せめて助けられる命だけでも助けてやってほしい。保護飼養を申し出た人には、審査により許可を与えてほしい」と強く環境省に要望しました。その結果、環境省から飼養許可書が発行された人は、アライグマを保護飼養できることに決まりました。
ところが最近、何人かが保護飼養申請をしたのに、環境省はだれにも許可を出していないと言う訴えが当会に届きました。環境省に問い合わせたところ、保護飼養許可証の発行がいまだにゼロであることを確認しました。それでは、決めたことが絵に描いたもちです。書類の不備と言うことですが、不備なら不備で指導をすべきでしょう。それとも、保護飼養は認めるというのは、本気じゃなかったのでしょうか。
6月19日(月)
本気で外来種を完全駆除しようと思っている人など、まずいないと分かった
これまで熊森は、環境省をはじめ外来種根絶を声高に叫んでいる人たちが本気なのかと真に受けて、そんなことは不可能とまじめに必死で応対してきました。どうしてそんなことが分からないのだろうかと不思議でした。
しかし、最近、着いた予算を見て、ばからしくなってきました。根絶殺害派の論者は、みんな今更引き下がれなくなって建前で言っているだけで、本気で外来種を完全駆除しようと思っている人など、まずいないことがわかってきました。
本日の神戸新聞特集 外来種被害防止法1年によると、兵庫県立人と自然の博物館田中哲夫主任研究員は、「法律は新たな移入種には有効だが、既に定着している種については効果薄」と指摘しています。やっと、熊森の主張と同じ人が研究者の中に出てきました。また、彼は、「法律にはどこが駆除するかや具体的な方策が書かれておらず、自治体任せ」とも言っています。
一方、自治体はみんな予算不足。アライグマを10年で完全駆除と華々しく宣言した神奈川県のアライグマを含む外来生物駆除予算が1900万には、笑ってしまいそうです。アライグマ1匹あたりの捕獲駆除に数万円かかるというのに、どうやって根絶駆除するつもりでしょう。10億円かけても無理だというのに。そして、怒りがこみ上げてきました。根絶する気もないのに、形だけやって、ムダに殺されるアライグマの命を何と思っているのかと。
みんな外来種について正直に発言しなければならない時です。
6月12日(月) 兵庫県特定外来生物対策検討会
兵庫県アライグマ防除指針案について
パブリックコメント応募は189件でした。8割ぐらいが、「人間の責任でこうなったアライグマを、人間が根絶殺害するのは、まちがい」というもので、「是非とも徹底的な駆除をお願いする」というのは、一部でした。しかし、前者は、ほとんど被害にあっていない人からのものと思われ、後者はほとんど被害にあっている人からのものと思われます。
日本では、アライグマの被害にあっても、農作物被害、家屋侵入被害とも、被害補償はないということで、これでは地元の方が怒るのは当然です。
それよりもっと大切な、アライグマ防止6000ボルト電気柵、家屋侵入穴ふさぎなどの被害未然防止策にも、現状ではどこからもお金が出ないそうです。それでは、ひどすぎます。どうして、地元の人たちは、行政に声を上げないのでしょうか。今後、電気柵には、補助金が一部出るかもしれないようになる可能性はあるそうです。
アライグマを輸入して大もうけした業者や、簡単に飼える動物ではないのに、簡単に飼えそうにあおって売った業者に、いくらかの責任は取ってもらわねばなりません。そうしないと、彼らはまた今後も、こんな無責任な人生を繰り返すでしょう。
弱者である被害者アライグマを殺すだけで終わろうとする考えは、人間さえ良かったらいいという生命軽視社会につながりますし、無責任社会を容認することにもなるだけなので、人間のためにも反対です。
環境省が昨年策定した、在来生態系からの外来種の完全排除をめざす、「特定外来生物法」の施行を受けた兵庫県の今年度アライグマ対策予算は492万円で、そのうちアライグマに直接使えるのは420万。環境省からの補助金は0だそうです。1県10億円ぐらいは出ているのかと思っていました。
