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2009/08/13

タイのコーヒー栽培

コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-09

オマエモカーというエントリで「モカを探している」と書いたんだが、正確にはモカ・マタリですね。なんせ95パーセントが輸入で引っ掛かるので、商社が輸入を止めちゃったわけです。原因は、WHOで使用禁止になった農薬を中国がエチオピアに売ったせいらしいんだが、しょうがないんで、上島珈琲がエチオピアに農園買って、自前で作っているらしい。来月あたりからそれが入って来るというんだが、それがはたして、モカ・マタリと同等なのかどうか、それは届いてみなきゃ判らないです。嗜好品は厄介だね。ちなみに、日本では上島珈琲が規模の大きなコーヒー商社だそうで、世界的にも、コーヒーの生産量の多くは日本の商社が扱っているそうで。最近は農薬の問題とか騒がれるので、しっかりした生産管理能力を持った商社しか生き残れないのだ。




で、チェンマイからの書き込みなんだが、コメント欄で「サンカンペンでコーヒーを作っている」という情報が寄せられたわけだ。サンカンペンというのは温泉があるところで、田舎です。まぁ、タイでコーヒーを栽培しているという話は以前から聞いていたんだが、阿片の代替作物として国連主導で導入されたわけだ。ところが、あまり高く売れないので、やがて廃れてしまった。と思いきや、プロジェクトは続いていたらしくて、タイではこういうのは王室が福祉事業の一種としてやるわけです。で、チェンライ近郊のドイチャーンという土地で、アカデミー・オブ・コーヒーという施設を作って、盛んに栽培と研究をやってます。ここで採れたコーヒーは、ドイチャーン・アカデミー・オブ・コーヒーのチェーン店で使われるとともに、ヨーロッパやカナダに輸出されている。無農薬で、化学肥料をいっさい使わない、というのが売りだそうで。
100%アラビカ種(Single-estate)のドイチャーンコーヒーは高地でプラム、梨、桃、マカデミアナッツ等の林冠で栽培されており、 それらのフルーツやナッツの落葉から育ったコーヒーはフルーティで風味豊かなコーヒー豆に仕上がっております。

ドイチャーンコーヒーは地理的表示(GI)※の登録がされ、有機農法についてヨーロッパのオーガニック認定機関(bioagricert)の認定とアメリカ農務省のオーガニック認証(NOP)を受けています。 また、フェアトレードの認定を受けており、ドイチャーン村のコーヒー農家に十分な対価があることを保障します。 更に、アメリカスペシャリティコーヒー協会(SCAA)とヨーロッパスペシャリティコーヒー協会(SCAE)から、スペシャリティコーヒーとして認定されています。
まぁ、コレはロイヤル・プロジェクトなので、王室関係の売店なんぞに行けば、いくらでも買えるわけです。ただし、フェアトレードなので、値段は高い。この銘柄は、Coffee Reviewというサイトで世界一になった事もあるそうで、むしろ、超高級品ですね。日本にはほとんど入ってないと思う。もちろん、アラビカ種です。

タイでは、南部でもロブスタ種は作っているらしい。タイ人もコーヒーは飲むんだが、「カフェ・イェン」とか言って注文すると死ぬほど甘いコーヒーが出てくるんだが、ああいうのはロブスタかも知れない。紅茶と半々にして、コンデンスミルクをひと缶入れて飲むヤツも、ロブスタ種かも知れない。苦いだけで香りがないですね。日本では、安い缶コーヒーがロブスタ種です。ロブスタ種は、木が丈夫で収量が多いんだが、味はあまり良くない。

で、サンカンペンのコーヒーなんだが、アラビカ種のようなので、期待できそうですね。王室絡みのフェアトレードじゃないから、値段は安いかも知れない。ドイチャーンとはちょっと離れているが、同じ北部で気候は似ているので、あるいは、タイの北部というのはアラビカ種の栽培に適しているのかも知れないです。

豆を手にする前から色々と言うのも何だが、タイでは一般的に非水洗式の精製法であって、しかも欠点のある豆の混入が多かったり、大きさが不揃いだったりするという問題があるわけだ。ちゃんとスクリーンでサイズを揃えて、不良品をチェックすれば、もっと高い値段で売れるんだろうが、なんせ今まで粗製濫造のロブスタ種なんか作っていた人たちなので、まだまだ、品質向上の余地はありそうだね。

おいら、タイから民芸品みたいのを輸入して売るという商売を長くやっているので事情が多少は判るんだが、ロイヤル・プロジェクトなんぞでマスコミに乗るネタがあると、必ずその周辺で、勝手に民間プロジェクト始めるヤツがいるわけです。おいら、フェアトレードというのは嫌いなので、そういう民間人からアンフェアトレードで安く買うのが大好きです。

以上、情報を寄せてくださった読者に感謝とともに、期待を込めて、収穫期である12月を待ちたいと思います。

コメント

フェアトレードが嫌い?
ちょっと聞く限り良さそうなシステムだと思うんだけど
なんか変なカラクリが入ってるのかな?
嫌いな理由な方に興味わきます

野次馬さんマンゴーのほうは食べないのですか?
タイのマンゴーは外国産の中でもぴか一のような気がします。
ナンドクマイとか。

>コンデンスミルクをひと缶入れて飲むヤツ

うわぁ、チョーケミカル!

