凡人「R」の日々 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-08-16

[]ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説/十文字青、ま@や/一迅社文庫

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫)

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 (一迅社文庫)

ラブコメ風のイラストと内容とのギャップがたまらないと各所で話題になっていた「ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説」が気になったので読んでみました。

読み始めて約3時間、内容に引き込まれて一気に読み終えてしまった。

ストーリーや登場人物については各自補完してもらうとして、それでもざっくりと紹介すると、1人の高2男子が5人の女性(姉・妹含む)と文字通りスッタモンダの展開を繰り広げるラブストーリー。間違ってもラブコメではない。

十文字青の作品は初めて読みましたが、なにか凄まじいチカラを感じさせる作品でした。それはあとがきからも明らかで、

これは、ふと思いたって、夢中で書いた小説です。

と作者自身も語っています。

個人的には主人公・ユラキの仲のいいクラスメイト・可賀地がツボでした。ノリ重視のグループにいて基本的に軽薄、だけど実は○○、みたいなキャラがたまりませんでした。もし可賀地がアレだったらユラキ君の物語は地獄編パート2まであったのかもしれない、と思うだけでゾッとします。

また、「ぷりるん。」しか言わない女の子はそのワケが明かされてからも自分の中では恐ろしい子でしたが、それ以上にラストのユラキには驚きました。

物語はなんとかラストを向かえます。が、それはハッピーエンド風であって、一時的な幸せであることを感じさせます。いくらでもその後の展開が予想され、もしかしたらおまけで芙美ちゃんルートがあるかもしれない、なんて思っちゃいました。てへっ。

スクイズ以降、広くヤンデレが常態化したオタク文化において、生まれるべくして生まれた作品だと言えるのではないだろうか。

「ぷりるん。」は読む人を××させる怪作です。


この作品はライトノベルの形を取っているけれども、文体や名称などの言語コードを読者が受け入れやすいものへ変換すれば、一般にも通じるものではないかと思う。読んですぐ浮かんだのがケータイ小説*1で、この程度のスッタモンダの話なんて屁みたいなもんじゃないのかな、なんて勝手に思ってしまった。実際、ついこの間ある女の子から聞いた話はちょっとすごかった。事実は小説より奇なり。


気になった人は迷わず読むべし。ただし毒リンゴです。あしからず

*1:私自身は未読。見聞きしたイメージで語ってます。

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