420万円は、全額、捕獲して駆除するために使用する計画で、各市町に配分するそうです。ざっと概算して、1市町に十万から十数万円ですね。予算は、原則として被害未然防止と被害補償にこそ、使うべきだと思います。ちなみに電気柵1つは、30万円だそうです。これでは、県内に多くの専従者を必要とする根絶殺害の取り組みなど、実質上、完全に不可能ですね。10億円かけても、いったん野に拡散した野生動物たちの根絶はできませんが。
県庁担当部署(森林動物共生室)職員と12名の検討会委員が、防除(=捕獲処分=駆除のこと)指針案について、午後1時半から5時まで熱い議論を交わしました。この日は、結論が出ませんでした。
神戸新聞記者が取材に来てくれました。
6月6日(火)特定外来生物が合計80種に
第2次指定が今年4月から施行
環境省によって、国内生態系からの排除が決定された特定外来生物が、第1次指定と第2次指定で合計80種になっています。輸入が止まるだけならいいことなのですが、すでに国内で繁殖しているものを、防除と言うことばで、取り除かねばなりません。実際問題として、どうやって取り除けばいいか分からないようなものまで、たくさん指定されています。
環境省担当者に問い合わせたところ、特定外来生物種に指定されていても、被害があるかないかは地域によってちがうので、殺すかどうか引っこ抜いて歩くかどうかは、都道府県が決めることなのだそうです。アライグマにしても、国は見つけ出して殺せと命令しているわけではないので、地域で決めればいいそうです。
特別な地域では環境省が根絶を目指して取り組んでいる特定外来生物がおり、小笠原のグリーンアノール、奄美のマングース、沖縄や西表島のオオヒキガエルなどが、それにあたるそうです。
6月1日(木)
◆先日から読売新聞に、各地の移入生物根絶対策の事例がシリーズで掲載されています。
沖縄本島では2000年以降、マングースを計6600頭を捕獲しましたが、「捕っても捕ってもらちがあかない」(沖縄県庁担当者)とのこと。
既に野生化して拡散したマングースやアライグマは、今更根絶することはできず、結局無益な殺生・税金の無駄遣いに終わってしまいます。兵庫県などこれから外来種対策を行う予定の自治体は、既に外来種根絶策に乗り出して泥沼に陥っている自治体の二の舞にならないよう、生態学的側面、倫理的側面、子どもたちへの教育的側面を考えて対応してほしいです。
◆外来種の生態系への影響も、実は殆ど分かっていません。奄美大島のアマミノクロウサギを
マングースが駆逐すると言われていますが、マングースが放される以前から、林道の拡幅工事やトンネル工事などで、アマミノクロウサギの生息域は減り続けていました。今でも生息域がダム建設などで開発されています。マングース根絶に取り組むある大学の研究者も、「もしマングースを根絶できたとしても、必ずしもアマミノクロウサギを保全できるとは限らない」と話しています。
5月29日(月) 無茶な特定外来生物法に、心ゆれる行政担当者
心ある行政担当者はみんな今、各地で、法により何の罪もない特定外来動物を殺すことに、胸を痛めています。今日もある地方の誠実そうな行政担当者と話していたら、「殺したくない、熊森さんと同じ、どうしたらいいか苦しんでいる」と、言われました。このようなまじめな行政官、市民、子どもたちの心が受ける耐え難い傷、苦しみについて、外来動物根絶派の研究者は、知らん顔を決め込むつもりでしょうか。こんな残虐で無意味な法律は、変えていこう。ひとりでも多くの国民が、声を上げなければなりません。今もっと大切なことは、今もなお大量に輸入されている外来動物の輸入に歯止めをかけることです。輸入によってもうけた業者たちに責任を取らせることです。
5月26日(金)特定外来生物法が各地で破綻
徳島市が、蚊を駆除するために38年間飼育・放流してきた魚・カダヤシ4000匹が、宙に浮いています。殺されるのは水槽の中にいる魚たちです。http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060508i501.htm
(本文)
