礼を尽くす

ホトトギス

最近よく
「一次試験には通るが二次試験の面接でいつも落とされる」
という公務員試験受験生の方の相談を受けます。
こういう方はどうしたらいいのでしょうか。
今回は、これを考えてみましょう。

まず、面接試験がなぜあるのか、あらためて知っておく必要があります。
面接は
「大人の対応ができる人か」
を見る試験です。

その人の人格そのものなんて短時間ではわかりません。
あくまで
「大人としての礼を尽くして仕事ができそうか」
が試されているのです。
例えば、前職がある方は
「どうして前職を辞めたのか」
ねちねち聞いてきます。
このとき
「前職は充実していました」
「…ただ、自分自身の適正をより生かせる仕事は〜だと思い、志望しました」
と答えたりします。
これは
「本当はうそだろうな」
と面接官は知っています。
たいていの人が、前職に不満があって辞めたのです。
でも、それを言わない、必死に悪口を言わない姿勢が大切なのです。

まさに、
「大人の対応ができるかどうか」
が試されています。
そして、こうした受け答えというものは、ほとんどが
「普段からの練習のたまもの」
です。
このことは、よく分かっておく必要があります。

ここで
「大人の対応」
「大人としての礼」
というのは、目に見える形でのマナーです。

よく、
「人は見た目が大半」
と言われます。
それは、顔立ちやスタイルを言っているのではありません。
「こういうことを言えば、相手はどう思うか」
「どういうカードを書けば、熱い思いを感じてもらえるか」
空気が読める人を求めているのです。
ですから
「何がビジネスマナーなのか」
しっかり考え、徹底的に工夫しましょう。
分からないときは講師に相談することです。
そして研究し尽くし、練習し尽くすことです。

その過程は、実に大変かもしれません。
しかし、これをやり切ったときの達成感は最高です。
苦しさの中にこそ、本当の楽しさがあります。
それを知ることができるというのが、公務員試験受験の意義の一つです。

実は、こういうことは普段の日常で訓練できます。
例えば、私は質問のメールを受け付けていますが、メールを送ってくるとき
「挨拶もない人」
があります。
こういう人は要注意です。
面接官は将来の上司です。
礼を尽くさなかったり、マナーがなっていない人と一緒に仕事をしたいはずはありません。
そしてそれは、ちょっとしたことなのです。
模擬面接でも、面と向かって反論してしまう人がいます。
これでは、面接官はムカッとしてしまうのです。
どうしても言いたいときには
「なるほど、たしかにそういうこともあると思います。ただ〜」
という感じで一旦受け止める余裕が欲しいです。

本当にちょっとしたことです。
このちょっとしたことができる方が本当に少ないのです。

本当に、ビジネスは9割が見た目です。
公務員についても、さわやかな建前を守れる人が求められています。
それは、最終的には
「将来の上司(面接官)を立てる愛情、心の余裕」
です。
しっかり礼を尽くせる人になりましょう。
それが公務員試験の面接を乗り切る技術なのです。

「楽しい修行」の意味

ニラ

私がよく話すことの一つに
「合格したら幸せ、不合格なら不幸せという考え方をやめる」
ということがあります。
合格したら、新しい仕事が待っています。
それは、確実に新しい悩みの始まりです。

お金を頂く以上
「ストレスのかからない楽なだけの仕事」
なんてありません。
みんなその仕事をするのが辛いから、報酬が出るのです。
当然のことですが、このことはよく分かっておく必要があります。

私はいつも
「幸せも不幸せも、全てその人の心の中にある」
と話します。
それは、退屈な人生訓ではありません。
仕事が辛いのは、当たり前です。
どんなに向いた仕事についても、辛いことは辛いです。

私は、かつてこのことに気づきませんでした。
楽をしてお金だけ欲しいと思っていたのです。
これでは、失敗を繰り返すに決まっています。
公務員の仕事も、資格を取ってする士業も同じです。
辛い中、しんどい中に、いかにして
「やりがい」
「楽しさ」
を見つけられるかが試されています。


仕事と同じように、試験勉強も
「ストレス」
「辛いこと」
が必ずつきものです。
いくら
「楽しく勉強しましょう」
と言っても、お遊びと同じ感覚で取り組んでうまくいくはずはありません。

それは当然のことです。
私がよく
「一見喜べないことを喜び、辛いことに感謝しましょう」
とか
「全てが楽しい修業です」
と書いているのはそういうことです。
ここで
「楽しい」
という言葉の使い方は、一般のそれとは少しずれるかもしれません。
そのことをよく分かっておかないと、試験勉強の過程で本当に悩んでしまいます。


