レス・ポール氏=AP
ニューヨークで88年、ポール・マッカートニーさん(右)に左利き用ギターを贈ったレス・ポールさん=AP
【ニューヨーク=田中光】ギタリストで、エレキギターの開発を草創期のころから手がけ、「エレキギターの父」と呼ばれるレス・ポールさんが13日、肺炎の合併症のため、米ニューヨークの病院で死去した。94歳だった。米ギター大手のギブソン社が発表した。
ウィスコンシン州生まれ。13歳からギター演奏を始め、1950年代には、妻で歌手の故メリー・フォードさんとのコンビで「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」など数々のヒット曲を発表した。
演奏活動の一方、共鳴胴のないソリッドボディーのエレキギターを独学で発明。52年にギブソン社で生産が始まった「レスポールモデル」は、エレキギターを代表するロングセラーになり、ビートルズのジョージ・ハリソンさんやローリング・ストーンズのキース・リチャーズさんら著名ギタリストが愛用した。また、多重録音の技術の開発も手がけ、スタジオ録音のあり方を変えた。ロックや発明家などで「殿堂」入りを果たしている。