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CINQ MR-S SmartRoadster
2001年3月某日
ルノー・サンク(初期型)をGET。諸般の事情により「ただ」である。いわば鶴の恩返しによる助けた亀である。とりあえず乗ってみよう。ガンダム風に言えば「サンク大地に立つ」。いきなり混んだ道に出るのは怖いので草木も眠る丑三つ時にチャレンジ。きょきょきょ、きょきょきょきょ。エンジンがかからねえよ。チョーク(あるんだ、これが)も引いてみたが、同じ。サンク大地に寝る。ご老体なので寒い日は駄目なのかも知れん。
2001年3月某日
丑三つ時は寒すぎると見て、翌日の夜すこし早めに再チャレンジ。やはりかからず。チョークの引き具合にコツでもあるのだろうか。「あんた壊したね」新手の美人局に引っかかったのではないかと不安になりはじめる。
2001年3月某日
朝、もう一度やってみる。チョークをぐぐっと引く。キーを回す。んきょきょきょきょきょ。きょきょきょばううん。かかった。えらい。三顧の礼をもってサンクを迎える。玄徳三十歳の春であった。気温は夜と同じくらいでも、日が照っていれば車体はすこし温かいということか。しかし実のところ、そのときMP3で聞いていた「ハイウェイ・スター」にサンクが共鳴したというのを密かに信じている。シスネロス(CINQ→Cisneros the Inquisitive:異端審問官シスネロス)というイカス名前を考えておいたのだが、今後はリッチー君と呼ぶことにする。
2001年3月某日
よっしゃー。ちゃんと乗ってみよう。と言いつつ近所をぐりゃんと一周するだけ。勢いはあるが根が小心者なのである。左ハンドルに馴れが要るかなと思っていたのだが、むしろ問題はパワステがないことである。狭い路地を曲がるときに気合を入れないと曲がり切れない。ちなみに駐車場は舗装されていないので据え切りが楽。禍福はあざなえる塞翁が馬ですな。
2001年3月某日
4時半、朝は苦手だが無理して起きる。暖かいことは天気予報で確認済みである。念には念を入れて2分ほど暖気してからサンクで街に出る。問題は道が良くわからないことであった。一応帰ってきたのだが、どこをどう通ったのか、今ひとつ思い出せない。あやうく横浜の方に行きかけたような気もするが、確かではない。たぶん海外には出ていないと思う。
2001年3月某日
今度は地図を見てから出かける。先日より少し遅く出かけたので、そこそこ交通量もある。しかし!何の!問題も!無い!すばらしい。ノープロブレムである。暖気中に何度かエンジンが勝手に止まったが、走行上問題は無い。そもそもエンジンというのは「回るもの」ではなく「回ったり止まったりするもの」である。妙なタイミングで止まらなければ良いのだ(ちょっと不安)。
2001年4月某日
困りもんなのは駐車場の近くの道である。狭い。しかも道交法上は一方通行にはなっていない。擦れ違えないわけでもないのだが、大きな車が来ると辛い。地元民(俺もだが)はどうしているかというと、暗黙のルールとして「こっち方向が基本」というのがあるようだ。今日はそれに従ってアプローチしたが、やたら遠い。本当の一方通行ではないので、距離が遠いぶん何度も擦れ違うことになる。結論、無駄骨。
2001年4月某日
車を渡されるときに、雨の日の翌日は漏ると注意されたのだが、俺が乗る限り漏った事は無い。やはり俺は「サンクに選ばれた乗り手」だということか。そして俺はサンクで初めての雨の日のドライブをする。ぱらつく小雨の中でエンジンをゆっくり温める。駐車場を出る。フロントグラスのちいさな雨粒をワイパーで拭う。うわー。前が、前が見えん。ワイパーブレードの汚れ&傷みが激しくて、フロントグラスに思い切り跡が残る。そういえば、フロントグラスのコーティングが必要だとも言われた気がする。
2001年4月某日
ワイパーブレードの傷みと汚れは、どちらが主原因だろうか。とりあえず汚れを取ってみる。ブレードを持ち上げた状態でペットボトルの水を流して、タオルで拭う。うわ。やっぱりね。タオル真っ黒。両方汚れを取ってから、実際に動かしてみると、ずいぶんまともだ。というか我慢できる範囲だ。少なくとも危なくない程度に前が見える。でも、絵柄的に言えばペットボトルは「南アルプスの天然水」より「エビアン」にするべきだったな。
2001年4月某日
少しずつ道も判るようになってきた。しかし道が未知でなくなるとはこれ如何に。ああっ座布団返して。

そして、1年後・・・

2002年6月某日
サンクは素晴らしい車だが、いかんせん旧い。けしてトラブルは少なくないし、厳密には借り物なので好き放題に手を入れるという訳にもいかない。そんなある日、気が付いた。俺ってFF車しか乗った事が無い。急に後輪駆動の車に乗りたくなってきた。