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人ふでがき:アニメ映画「サマーウォーズ」の監督・細田守さん /長野

 ◇上田に世界が注目--細田守さん(41)

 06年に公開されたアニメ映画「時をかける少女」は、国内外で数多くの映画賞を受賞。気鋭の監督が次に手がけたのは、上田市を舞台に「大家族のバイタリティー(生命力)」を描くアクション映画だった。

 「家族を巡る暗いニュースは多い。社会の変化に対し、どうしたらいいか迷い、子供との距離も測りかねている」と現代の家族を分析する。「だが、家族に励まされ、勇気づけられる局面もある。こういう時代だからこそ、そうした力を肯定する描き方をしたかった」と狙いを語る。

 作品中では、上田の戦国武将・真田家をモデルとする陣内一族が、大黒柱の「栄おばあちゃん」を中心に、一致団結して危機に立ち向かう。デジタル仮想都市の異変が、現実の世界に波及していくストーリー。一方で、ネット上でのコミュニケーションや協力も、重要な役割を果たすのが象徴的だ。

 大家族を登場させたのは、もちろん演出上の意図もあった。妻から出身地・上田市の家族について話を聞き、実際に親類の人々にも会ううちに、「アクションヒーローを大家族が支える。これは映画史上になかったような作品ができるのでは」と感じたという。

 06年夏に初めて同市を訪れた。空や雲などの風景、大勢力に屈しなかった上田の歴史、地域の人々の人柄に触れて「とりこになった」と言う。「家族を巡るリアリティーが上田にある」ことに加え、監督自身の「個人的な感動」が同市を舞台にする着想を呼んだ。

 「サマーウォーズ」では地域の祭りや風景、高校、電車などが再現されている。スイスのロカルノ国際映画祭への出品も決まった。「世界に見てもらえる」と期待をかける作品だ。市長をはじめ関係者も全面協力の構えで、上田に日本全国、世界の注目が集まるか。【光田宗義】

毎日新聞 2009年7月29日 地方版

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