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「日本の教育あったから今の私がいる」…台湾の元師範学校生が語る (2/2ページ)

2009.8.14 22:08
このニュースのトピックス歴史・考古学

 もちろん苦しいときもあった。何十メートルも先を歩いている先輩を素早く見つけて、直立で礼をしなければならない。忘れると鉄拳が飛ぶこともあった。上下関係は特に厳しかった。「でもそうした経験も、今では良かったと思う」(林さん)。

 林さんらは「伊吹会」という同窓会を作り、筆の取れるうちにと、数年前に師範学校での生活などを日本語で小冊子にまとめた。

 《学寮でははしの上げ下ろしから歩き方、口の開き方まで事細かくしつけられた》《戦局は緊急を告げていたが、楽しい青春時代だった》…。授業の様子や思い出がつづられている。《当時、英語は100点満点の2点。戦争がエスカレートして敵性語の英語が廃止され、落第が免れホッとした》という“率直な”記述もある。

 日本の台湾統治時代をめぐって、NHKは番組で、日台間の格差と同化という矛盾を抱え、やがて皇民化運動で日本文化を強制したと放送。視聴者約1万人が損害賠償を求める訴えを起こしている。

 そうした「強制」を受けたという気持ちは林さんにはない。「今も思いだす歌は『荒城の月』や『はとぽっぽ』ですが、嫌だったという思い出はありません。同級生とも仲が良かった。日本人の先生は人格者が多かった」と振り返る。

 林さんは、司馬遼太郎の『街道をゆく』を日本語で全巻読破。今でも日本に親しみを感じている。「日本の教育を受けたことは誇り。死ぬまで日本を忘れることはないでしょう」と話している。(森浩)

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