毎度、タイからの現地報告です。(つか、現在帰国中ですが)タイに来て農業する人達って結構いるんですけど、大体みんな失敗しますね。まあ、製造やサービス業でも新規開業5年後の生存率は5%以下ですから1次産業の廃業率が特別高いってわけでもないんですが。こっちで商売するにあたり念頭においとかないかんのは、日本人の社会倫理、道徳律みたいなものは一切通用しない、ってことです。ある人は、日本から巨峰(ブドウ)の苗木をもってきて丹精込めて数年がかりで栽培し、やっと収穫という時期にトラックで根こそぎ盗まれました。また、ある人はテラピア(食用淡水魚)の養殖事業をはじめ出荷場まで建設してましたが、軌道にのり始めた頃、養殖池に毒を流され全滅しました。と、まあ、こんな話しは枚挙にいとまがありません。「微笑みの国」と言われますが、タイ人ってのは総体的に情動抑制機能が欠けてる民族です。余談ですが、自分はこっちに来た当初、3ヶ月ほど口座開設ができず現金で給料もらってました。日本円にしたら大した額じゃないんですが、現地通貨にしたら「札束」になるわけです。タイ人社員給与約1年分に相当するわけで、連中にしたらオモシロイわけがありません。それを毎回、経理のおネエちゃんが、顔をひきつらせ盆の上にのせて「札束」でもってくるわけで、その都度、周りの空気はピキーンと氷りついてました。(南国だけどw)それ以降、タイ人社員の嫉妬心に壮烈な火がついたようで、「あいつは仕事ができない」、「女遊びばかりしてる」、「エイズに間違いない」とか、あることないこと本社の役員様にちくりメールを送られるとか、壮絶なイジメにあい往生したもんです。まあ、これもカントリーリスクってヤツなんでしょうね。タイ人の「微笑み」の裏には「深遠な闇」がある、つうことですよ...

ま、それでも、こんなベッピン↓がそこらへんにゴロゴロいるわけで、やっぱ楽しい国ですけどねw

http://www.youtube.com/watch?v=Wt2js7U1BbQ

>日本では、安い缶コーヒーがロブスタ種です。ロブスタ種は、木が丈夫で収量が多いんだが、味はあまり

最近特に砂糖の変わりにアセスルファムKってな甘味料が使われてっけど、これマジ糞まずくてムカつくんすwやばくねーっすか、これ?まぁ、砂糖さんも良くないらしいっすけど。

あぁ本当のコーヒーを飲みてえもんだ。

ヨーロッパで一般的なモカが
日本にあまり入って来ないのは流通体系が
全く別ということが大きいのではないですかね

イタリアのエスプレッソはモカベースですが
アフリカ系のコーヒー豆はヨーロッパが主要消費地らしいですね。
取れた豆はオランダのコペンハーゲンに送られ価格はロンドンで決められるようなことを欧米のドキュメンタリー映画で
見ました。そのエチオピアでは豆の価格が長く低水準で留まってるので、コーヒーの木を抜いて代わりに麻薬を植えてるとかそのドキュメンタリー映画の中で述べられていました
Black Gold
http://en.wikipedia.org/wiki/Black_Gold_%28film%29

日本にモカがもっとモカが普及するといいんですけど
主流で使われてるのはアメリカと同じで
コロンビアかブラジルですね

農林水産省 人事

http://www.j-fic.com/wp/2009/07/14/caioaeiouaee2009eea21cei13aeueoe/

コーヒー豆の栽培で使われる農薬も覚せい剤も薬。インフルエンザワクチンも。

ネットワークは製薬会社ー大学医学部、畜産大学ー各所轄官庁ーそして彼らの留学先

>イタリアのエスプレッソはモカベースですが

それも多少ロブスタ混ぜないとダメだったりするようです。
モルトウィスキーでもブレンデッド用にスコアの低いハズレ樽と思うような物を買って行くのと一緒みたいですね。
香水作るのにウンコ臭をかすかに混ぜるのも一緒ですかねw

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