外来生物規制、38年飼育・放流のカダヤシ処分…徳島
徳島市は、日本脳炎を媒介する蚊(コガタアカイエカ)対策として、市役所の出先施設の水槽で38年間飼育・放流してきたカダヤシ(タップミノー)という北米産淡水魚を処分することを決めた。 絶滅が心配されている在来のメダカを駆逐するとして、外来生物法の規制対象種に指定され、今年2月から飼育や放流が原則禁止されため。市民にも親しまれてきた魚だけに、行政にとっても苦渋の選択だ。
◇ これまで人間のために役に立つといって飼育・放流してきた魚を、不要になったからと言って殺すのはとんでもないことです。しかも殺す予定のカダヤシは市の建物の中にある水槽で飼われており、屋外の河川に逃げ出す恐れはありません。水槽で生涯飼育して、何の問題もないはずです。
◇ 特定外来生物法でも、展示等公益的な理由のときは、飼育するのが可能だそうです。徳島市は、歴史博物館のようなところで、カダヤシを昔蚊を駆除するために使った魚ということで展示するということも可能なはずです。
●メール 市長宛 https://www1.city.tokushima.lg.jp/mail/mayor.html
●FAX 市長宛 088-621-5007
●TEL 代表 088-621-5111
特定外来生物法で、特定外来生物を輸入を禁止したのは良かったのですが、既に国内に入ってしまっているものについて、根絶殺害を決めたのは、どう考えても間違いでした。去年まで、カダヤシはどんどん放流していたし、今も各地の河川に大量にすんでいるのに、この4000匹だけは殺さねばならないなんて、マンガとしか思えません。法律だからと思考をストップさせるのではなく、「この法律おかしいぞ」と言う声を、みんなが上げていかねば、とても変な国になってしまうでしょう。この場合、熊森は、特例を作って、このカダヤシをこの際、最後として全部放流すべきだと思います。4000匹を殺すことに、何の意味も認められません。4000匹を放流しても、いまさら生態系に実質なんの影響もないでしょう。
5月25日(木)神奈川県アライグマ4000頭すべて殺害予定
ペットから野生化したアライグマが増殖し、農作物などに深刻な被害が出ている神奈川県は、県内に生息しているとみられる約4000匹を5年間ですべて駆除する「防除計画」を策定した。「外来種被害防止法」に基づき、国の認定を受け実施するが、動物愛護を訴える声や実効性を疑問視する意見も出ている。
環境省によると、北海道や群馬、山口などの6県市町が同様の計画の認定を受けている。
こんな恐ろしい事を考えておられる方がいることすら、一般国民はまず、誰も信じないでしょう。
5月8日(月)兵庫県庁記者クラブに、兵庫県のアライグマ防除指針(根絶殺害計画)に対する、くまもりコメントを送りました。取り上げて欲しいです。
4月25日(木)
兵庫県のアライグマ防除指針(根絶殺害計画)にパブリックコメント (締切り 5/2 )
兵庫県がアライグマ防除指針(=根絶殺害計画)案を策定し、意見を募っています。資料は下記HPからダウンロードできます。
兵庫県HP http://web.pref.hyogo.jp/yasei/alien/index.htm
送り先 (メール、FAX、郵送など)
〒650-8567 神戸市中央区下山手通5−10−1
兵庫県農林水産部農林水産局森林動物共生室保護管理係
電話:078-362-3463 Fax:078-362-3954
e-mail: shinrinkyosei@pref.hyogo.jp
●兵庫県は、「アライグマ防除」という、何をするのかわかりにくい言葉を使用しています。しかし、防除の中身は、「生態系からの完全排除」、つまり、皆殺しです。(「アライグマ防除指針(案)」7P「最終目標」参照)
●捕獲個体は殺処分するとあり、例外として里親として引取りを希望する団体には引き渡すとありますが、そのような団体はないため、実質上、皆殺しとなります。兵庫県のアライグマは、県の大部分の地域で生息が確認されており、今さら、根絶は不可能です。
