【ニューヨーク=杉本晶子】消費不振が続く米国で、高級衣料・雑貨などを主に扱う百貨店や専門店の業績低迷に拍車がかかる一方、ウォルマート・ストアーズが客数を伸ばすなどディスカウント店が比較的底堅い業績を示し、小売店の二極化が鮮明になっている。失業率の高止まりや所得減が消費者心理を冷やし、価格の安さが購買を左右する流れが加速している。
若年層に支持されてきたカジュアル衣料専門店アバークロンビー・アンド・フィッチは、5〜7月期に既存店売上高が3四半期連続で2ケタ超の前年割れと苦戦した。原則として値下げしない戦略が裏目に出た。マイケル・ジェフリーズ最高経営責任者(CEO)は「米国では割安さがモノを購入する尺度となる流れが続き、当社のような高級ブランドには明らかに逆風」と分析。秋から「大幅に単価を引き下げる」戦略を示した。
(16日 23:15)