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〈私の考えは間違っているのでしょうか?〉 喫茶店で働く兵庫県姫路市の理恵さん(38)(仮名)から、釈然としない胸の内をつづった手紙が届きました。 〈私はひざの関節症で3年前に、ある総合病院で治療を受けるようになりました。担当は「名医」と評判の医師だったのですが、痛みは悪化するばかり。さらに、もっと疑問に感じるようになったのは、その医師の診療は予約制なのに毎回、何時間も待たなくてはならないことでした〉 「2時間待って診療3分」。そんな話をよく耳にしますが特に仕事の合間をぬって来院する人には困った問題です。 〈あまり時間がずれ込むと、勤め先の店に迷惑がかかります。ある日、看護師さんに「少し何とかなりませんか」と伝えたら、診療室に入るなり、医師の怒りに満ちた口調に凍り付きました。「はっきり言っておく。患者を待たせるのは僕のスタイルや。待たされても診てもらいたい人はいくらでもいる。それが嫌なら、もうあなたは診ない」。そう言い渡されたのです。 それで2か月前に病院を変わったのですが、思い出すと悔しさで震えが止まりません。不眠症や頭痛にも襲われ、強いストレスが原因と診断されました。後日、上司に付き添ってもらい、医師の発言について病院に釈明を求めましたが、「うちに非はない。文句があるなら訴訟でも起こせばいい」と、話を打ち切られてしまいました〉 医師が自分の腕に自信を持つことは大切でしょうし、そうでなくては患者も安心してかかれません。ですがそれを振りかざして「待つのが当然」とまで言われては、「あなた、何様?」という感じです。 医師のような専門職や政治家など「先生」と呼ばれる職業の方には日々、たくさんの面談希望者が訪れます。私もある弁護士への取材でこんな経験をしたことがあります。 その人はいつ事務所に電話しても、事務員さんの返答は「来客中」。その日のうちに連絡が取れることは珍しいほうでした。よほど多忙なのだと思っていたら、ある時、事務員さんがこっそり教えてくれました。「実はひまで電話に出られる時もあるのです。でも先生は『誰にでもそう答えなさい』って。待たせたほうが人気があると思われるから」と。そう聞かされた時、力が抜けてしまいました。 もちろん、これは極端な例でしょう。が、他にも社会的地位が高いとされる方に「少し待たせたほうがありがたみが増す」といった認識はないだろうか。くだんの医師の発言に、そんなことを思った次第です。偉くなってもそんな先生方のような態度は取りたくないものです。って、スイマセン。私には縁のない話でした……。 (中沢直紀)
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郵送が〒530-8551(住所不要)読売新聞大阪本社社会部「日曜便」係 FAX : 06・6361・3065 Eメール : (2009年08月16日 読売新聞)
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