■「予算の無駄」や「埋蔵金」はどこにあるのか? 次期衆院選に向け、各党のマニフェストが出揃ったようだが、その中で、「財源論」が議論となっている。 自民党は、民主党マニフェストの主要政策の財源を予算の無駄削減や「埋蔵金」で賄うとの主張に対し、「非現実的」と批判している。 国民は、「政権選択選挙」と位置づけられる次期衆院選を前に、これまでになく各党のマニフェスト及びこれに関する議論に注目しているが、この判断の一助となるよう、現在、農水省の補正予算で行われている「埋蔵金秘蔵」の現場をご紹介したいと思う。 ■補正予算は票田復活の「ばら撒き」か? 平成21年度農林水産省補正予算は総額1兆302億円である。 ・平成21年度農林水産関係補正予算の概要(農水省HP、pdfファイル) このうち、例えば一番最初に記載されている「農地集積加速化事業(新規) 2,979億円」を紐解いてみると、「農地の面的集積につながる貸出しを行った農地所有者へ交付金(最高15,000円/10a/年・最長5年間)」するとしている。 10aとは約300坪で、田んぼ1枚分の面積に当たる。普通、これを貸すと年間数万円の賃貸収入が入るのだが、農水省は補助金により更に1万5千円を上乗せする、という。 2年前の参院選で、大規模な農業経営を育成する現政策が「選別政策」と批判され、多くの農業票を失った自民党に配慮してか、「大規模な農業経営者」に農地を貸し出す「小規模農業者=農地の所有者」へも補助金を支払うこととした。 これを「税金のばら撒き」と思わない人が、果たしているだろうか? ■2,979億円の「埋蔵金」秘蔵の現場 さらに、この事業の「実施要綱」では、実施主体は農水省が公募から選定した団体とし、実施主体は国からの補助金により「基金」を設置し、その運用収入及び取崩しにより事業を実施するとされている。 ・農地集積加速化事業実施要綱(農水省HP、pdfファイル) 「国から団体」へ「補助金を交付」し「基金を造成」するという、「埋蔵金」づくりの典型例ではあるまいか? さらに、この事業の「公募要領」によると、基金の設置額として297,896,400千円(2,978億余円)とされ、また、応募団体の要件として、法人及び任意団体とし、公益法人は年間収入のうち国からの割合が3分の2以上は原則不可とされている。しかし、言い換えると、3分の2以下であれば、「公益法人=天下り先」でもいい、と言っているようなものである。 ・農地集積加速化事業公募要領(農水省HP、pdfファイル) さらに加えて、審査は農水省内に設置する選定委員会で「非公開」で行われるという。ご丁寧に、委員はその職を退いた後も第3者に漏洩しないことの義務付けが謳われている。 「埋蔵金秘蔵の現場は誰にも漏らさぬ」ということか…。 |
8月3日〜8月8日
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