2009年8月13日21時1分
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消費を後押ししたのが、自治体や商店街が独自に実施したプレミアム付き商品券やセールなどだ。総務省によると、6月26日までに47都道府県の1084市区町村で1348億円分の商品券を発行。愛媛県でも11市町で商品券が発行されている。
神戸市商店街連合会なども3月からプレミアム付き商品券「こうべ買っ得商品券」を11億円分販売した。神戸市の外郭団体「神戸都市問題研究所」が購入者にアンケートしたところ、商品券があったから買い物をしたとの回答が金額ベースで49%。別の場所で買う予定だったが商品券が使える店に変えたとの回答も16%あり、地域での消費を7億円分増やしたと結論づけた。
神戸市中心部の三宮センター街の中ほどにある宝飾店では、この商品券が約690万円分使われたという。店長の山野景子さん(30)は「値段にシビアなカップルが増えているが、『商品券ならお得』という話ができて助かった」と話す。隣接する地下街「さんちか」(89店舗)では7月までに約4700万円分が使われ、化粧品と婦人用品、靴で約6割を占めたという。
だが、こうした独自策も地方財政の負担になることに変わりはない。「こうべ買っ得商品券」では神戸市が1億5千万円を負担。愛媛県でも9市町がプレミアム分などで1億5千万円以上を出した。
神戸の調査に加わった兵庫県立大の加藤恵正教授(都市経済政策)は「国と自治体の施策がタイミング良く連動して効果が生まれた」としながらも、「公金による消費の誘導は市場をゆがめることにもなる。臨時・緊急のイベント的な施策として考えるべきだ」と指摘。松山・銀天街の平松副理事長も「消費を呼び込むためにイベントは必要だが、商店街が本当に求めているのは、可処分所得が恒久的に増える経済対策だ」と話す。(山村哲史)