新型インフル感染で国内初の死者
厚生労働省と沖縄県は8月15日、新型インフルエンザに感染していた57歳の男性患者が死亡したと発表した。国内での新型インフルエンザ感染者の死亡例は初。また、舛添要一厚労相は「ウイルスの病原性が変化したものではない」などとするコメントを発表した。
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厚労省などによると、死亡したのは沖縄県在住の57歳の男性で、心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全のため、人工透析を受けていた。8月9日に咽頭痛、咳などの症状が現れ、10日に透析を受けた医療機関で簡易検査を行ったところ、A型陰性だったため、解熱剤の処方を受けた。12日に再び透析を受けたが、透析中に発熱、39度台まで上昇した。簡易検査でA型陽性となったため、透析後にタミフルを投与。胸部写真の心陰影拡大や全身状態が思わしくないことから、同日に別の医療機関に紹介、入院となった。
その後、14日未明に意識レベルが低下、肝機能障害と血小板減少がみられた。意識レベルはいったん改善するが、同日夕から呼吸苦が増強、透析を実施した。しかし、15日に入って循環不全となり、同日午前1時半ころに心停止。心肺蘇生によりいったんは心拍再開したが、午前7時前に死亡が確認された。緊急でPCR検査を行ったところ、新型インフルエンザ陽性であることが確認された。
この男性の周辺にインフルエンザ様症状のある人はおらず、同県は、感染源については不明としている。
また、死亡例の発生を受けて舛添要一厚労相は15日、「新型インフルエンザ(A/H1N1)による死亡者の発生について」と題するコメントを発表した。
この中で舛添厚労相は、「新型インフルエンザウイルスの病原性が変化したものとは考えておりません」としたものの、念のため国立感染症研究所でウイルス変異の有無などの確認を行う意向を示した。
また、現状について「新型インフルエンザの感染は拡大している状況」にあるとの認識を示し、国民に対し基本的な感染症対策を取るよう呼び掛けた。
更新:2009/08/16 11:40 キャリアブレイン
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