2006年6月某日
スイスでの生活にも慣れてきて、そろそろ冒険してもいい頃であり、車を買うっきゃナイトである。
手頃な後輪駆動の車というと、BMWの中古あたりが妥当なのかもしれんが、結局はSmart Roadsterにした。新車の方がトラブル少なそうだし。店員曰く、ヨーロッパで最後の一台だそうな。
2006年7月某日
Roadster納車さる。とりあえず自宅まで運転せねばならない。ショップを出てすぐの交差点が青だったから「それ行け」と飛び出したが、割り込まれて減速。で、もう一度信号を確認しようとすると信号が見当たらない！
これまで気がつかなかったが、信号機が対面ではなく手前にあるから、半分交差点に入った段階で信号の確認は出来ないんだな。びびったよ。
2006年9月某日
相変わらず絶好調のSmartRoadsterに乗って湖へ、出たのは昼過ぎだけどサマータイムで日が長いから気にならない。ゆっくり湖沿いに走っていると風が気持ちいい。１時間ほど走ると、前方に何か建物が見えてきた。何の建物だか判らないが皆入っていくので俺も入っていった。と思ったら建物はハリボテというか入口だけで、すぐにまた青空が広がった。問題は、その青空にはためく黒・赤・黄色の旗である。ドイツ？
やべえパスポート持ってねえよ。と戻ろうとしたら、なぜか帰りは止められた。しょうがないからスイスの免許を見せる。「パスポートは？」「今日は持ってない」無いものは無い！・・・結局、しょうがねえなという顔で通してもらった。油断大敵。気がついたら外国ということもあるのだな。
2007年1月某日
今シーズンは雪が降らないなと思っていたがやはり降る。MR-Sで慣れているとは言え、あまり気楽ではない。外国で事故るのは面倒だ。平らな道を走るだけなら楽なんだが、チューリッヒは坂が多い。登りは後輪がぶれるし、下りは制動距離の予測が外れる。
2007年8月某日
父親から手紙が来る。なんという愚かな人達だ、今更話などあるまい。と思いつつも、誰かが死んだとか良い知らせの可能性もあるので、開いてみる。が、長いよ。読む気しねえ。たぶん誰も死んでない。ていうか、何で住所知ってるんだ？ああ、あいつだな。俺の親族には約束を守れる人間は居ないらしい。
2007年10月某日
ボスと話しているときに「客を掛け持ちしてるから仕事がやり難い」と言うと「んじゃあ、スウェーデンに常駐する？」ああ、そういう手もあったな。２、３日考えて決断する。よし、北北東に進路を取れ！