2009年8月16日3時10分
静岡・駿河湾を震源とする11日の地震の被害で一部区間で不通となっていた東名高速は復旧工事が終わり、16日午前0時に全面開通した。中日本高速は当初、12日中に上下線とも復旧させる方針だったが、路肩が大きく崩落していた上り線については、再三の工法変更で大幅にずれ込んだ。そのため、影響はお盆の帰省・Uターンラッシュを直撃した。
上り線で最後まで不通となっていたのは、牧之原サービスエリア付近(静岡県牧之原市)の崩落現場をはさむ焼津、袋井両インターチェンジ間の45.8キロ。被害が比較的少なかった下り線は13日午前0時に復旧している。
崩落現場では当初、路肩部分の地中に鋼材を打ち込んで盛り土部分を安定させる工法で復旧を急いだが、地震や台風9号に伴う雨で地盤が想定以上に緩んでいたため難航。最終的には、土嚢(どのう)やセメントで補強しながら盛り土部分を積み上げる工法に変えたため、上り線の作業は時間がかかった。今回は応急で、引き続き本格工事に入るという。
同社は、完成から40年を超えた「大動脈」で起きた路肩崩落の原因を調査・分析するため、学識経験者を交えた検討委員会を設け、17日に現地調査と初会合をする予定。検討結果を現場の本格復旧や東名高速の老朽化対策に役立てる考えだ。