幸せも不幸せも、全ては心の持ち方しだいです。
「徳を積ませて頂いて幸せを深める」
「そのために人が嫌がる仕事を喜んでやる」
「その前段階として、しっかり勉強させていただき、試験に受かる」
これが、公務員試験・資格試験です。
ストレス・イライラをもっと肯定的に受け入れ、味わいましょう。
それこそがまさに
「楽しい修行」
ということなのです。

苦手科目は、どうしたらいいですか

クジャクソウ
公務員試験でも資格試験でも、およそ
「試験」
というものは全て複数科目を勉強しなければなりません。
ですから、どうしても
「苦手科目」
というものが一つや二つ出てくることになります。
こういうときはどうしたらいいのでしょうか。
苦手科目に対する対処法は知っておく必要があります。

まず、前提として知っておくべきことは
「苦手科目は誰にでもある」
という当たり前な事実です。

ただ、苦手科目があっても、やはり合格する方は合格しています。
それは苦手の
「程度」
の問題です。
五段階評価で
「5」
がエキスパート、
「1」
が最低だとします。
合格できる人は
「1」
の科目がありません。
苦手といってもなんとか「2」
ないし
「2.5」
のレベルまでは苦手科目を克服しているのです。

逆に
「5」
といったすごい科目もありません。
でも大丈夫です。
「3.5」
ないし
「4」
レベルの得意科目があれば、十分フォローできるのです。

ただ、そうは言ってもやはり
「苦手科目は見るのも嫌だ」
という方も多いでしょう。
そういう方は、苦手なところを克服する楽しさを知ることが重要です。
苦手意識を持っていることのほとんどは、基本的な理解がきちんとできていません。
面倒に見えても基礎的な初めの部分に戻ってきちんと
「当たり前な知識理解」
をしっかり叩き込みましょう。

ただこれだけのことで、実力の土台が出来上がります。
過去問の肢について
「どこが誤りか」
「どう直せば正しい肢になるか」
理解するだけで実力がついていきます。
そして実際に問題を解いてみて、何度も間違う肢は
「弱点ノート」
にメモしましょう。
(弱点ノートの作りかたは先日の日記にあります)

実は苦手科目というのは
「嫌だというイメージが染み付いてしまっている」
というのが一番の難点です。
ですから、この良くないイメージをうまく解きほぐしていく必要があります。
「面白くない」
と思っている科目は、その分野に関連した一般書を読んでみてもいいでしょう。

例えば、
「民法が苦手だ」
という方に私のオススメは、推理作家の和久峻三氏が書かれた
「民法おもしろ事典(中公文庫)」
です。

和久氏は弁護士でもあるので法律に明るく、作家の軽妙なタッチで書かれた文章はぐいぐい引き込まれます。
これを読んだからといって、すぐに民法が得意になったりはしません。
でも、とてもいいきっかけは与えてもらえると思います。

勉強は楽しくやるものです。
公務員試験や資格試験でも
「メンタル管理」
が重要です。
苦手科目でテンションを下げてしまってはいけません。
苦手科目とうまく付き合いましょう。
とりあえず
「最高に苦手」

「ちょっと苦手」
レベルにもっていきましょう。

これで合格率は飛躍的にアップします。
苦手科目を完全になくす必要はありません。
少しでも
「ましなレベル」
にもっていければ、十分合格できるのです。

講師も相性、講義も相性

オオベンケイソウ

私は生講義のとき、いつも
「聞き逃したりぼーっとしてしまったら遠慮なく申し出てください」
と受講生のみなさんに言います。
そして私のテキストやレジュメをその場で貸し出します。
おそらく、私の講義は日本一甘い講義です。
いちいち前回の復習をしますし、メールで質問も受け付けています。
また、講義が終わったあとも延々と質問を受け付けます。
こういう対応については賛否両論があることも分かっています。
それでも敢えて徹底的にサービスをする理由、それは自分自身の経験によるものです。


私はかつて、自分自身が講座を受けていたときには、ほとんど講師に質問しませんでした。
また、講義中しょっちゅういびきをかいて寝ていました。
講義が早過ぎてついていけない状態だったのです。
しかも、講義中に違うことを考えてしまったり
「昼間の仕事の疲れ」
から勉強に全く集中できないこともよくありました。
よく
「講義中に寝るなんて弛んでいる」
という意見があります。
そして、それは正論です。

とてももっともな意見であり、反論の余地はありません。
ただ私は自分自身の経験から偉そうなことは言えないのです。
私は眠いとき
「押しピンを指に突き刺したり」
「カフェインドリンクを何本も飲んだり」
しました。
でも、何をしても眠いときは眠いのです。
私は、そういう根性が全くない人間でした。
だから私は、正論を言われるのが嫌いです。
自分自身が、そんなにできた人間ではないからです。

