強烈なエルボーを後藤に見舞う杉浦(右)=両国国技館
「新日本・G1クライマックス」(15日、両国国技館)
リーグ戦最終日は、杉浦貴(39)=ノア=が後藤洋央紀を下してBブロック2位に滑り込み、逆転で準決勝に進出。史上初の新日本に所属していない選手による“外敵優勝”を誓った。全勝の中邑真輔がBブロック1位。Aブロックは棚橋弘至、真壁刀義、田中将斗(ゼロワン)が勝ち点で並んだものの、直接対決の勝敗により田中が脱落。棚橋と引き分けた真壁がコイントスで1位扱いとなり、16日の準決勝は真壁-杉浦、中邑-棚橋に決まった。
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杉浦が連覇を狙う後藤を沈めて、リーグ戦2連敗スタートから準決勝に進んだ。顔面を殴り合う肉弾戦。最後は相手を投げ技でコーナーにたたき付け、続けて発射した雪崩式五輪予選弾で撃破。「よし明日だ。つながった」と叫んだ。
試合後、史上初の“外敵優勝”について問われると「面白いね。一気にプロレス界の『時の人』になっちゃうよ」と闘志をみなぎらせた。開幕直前に右ひざ蜂窩(ほうか)織炎で入院し、シリーズ中には腰も負傷。12日に金髪に変身した男は「痛み止めものんでいるし、ここまできたら関係ない」と言い切った。
00年、自衛隊からノアに入団。練習生ながら、前社長の故三沢光晴さんが自衛隊の時と同じ給料を-と配慮してくれた。「家族を気遣ってくれた。ありがたかった」。30歳でのデビューながら「10歳若いつもりでいるからね」と、若手に負けない猛練習で克服した。
三沢さんから今春「杉浦の元気さは、ノアにとってうれしいな」と言葉をかけられた。誇りを胸に、杉浦が快挙に挑む。