●無理やり外国から連れてこられ、捨てられたり、逃げたりして、野生化した外来動物問題に対して、当会森山会長は「環境省は、殺すか殺さないかは、各県に任せると言っている。兵庫県は、外来動物の生存を認め、子どもたちにも説明できる生命尊重の立場に基づく対策をとってほしい」と、兵庫県に申し入れてきました。
今回のアライグマ全頭捕獲殺害事業計画は、この申し出を完全に無視したものになっています。
ご意見のある方は兵庫県庁までお送りください。
=====================================================
<日本熊森協会の立場>
野生化したアライグマが生態系へ悪影響を与えると言われていますが、本当はどうなのか、実際にはほとんど分かっていません。そんなアライグマに、極悪人のレッテルを貼り、何の科学的根拠もないまま、県民の税金で、殺し続ける事業案を、私たちは認めることはできません。
・兵庫県のアライグマは、もはや根絶は不可能です。国内外の事例でも、小さな島や池などの例外をのぞいて、根絶の成功事例はありません。
・不可能な根絶を続けることは無益な殺生です。根絶と大騒ぎしているのは、命の大切さが分からなくなってしまった一部の研究者や、捕獲業者のみです。
・人間の野生動物の生息数をコントロールすることは不可能。いったん野に出て繁殖した野生動物の分布を決められるのは、自然の力だけです。
・アライグマによる農業被害や家屋被害については対策が必要であることは認めます。同じ、税金を使うなら、被害補償や被害を未然に防ぐことに使うべきです。
・日本熊森協会は、環境省に対し、原則としてペット用外来野生動物の全面輸入禁止策を求めています。
******************************************
日本熊森協会
URL: http://hb6.seikyou.ne.jp/home/kumamori/
日本熊森協会事務所 10:00〜16:00(水・日祝休み)
tel/fax 0798-22−4190
****************************************** |
4月12日(水)
早稲田大学教授池田清彦著、「環境問題のウソ」3 外来種問題のウソとホント
(2005年12月出版 ちくまプリマー新書、760円)を、読まれたある顧問が、外来動物は皆殺しにしなければならないというウソが、はっきりわかったと言われていました。みなさんも、是非お読み下さい。
生命の尊厳がわからなくなった研究者に洗脳されて、行政のみなさんが決められたことは、哀れなアライグマたちの皆殺し。熊森は、人間の考えつくことが空恐ろしくなります。
外来動物アライグマの根絶殺害を計画した兵庫県庁がパブリックコメントを募集
兵庫県庁HPページより一部を抜粋
「兵庫県アライグマ防除指針」(案)について
防除 =すべて殺しつくすこと :熊森注
兵庫県では、近年、生息範囲が拡大しているアライグマによる農林水産業や人間生活、生態系への被害防止を目的として、外来生物法に基づく防除を円滑に進めるため、「兵庫県アライグマ防除指針」を策定することとしており、このたび、その素案がまとまりましたので、以下のとおり県民の皆さんからご意見・ご提案を募集することとしました。多数のご応募をお待ちしております。
なお、ご意見などについては、「兵庫県アライグマ防除指針」策定にあたっての参考とさせていただきますとともに、ご意見などの概要とこれに対する県の考え方を、最終決定した「兵庫県アライグマ防除指針」とともに発表させていただきます。
兵庫県アライグマ防除指針(案)について
@ 背景と目的[PDF 約15KB]
A 兵庫県アライグマ防除指針(案)[PDF 約115KB]
ご意見・ご提案の提出
募集期間
平成18年4月3日(月)から平成18年5月2日(火)まで(必着)
電子メール、Fax、または郵送により送付してください。
なお、お電話でのご意見等の提出はご遠慮いただいておりますのでご理解ください。
宛先
〒650-8567 神戸市中央区下山手通5−10−1
兵庫県農林水産部農林水産局森林動物共生室保護管理係
