■タイに地下鉄がやってきた! 2004.8.2 update

7月3日、タイで初めての地下鉄「MRTA」(大量高速輸送公社)が開通した。ルートは、週末の買い物天国「チャドチャックマーケット」付近から始まり、「日本大使館」、バンコク市民の憩いの場「ルンピニ公園」、ナイトタウン「タニヤ、パッポン」を通り、国内各地行きの列車やマレー半島を行く国際列車が発着する「フアランポーン駅」(中華街も至近)へ至る18駅で、全長20キロ。普段の通勤や買い物ではあまり利用しないエリアが多いので、開通から2週間経っても一度も乗ったことがなかったけど、重い腰を上げて初体験してきました!

既に開通済みの高架鉄道BTSとの乗換駅「サラデーン」【註1】で降りると、「MRTAはこちら」という目立つ看板が。迷うことなく乗り換え口へ出た。しかし地下鉄の入口が見当たらない。日本のように、付近のビルの地下から駅へ通じるというようなことはないのだ。歩くこと2-3分ほど、ようやく「シーロム駅」が見えた。この距離は、タイ人感覚ではちょっと遠いかも。このほかのBTSとの乗換駅はとても近いんだけど、ここはバンコクで言えば新宿のような繁華街・オフィス群だけあって、掘るのが大変だったのかもね。
【註1】高架鉄道BTSとの乗換駅は全部で3つ、BTSシーロム線のサラデーンとMRTAのシーロム、BTSスクンビット線のモーチットとMRTAのチャドゥチャック公園、同じくBTSスクンビット線アソークとMRTAのスクンビット。国鉄との乗換駅は、MRTAのそれぞれの始点と終点。

えらく速度が速いエスカレーター」【註2】を降りると、薄暗い改札口へ出た。本屋やお菓子屋が並ぶBTSの構内と比べて、なんだか寂しい。そういえば、火災が起きたら大変だからとかで、ゴミ箱は設置していないそうだし、わざわざゴミが出そうなモノを売るわけもないか、と妙に納得。
【註2】バンコクのエスカレーターは何故か異常に速い。日本のエスカレーターなら、階段を普通にあがるのと同じくらいの速度だが、バンコクのは駆け上がるくらい。

今は期間限定で全線どこでも10バーツなので、10バーツチケットを購入。カジノのチップみたいな黒く丸いコインを受け取り改札へ。改札は、JR東海のスイカみたいに、このコインをかざすだけで通れる最新式。「ほぉ、こんなコインで開いちゃうのね」と感心しつつ、中へ。ホームは、ガラスで覆われていて、電車が来るとガラス戸が開くシステム。ホームは改札同様薄暗く、人気が少なかったら怖そう。3分ほど待つと電車がやってきた。

BTSより細い車体で、向かい合う長椅子の間にはあまりスペースがない。その分、BTSより長く車両を連結している模様。肝心の乗り心地はというとなかなか快適、スピードも結構出るようだ。日曜日の朝ということでがらすきだと思っていたけれど、けっこう混んでいる。BTSと比べると外国人は少なく、タイ人の姿が目立った。なんだかみんな妙に楽しそうだ。もしや休日に地下鉄に乗るのが目的できているのか?(私もだけど)

開通当時ガラガラ【註3】で、断っていた車両の全面広告ペイントに乗り出さざるを得なかったBTSの滑り出しに比べれば順調なスタートといえる。バスより高くても渋滞のない電車の利点がようやく一般市民に認知されたのかも。とはいえ、割引期間が終わったらどうなるのだろう。運賃の高い電車よりバスを取る一般市民と、車に乗ることがステータスの上流層の狭間で、どこまで集客できるかは、これからのお楽しみ。
【註3】現在は、BTSも軽いラッシュが見られるくらい混んでいることが多くなってきた。




画像右上:BTS構内の地下鉄案内の看板
画像左上:地下鉄シーロム駅入り口
画像右中:チケット。カジノのチップのような形状をしている。
画像左中:改札機に付いている矢印の上方の窓にチケットをかざして入場する。
画像右下:ホーム
画像左下:車内はなかなか混み合っている。とにかく、車体の横幅が狭い。


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