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構造改革をどう生きるか

第67回
ホワイトカラー・エグゼンプション、導入の動きは消えていない

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年1月29日

 安倍政権は国民の理解が十分進んでいないという理由で、先ごろ、通常国会に提出する新しい労働基準法改正案の中に、自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を導入することを見送った。

 ホワイトカラー・エグゼンプションについては、本コラムの第46回「残業代なしでただ働きを強制される時代の到来」にも書いたが、既に米国で導入されているもので、仕事の進め方や働く時間を自らコントロールできるホワイトカラーを労働時間管理の対象から外してしまおうという制度だ。

 これが導入されれば、雇用側が労働者の時間管理をする必要がなくなるため、どんなに残業しても残業代は支払われなくなる。

 厚生労働省は、年収や職種、職階、週休2日が確保されることなどの条件で歯止めをかける考えだが、当初からこの制度の導入に熱心だった日本経団連は、「年収400万円以上のホワイトカラー」を対象とするように求めている。

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