電話:078-362-3463 Fax:078-362-3954
e-mail: shinrinkyosei@pref.hyogo.jp
熊森より:電話番号があれば、パブリックコメントの内容が意味不明だったとき、県庁から
問い合わせがあるそうです。住所氏名などを書くようになっていますが、最近、
個人情報となるため、書くことを嫌がる人がとても多いです。県庁に問い合わせると、
書いて欲しいけれど書いていないからといって、意見を没にすることはないそうです。
最終的に、兵庫県がアライグマをどうするかは、パブリックコメントを見て、結論を
出すそうです。
4月6日(木)
兵庫県がアライグマの根絶殺害案を決定
検討会は、根絶派を集めておられましたね。パブコメをとられるそうです。
決めてからとるのなんて、変ですね。しかも、パブコメは、氏名、年齢、
住所、電話番号とか、いろいろ書かねばならないそうです。理由は、
パブコメを出した人に、問い合わせるかもしれないからだそうです。
出した人に、問い合わせますよなんてパブコメを、初めてききました。
一般県民なら、ちょっと怖い感じがするでしょう。
行政の方針は、根絶殺害だ。文句のあるヤツは、名を名乗れ。一覧表
にしてやるぞ。恐怖政治みたいになるのでしょうか。行政担当者のみなさんも、
氏名、年齢、住所、電話番号とかの、個人情報を発表されるのでしょうか。
問い合わせるかもしれないのなら、メールや携帯電話番号だけでいいのではない
でしょうか。個人情報保護法にひっかからないのかどうか、県庁にきいてみます。
(2006,2,26更新)
早稲田大学教授池田清彦著、「環境問題のウソ」 2005年12月出版
ちくまプリマー新書、760円
1 地球温暖化問題のウソとホント
2 ダイオキシン問題のウソとホント
3 外来種問題のウソとホント
4 自然保護のウソとホント
あとがきに、日本人は、テレビや大新聞はうそをつかないと信じているが、実は日本のマスコミは
北朝鮮並に統制されていると書かれています。15年の活動を振り返って、熊森は、つくづく同感です。
例えば、外来種は日本の生態系を破壊する悪者だという人の見解ばかり、マスコミが報道する。
国民はだんだん洗脳されていく。これは、マスコミが国民にうそをついたのと同じだというのです。
熊森はマスコミに、熊森の外来種観を取り上げて国民のみなさんに問うてほしい、どっちの言って
いることがまっとうか外来種根絶派の学者と紙上討論させてほしいと、何度か頼みましたが、どこも
取り上げてくれませんでした。
(熊森のどんぐり運びのときも同じでした。どんぐり運び批判ばかりがマスコミに取り上げられ、どんぐ
り運びに問題はないという、私たちの見解は書いてくれるところがないのです。)
その結果、環境省指令により、日本の野に出て46年目のアライグマを100年かかっても、永久に
できなくても、皆殺しし続けるという。こんな、できもしない、しかも、恐ろしい殺戮に、税金を使う国に
なっていくのです。
みなさん、正気ですかと、熊森は思っています。(やっていいことと悪いことの区別もつかないのか)
ドイツでは、50年以上たった外来種は、在来種になる法律があるそうです。なら、あと4年で、アライ
グマは日本でも在来種です。ドイツのアライグマは、70年経っているそうで、外来種駆除などしなかっ
たし今後もしないそうですが、在来生態系が壊滅になんかなっていません。
今後、アライグマが、在来生態系を破壊するという学者に、証拠を求めて行きたいと思います。
今まで、納得の行く証拠など、見せてもらったことがありません。罪もない動物の命がかかっている
というのに。
アライグマをゼロにしないと日本の生態系が破壊される。こんな趣味の悪いウソを世に広める暇が
あったら、今もどんどんと入ってきている外来動物の輸入を、全面ストップさせるできでしょう。農業
被害に関しては、6000ボルト以上の電気柵で完全に防除できると、農業者の声がありました。1000
ボルトでは、アライグマはダメだそうです。