人を批判し批評する人は、それだけ
「自分はできている」
「私ならこんなことはしない」
ということでしょう。
受講生時代の私は、とてもほめられたものではありませんでした。
ですから私は、今もそれを受講生のみなさんに強要することに抵抗を感じます。
きっと私のやり方は甘いと思います。
でも、昔の自分のことを考えるとどうしてもそうなってしまうのです。

私は講義をするとき、必ず目の前に昔の自分がいます。
そして時々、
「そんな講義じゃついていけないぞ」
「もっとやり方を工夫しろ」
とささやきます。
もちろん私は、受講生のみなさんが
「昔の私よりはるかに物分かりがよく、はるかに素直で勤勉だ」
ということは承知しています。

しかし、一番前の席でじっと毎回講義を聞いている昔の自分には逆らえません。

私の講義はちょっとばかり
「ぼーっ」
としても、途中で寝てしまってもある程度ついてこれるようになっています。
そしてもちろん、きちんと集中して受けて下さっているみなさんも
「前回の内容をその場にいるだけで効率よく復習でき、さらに実力アップできる」
ようになっています。
とにかく私はおせっかい人間です。
私が、そうしてもらわないと勉強にならなかったからです。

あとは、好みの問題です。
あなたはご自身でどんどん考えて適切な行動ができますか。
もしできるなら、私の講義は多分、かったるくて仕方がないでしょう。
逆に昔の私と同じタイプなら、私の講義はピッタリです。
講師も講義も、相性です。
私の講義と相性がいいみなさんは、いらしてくださいね!

百年の孤独と楽しく付き合う

クズ
公務員試験や資格試験に限らず、よく
「受験生は孤独だ」
と言われます。
順調なときはまだしも、躓いたり苦しいとき
「周囲は何も分かってくれない」
という気がしてしまいます。
私もかつて、何度もそう思いました。
そしてその孤独感は、合格して仕事を始めてからも続きます。
受験や仕事で悩んでも、その悩みは本当には本人しかわからないものです。
これは悲しいことでしょうか。

今回は、これについて考えてみましょう。

私はかつて、孤独が本当に怖くて仕方ありませんでした。
試験で失敗したとき、また、受験と仕事の両立に悩んだとき
「周囲の目」
がとても冷ややかに感じて仕方がなかったのです。
こうなると、周囲が
「全て敵」
に見えたりします。

そしてどんどん、自分の殻に閉じこもってしまう人もいたりします。
私も、そういう精神状態だったときがかつてありました。

しかし私は今、思います。
「孤独感は、そんなに悲しいことですか」
と。
孤独感は、オリジナルな人生を生きている証拠です。
それは最高に誇らしいことではないでしょうか。

悩むのは、真剣な人生を過ごしているからです。
きっと一生、人は孤独だと思います。
誰にも分からない苦しみ・悲しみを抱えて生きていきます。
でも、それはそれでいいのです。
人はそれぞれ、オリジナルな人生を与えられています。
そして、それぞれの修行メニューに取り組んでいます。
だから、その人にしか絶対に理解できない思いが存在するのは当然なのです。

思いっきり孤独感を楽しんだらどうでしょう。
そういう心の余裕を持てる人は毎日が楽しいのです。
人は、きっと一生孤独感から逃れられません。
それは百年の孤独です。

私は今、目の前にいっぱい仕事を抱えています。
サポートしなければならない受講生のみなさん、企画しなければいけない講義もいっぱいあります。
だから、孤独感に浸っている時間などありません。
これは本当に幸せなことです。
みなさんも、もしかしたら今、最高に孤独かもしれません。
しかし、人生は有限です。
そして時は、どんどん過ぎていきます。

「孤独だ」
なんて思う暇がないほど、励んでください。
そして、孤独感を誇りに思ってください。

こうして毎日楽しく励むことが、楽しい修行です。

公務員試験・資格試験受験生に限らず、人はみな、
「百年の孤独」
と付き合いつつ生きていくことになります。
それは決して悲しいことではありません。
周囲が何も分かってくれなくてもいいのです。
孤独感も、楽しい修行です。
大いに受験や仕事で悩み、学べばいいのです。

何でもいい方向に捉えることです。
オリジナルな毎日を精一杯励んだなら、それで十分だと私は思いますよ。
プロフィール

Author:専任講師
関西地区で公務員講座を担当するLEC専任講師です。
憲法・民法・行政法担当。
面接対策も担当です。
何でも気軽に聞いてください。

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