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「日産」焦った?ホッとした?横浜市長選にアノ女性

民主が「販売のカリスマ」林文子氏擁立

 日産自動車が胸をなで下ろしている。横浜市の中田宏市長(44)の辞職に伴う市長選(30日投開票)で、民主党が、前ダイエー会長で前東京日産自動車販売社長(選挙のため10日付で辞任)の林文子氏(63)の擁立を決めたからだ。日産は環境対応車の開発をめぐって中田市長と良好な関係を築いていたが、突然辞職を表明。ヤキモキしていたところに、日産と縁の深い林氏が、大型地方選挙で連勝して勢いに乗る民主から推薦を受けて出馬することになったのだ。

 自動車各社は今、生き残りをかけて電気自動車やハイブリッド車などの環境対応車の開発にしのぎを削っている。日産も来年発売する電気自動車「リーフ」を、社運をかけて開発中だ。

 各社が血眼になって開発競争を演じている環境対応車だが、開発・普及にも車自体にもお金がかかるのが難点。特に電気自動車は、搭載するバッテリーが高価なことなどから、同じクラスのガソリン車に比べて約300万円近く高くなるほか、バッテリーの充電施設もこれから整備しなくてはいけない。

 補助金による価格格差の縮小や、充電施設の整備などには、国や自治体の支援が必要不可欠となっている。

 「電気自動車を開発する場合、一定のエリアに事業を集中させる方が効率的とされ、日産が選んだのが横浜市だった。今年3月には、横浜市と低炭素社会の自動車交通実現に向けた共同計画を締結。8月上旬には、本社を東京から横浜市のみなとみらい21地区に移転している」(アナリスト)という。

 さあ、これからというときに突然、中田市長が辞職を表明。日産は「相当焦ったのでは」(同)とみられている。

 横浜市長選は総選挙との同日選。総選挙で優位と伝えられる民主党が誰を選んでくるかが注目されたが、同党神奈川県連は10日、日産自動車の執行役員や東京日産自動車販売社長も務めた林氏の推薦候補としての擁立を決めた。

 気の早い業界関係者からは「(日産と横浜市の関係が)中田市長時代より後退することはない」との声も聞かれる。

 「林氏有利」の観測が業界関係者の間で根強いのは、勢いに乗る民主党からの出馬という理由だけではない。

 日産の国内最大の生産拠点、追浜工場は神奈川県横須賀市にあり、横浜市在住の日産社員や同社関係者は多い。「会社として林氏支援を打ち出せるかは分からないが、労組は支持に回るだろう」(日産幹部)といい、林氏にとっては大きな援軍となりそうだ。

 林氏は高級外車のビー・エム・ダブリュー東京時代に「販売のカリスマ」と称され、その経験を買われて経営危機に陥ったスーパー大手ダイエーの会長に抜擢された。その半生がNHKでドラマ化されたこともあり、知名度は高い。

【自民系はJPモルガン元副社長】

 対する自民党は横浜市長選に、JPモルガン証券元副社長、中西健治氏(45)を擁立する方向で調整を進めていたが、中西氏は推薦を辞退する意向を固めた。同党横浜市連の支持を受けて無所属で出馬する予定。

 名古屋、さいたま、千葉と最近の政令市長選で連勝中の民主党が林氏の擁立を決め、ひと安心の日産。しかし選挙の結果が出るまでは、落ち着かない日々を送ることになりそうだ。

ZAKZAK 2009/08/11

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