3 外来種問題のウソとホントを読まれたら、熊森の主張がわかる人がたくさん出ると思いました。
2005年6月1日から、環境省の「特定外来生物法」が施行されました。
37種の特定外来生物の輸入を禁止
すでに野に出て繁殖している外来動物にどう対処するかは、各都道府県又は市町村に任されるそうです。
外来種問題に対する当協会の考え
環境省 特定外来生物法による防除予算
環境省のアライグマ防除モデル地域は神奈川県を中心とする関東地域、一部関西地域
(2006.1.5更新) 神奈川県庁が全県域からのアライグマの完全排除計画素案を作成 2005年12月
神奈川県HP アライグマ防除実施計画(素案)に対する県民意見の募集等について
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/ryokusei/ysi/iken051222.html
主な素案内容
アライグマによる農業被害、生活被害、生態系被害が発生した箇所はもちろん、生息が目撃された箇所において、わなにより徹底的に捕獲し、研究などの目的で譲り受けの申し出が無い限り、殺処分にする。2006年4月から開始。
会員の皆さんへ
説明会場での質問・意見、パブリックコメントの提出、よろしくお願いします。
当会が主張するアライグマ完全排除殺害の問題点と対応策
1.生命尊重思想を踏みにじる。
→外来動物と在来動物の命の尊さに差などない。殺さない解決策をとるべき。
2.アライグマ(外来動物)を完全排除しようとする論拠が不明。
→家屋被害・農作物被害には、殺す以外の被害防止、被害補償で対応すべき。生態系への被害は不明。
3.原因を作った人間を罰せず、被害者であるアライグマを殺して解決しようとする考え方は、人間を狂わす。
→ ・アライグマのペットとしての輸入を認めた人、輸入した人、無責任に売った人、捨てた人たちの責任を問わず、被害者だけを殺して終わろうとするのでは、人間社会がダメになる。
→ ・せめて避妊・去勢手術をした上での放獣は認めるべき。
→ ・どうせ膨大な税金を使うのなら、捕獲後の飼育など生かすことに使うべき。
→ ・神奈川県庁は殺すだけで、生かすことには1円も使おうとしていない。
→ ・なぜ数ある外来種の中で、アライグマだけを目の敵にして殺しつくそうとするのか。
→ ・生活や農業に被害が出たから根絶殺害するという思想では、野生鳥獣との共生はできないのではないか。
4.自然界の現場を知っているものなら、野で繁殖した動物の根絶殺害など今さら不可能とわかるだろう
→ ・諸外国がもはや根絶などできないといっているのに、あえて根絶をめざす論拠は何か。
→ ・根絶できなかった場合、根絶に使った膨大な税金、奪われた罪も無いアライグマの膨大な命に対して、誰がどう責任を取るのか、明らかにしてほしい。
→ ・なぜ数ある外来種の中で、アライグマだけを目の敵にして殺しつくそうとするのか。
5.アライグマ捕獲ワナにネコやタヌキもたくさんかかる。
→ どうしてくれる。 |
神奈川県庁 松沢成文 知事様
〒231-8588 神奈川県横浜市中区日本大通1
TEL 045−210ー1111(代表)
FAX 045−210−8833
メール teian.58@pref.kanagawa.jp
直接担当:神奈川県庁環境農政部緑政課野生生物班
≪神奈川県 アライグマ捕獲解剖調査事業≫
●これまでの経緯及び当会のコメント
●神奈川県知事様及び県庁への要望
横須賀市大楠山(827ha)で予定している野生アライグマの捕獲・
全頭解剖事業計画について 「外来動物であっても、無用の殺生は避けてください
●京都府、京都市、京都仏教会に対し、要望書を提出しました。(2005.9.16)
毎日新聞がこの件で記事報道
●当協会は、特定外来生物法を先行実施しようとしている 神奈川県に注目
産廃処理場(15ha)建設中の横須賀市大楠山のアライグマをどうするのか
これはひどい 多くの県民の「殺さないで調査を」の声を完全無視して、
突然実施。神奈川県が「アライグマ基礎調査」の名目で、数の低減化を
狙い7月24日(日)から、全頭捕殺処分を開始!!
