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山本 鮮烈1回KO!涙のMVP

 1回、仲田雅宗をリングに沈めた山本隆寛=大阪府立体育会館第二
 1回、仲田雅宗をリングに沈めた山本隆寛=大阪府立体育会館第二

 ボクシングの西日本新人王決勝戦が15日、大阪府立体育会館第2競技場でミドル級を除く11階級で争われ、1回KO勝ちしたバンタム級・山本隆寛(18)=尼崎=が最優秀選手賞に輝いた。技能賞には鈴木悠平(19)=真正、敢闘賞には高埜剛(19)=尼崎亀谷=が選ばれた。各階級の西日本新人王は9月26日、福岡・クローバープラザで西部日本新人王と対抗戦を行い、勝者は中日本新人王と11月14日、名古屋市公会堂で西軍代表の座をかけて争う。全日本新人王決勝(本社主催)は12月19日に後楽園ホールで行われる。

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 『尼崎のKOキング』が、圧倒的な強さを見せつけた。左フック一発で相手をぐらつかせると、最後はコーナーへ追い詰め右ストレート。崩れ落ちるように倒れた仲田は、座ったまま10カウントを聞いた。鮮烈な1回KO勝利でMVPを獲得した山本は、控室で「少しは親孝行になったかな」と涙ぐんだ。

 両親の猛反対を振り切り、高校入学と同時にボクシングを始めた。入会費や月謝はバイト代でまかなった。だが「学業とバイトとボクシングの生活は、心に余裕がなくなった」と、高校を1年の秋に中退。その際も両親は猛反対したが「ボクシングの世界に学歴はいらん」と押し切った。

 しばらく“冷戦”状態だったが、山本の懸命な姿が両親の心を動かした。実家のある宝塚から尼崎ジムまで、毎日自転車で往復した。「そういう姿を見て、今は応援してくれてます」と笑顔。この日も会場で声援を送ってくれた。堂々のデビュー5連続KO勝利を飾り「今考えれば、すごい親不孝だった。この世界で一番になって恩返ししたい」。父のため、母のため、これからもKOの山を築く。

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