都議選:首相の進退問題浮上は必至 民主は不信任案提出へ

2009年7月12日 23時40分 更新:7月13日 1時37分

都議選の選対本部でテレビインタビュー中、候補者の落選の一報にぼうぜんとする石原伸晃・自民党幹事長代理=東京都千代田区の自民党本部で2009年7月12日午後9時56分、佐々木順一撮影
都議選の選対本部でテレビインタビュー中、候補者の落選の一報にぼうぜんとする石原伸晃・自民党幹事長代理=東京都千代田区の自民党本部で2009年7月12日午後9時56分、佐々木順一撮影

 東京都議選の自民大敗で、麻生太郎首相は08年9月の政権発足以来、最大の危機に直面した。首相は選挙結果にかかわらず衆院解散を断行する意向を強調してきたが、首相の進退問題が浮上するのは必至。与党内には態勢立て直しを求める声が強く、次期衆院選は8月下旬以降に先送りされる見通しになった。民主党は13日中に衆参両院に麻生内閣不信任決議案と首相問責決議案を提出する方針。

 反麻生の姿勢を強めてきた自民党の中川秀直元幹事長は13日未明、「私は『名誉ある決断を』と言ってきたが、その思いは変わらない」と記者団に述べ、首相の自発的退陣を求めた。さらに「党再生の議論をする両院議員総会を求めていくべきだ」と指摘した。尾辻秀久参院議員会長は12日夜、「麻生首相の責任は重い。首相の賢明な判断を期待する」と記者団に語った。

 これに対し、同党の細田博之幹事長は12日夜、東京都内のホテルで河村建夫官房長官と会談した。両氏は「都議選の結果と国政とは別。首相責任論には及ばない」との認識で一致した。さらに、自民党首脳は「解散は首相に一任する」と述べたが、首相サイドの守勢は明らかだ。首相に近い自民党の菅義偉選対副委員長は12日、民放番組で、衆院解散に反対する閣僚が出た場合の首相の対応について「強い意志で解散に臨むだろう」と強調したが、公明党の斉藤鉄夫環境相ら一部閣僚が反対しても首相が解散権を行使できるかは不透明。同党の北側一雄幹事長は13日未明の会見で「(衆院選に向け)立て直しの時間が必要かもしれない」と述べ、早期解散に否定的な見方を示した。与党には鳩山由紀夫・民主党代表の政治献金疑惑を追及し反転の手がかりとしたい思惑もある。

 参院で問責が可決されれば、衆院で審議中の貨物検査特別措置法案の成立は困難になるが、民主党は早期解散に追い込む戦略だ。【中村篤志】

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