9月5日(月)
大楠山アライグマ捕獲解剖事業の結果
9月5日神奈川県野生生物班責任者に問い合わせしました。
捕獲を実施した期間・・・7月24日〜8月15日
捕獲オリにかかったアライグマ・・10数頭(全て解剖された)
錯誤捕獲・・・10数頭(ネコ、タヌキ、ハクビシン)
実施を委託した業者・・・神奈川県野生生物保護管理事務所(WMO)
使われた予算・・・・・600万円
行政としては10月下旬頃にまとめを発表する予定との事です。
(熊森コメント)結果を見ても、この事業と予算の使われ方に全く納得できません。
10月8日(土)
京都市のアライグマ駆除に関する情報公開をとりました。
驚くべき内容でした。近いうちにお知らせします。
10月6日(木)
毎日新聞が、外来種に対する熊森の主張を紹介してくれました。
10月2日(日)
東京で動物の権利を主張するデモがあったそうです。
ドイツでは、その合理精神ゆえに、外来動物だからといって
駆除することはないそうです。
(意味のないことに、税金を使わない。熊森と同じ考え)
法律により、50年以上ドイツに棲み続けている動物は、
ドイツの動物ということになるそうです。マングースやヌートリアを、
外来種だからと駆除している日本は、ドイツからしたら自国の動物を
殺しているおかしな国です。
日本では、環境省の方針が決まれば、研究者も自然保護団体も一斉に
同一見解になびく傾向があり、外来動物だからといって殺すのはおかしいと
主張している熊森は、外来動物対策に関しては、日本では孤立しているに
近い団体です。でも、自分たちの自然観、動物観に自信があるので、
考えは変えません。
しかし、ドイツ環境省、ドイツ自然保護団体とは、同じ見解であることが
分かりました。
9月15日(木)
野に拡散した外来種のうち、生息数が著しく増加しているものに関して、
侵略的外来種という恐ろしい名を付け、行政に多大の予算を請求して、
捕獲殺害を続けている人たちがいます。これらの事業のパックボーンになる
理論を展開している研究者たちがいて、熊森はその理論に納得できないもの
が多々あり、公開討論を呼びかけてきました。しかし、今のところ声をかけた
研究者全員が出席を断ってきました。国民の前で説明できないような理論で、
このようなことを進めていいのでしょうか。残念です。
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(2005.3.31)
●アライグマにお困りの方へのアドバイス(2005.1.6)
アライグマの里親を募集しているところがあります
特定非営利活動法人アニマルライツセンター(ARC)
●その他の外来種問題についての一言
国民のみなさんへ
外来野生動物を店から買わないようにしてください。買う人がいる限り、
業者のみなさんはもうけようと輸入します。気候風土の違うところに連
れてこられて、一番苦しむのは動物たちです。
今、飼っておられる方は、どうか終生めんどうをみてやってください。
マスコミのみなさんへ
「外来動物の大量殺害が始まります」などと、具体的に何が行われるの
か国民に分かるように報道してください。
こんなことをしても、もはや根絶は不可能なのに、無用の殺生です。
それより、マイナス面が大きすぎます。人間が狂ってしまう。
行政のみなさんへ
以下の本を読まれたら、外来種殺害事業なんて、もうばからしくて
できませんよ。
環境省のみなさんへ
輸入規制がたったの37種類だなんて、規制したことになりません。
是非、原則としてすべての外来動物に輸入規制をかけてください。
おすすめ参考図書
今、一番必要なことは、野に出ては困るすべての外来生物の輸入を
止めること。
もはや根絶など不可能なのに「野に出た外来動物は殺し続けなけれ
ばならない」という一部の人たちの主張の異常性とウソを、全国民
に伝えたい。だから、外来動物など、輸入してはならなかったのです。
「魔魚狩り」 悪玉は、お前にしよう 外来種新法の真実
環境省担当者と御用学者のあきれた小細工
水口憲哉(東京海洋大学教授)フライの雑誌社 1800円
「底抜けブラックバス大騒動」 利権のためとしか思えない外来種駆除
生物学者怒りの鉄拳 生物多様性という名のナチズム
池田清彦(早稲田大学教授)つり人社 1200円 |
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●外来種問題は生命の尊厳に基づいた対応を −識者・教育者の見解ー(2005.1.6)
●アライグマにお困りの方へのアドバイス(2005.1.6)
●都道府県 野生外来動物への対応状況(2004、9、9)
・特定外来生物による生態系等に係わる被害の防止に関する法律案全文
人間が責任をとり、ノヤギを捕獲・飼育している町があった!―東京都八丈町
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