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社会

佐用川氾濫「流れにくさ」一因か 県第三者委指摘 

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国道崩落で重機などが入れず、1階が大量の土砂に埋め尽くされたままの民家=12日午後4時15分、朝来市内(撮影・大山伸一郎)

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 兵庫県西、北部の豪雨で被害が集中した佐用町の佐用川について、県の第三者委員会「千種川委員会」が2005年度、土砂の堆積(たいせき)で流れにくくなっているため改修が必要-と結論付けていたことが分かった。同委の答申を受け、県は改修を手掛けたが、財政難などで進んでいなかった。

 同委は02年度に設置され、河川や生物の専門家や行政関係者、住民ら15人がメンバー。

 04年9月の台風21号で佐用町の旧上月町などでは佐用川と本流の千種川が氾濫(はんらん)。その後の調査で、蛇行や支流の合流などで土砂が堆積し、流れにくくなっていることが判明。同委は05年度の報告で、佐用町中心部から千種川に合流する久崎地区までの10区間と、さらに北の1区間を合わせ計11区間の流下能力の問題を指摘した。

 同委の答申を受け、県は毎秒180〜890立方メートルの水が流れるよう、対象区間の一部で堤防をかさ上げしたり、川床を掘削したりした。だが、改修はもともと長期計画であるうえ、財政難も重なり、改修は十分に進んでいなかった。

 同町では9日、観測史上最高の326・5ミリの24時間雨量を記録。流下能力不足が指摘された旧上月町久崎地区などで佐用川が氾濫し、家屋や商店の多くが床上浸水した。犠牲者の大半も対象区間の近くで見つかった。

 県光都土木事務所は「想像を絶する雨量だった」としているが、佐用川の一部はもともと氾濫しやすい状況で、流れにくさが豪雨被害の一因だったとみられる。

 同土木事務所は復旧作業を急いでおり、今後、当初計画の改修を順次進めるとしているが、佐用町は「今回の被害を受け、早急な改修を県に求めたい」と話している。(坂本 勝)

(8/13 10:33)


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