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【社会】

愛知・岩倉の南部中にセラピードッグが“通学”

2009年7月28日 夕刊

セラピードッグのリプリー(左)とレイア=愛知県岩倉市の南部中で

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 終業のチャイムとともに教室を飛び出した生徒たちが、玄関で輪になる。中心には「セラピードッグ」の2匹のラブラドルレトリバー。愛知県岩倉市の南部中に週2回“登校”し、生徒や教師の心を癒やすだけでなく、不登校の生徒も学校に向かわせる、頼りになる先生だ。

 黒い毛並みでおっとり型のリプリーと、ベージュ色でおやつに目がないレイア。2007年秋から南部中に通い、生徒たちの登下校を見守ったり、美術のモデルになったりと活躍する、学校の人気者だ。

 夏休み中の今は、生徒たちとはしばらくお別れ。老人ホームなどに出張して活躍しているが、2学期もまた、生徒たちの輪に戻る。

 セラピードッグは半世紀前から欧米で広まった。従順で温和な性格。人の気持ちを察して行動するようしつけられ初対面の人の指示にも従う。

 飼い主は、2年の学年主任を務める樋川裕教諭(55)。7年前、くも膜下出血で入院していた友人を見舞ったとき、そばに付き添っていたセラピードッグを初めて見た。生死をさまよっていた友人は、犬に反応し、少しずつ回復していった。それをきっかけに、自分でハンドラー(犬の指導者)の勉強を始め「効果をあらためて実感した」という。

 リプリーとレイアは、樋川さんが訓練した初めてのセラピードッグ。その効果を学校でも生かせないかと、2年前から週2回、定期的に学校へ連れて行くようになった。

 欠席がちだった女子生徒は犬と戯れるうちに大きな声を出せるようになり、出席日数が増えた。別の不登校に悩む男子生徒も、2匹と一緒に全校生徒の前に立ち、「伏せ」や「お座り」をさせてみせるなど見違えるほど明るくなった。

 最初は「どうして学校に犬がいるの?」と戸惑う生徒もいたが、「今は学校に犬がいるのが当たり前」と樋川教諭。藤田雅則校長(48)は「飼い主が教師なので安心」と太鼓判を押す。

 「見ていると嫌なことも忘れちゃう」。2匹を中心に、生徒たちの笑顔が輪になって広がった。

 (写真部・渡辺真樹子)

 

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