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8月10日 前回の続き 今も変わらず、香織の目の前には海ではしゃぐ仲間の姿が映っていた。 香織はそれを見ているうちに、だんだん羨ましくなっていき、海に入ることを決意した。 そして一回テントに戻って、準備をしようとしたその時だった。 昨日と同じように悲鳴が聞こえ、見ると別の人が溺れていた。もがき苦しみながらかろうじて顔だけが出ていた。 しかし、昨日とは何かが違った。 周りを見ると、まったく別の場所で人が溺れていた。香織たちは何もできなかった。悲鳴さえも上げられなかった。 すると、また昨日と同じように俊之が出てきて、海に入った。しばらくして、ようやく一人を助けた。しかし、もう遅かった。 一人は助かったものの、後の24人助けることはできなかった。皆海の底に沈んで、二度と浮かんではこなかった。 そこでようやく雪奈が悲鳴を上げた。今までに無いくらいの大きな声だった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今日はここまでです。 ちなみに、この話が終わった後、 読みきり連載を少しさせていただきますので、よろしくお願いします。 8月3日 もうすぐ一周年 さて、このブログで記事を連載してからもうすぐ一周年になります。 これまでいろんなことがありました。 しかし、ここを応援してくれた皆さんのおかげでどうにか一周年を迎えることができそうです。 応援ありがとうございました。 そして、これからもよろしくお願いします。 7月31日 前回の続き 昨日のことが忘れられず、皆なかなか海に入る者はいなかった。 それどころか、早く帰りたい、と泣き叫ぶ者まで出てきた。 しかし、それを早く忘れ去る為には、やはりどうにかして早めに忘れるしかなかった。 結局、暗い気持ちながら、みんな海に入っていった。次第にみんなの顔が楽しそうな顔に変わっていったことは、香織にとっても嬉しい事であった。 ラクロス部の三人である香織、雪奈、亜里沙は海には入らず、砂浜にある木の根もとの日陰で海の方を眺めていた。 「二人とも入んないの?」香織がそばの二人に聞いた。 「今日はちょっとね」 「疲れちゃって」亜里沙と雪奈が交互に答えた。 「そっか」二人を見つめながらそう呟いてまた海の方を見た。 香織が見た先には、どこまでも広がる海と青空が広がっていた。 小さい頃、香織は母親を亡くした。父親に育てられ、香織が十二歳の時、香織の前から姿を消した。 その頃に見た青い空と家の近くに見えた延々と続く海。それをまだ忘れられず、香織は時々それと似たような景色を見ると、涙を流してしまう。 今香織の前に広がる景色も似たような景色だった為に、涙が目からこぼれ落ちた。 「どうしたの?香織」心配そうに雪奈が聞いた。 「なんでもない。ちょっと目にほこりが入っただけだから」そういって香織はその場をごまかした。 7月23日 前回の続き この言葉に香織と俊之が顔を見合わせた。そして香織が聞いた。 「見えた?手」 「助けるのに必死だったから全然わかんなかった」殆ど息切れがおさまり、普通に話せる状態になった俊之は冷静にそう答えた。 この日、夜はなんとも言えない悪い空気が当たりに漂っていた。 次の日。本当は今日がキャンプの最終日だった。 しかし、最初に助け出された彼女が突然体調不良を訴えた。この島にはまだ病院がないために、ほかの島の病院まで彼女を連れて行くことになった。 そのため、船が使えず、もう一日この島にいることになった。 「厄介だな。あんな事件があったってのに」 「彼女も耐え切れなかったんだろうな」 「ああ」 どこかでそんな会話が続いた。 今日は快晴。文句なしの日本晴れだった。 7月19日 前回の続き その時だった。 突然、海の方から悲鳴が聞こえてきた。香織、雪奈、亜里沙の3人が一斉に海の方を見た。 ラクロス部員の一人が海で悲鳴を上げながら溺れていた。足がつって溺れているのだろうと思い、サッカー部員の一人が助けに行った。 溺れている彼女にようやく追いつき、後ろから羽交い絞めにした状態で浜辺の方まで泳いで行く途中だった。 今度はその彼までもが溺れてしまった。彼女を羽交い絞めにしていたその手ははずれて、彼はもがき苦しんだ。 すると、周りを泳いでいた何人かが二人を助けに二人の元まで行った。 今度はその何人かが溺れだした。周りはまるで誰かに水中から足を誰かに掴まれているように見えた。 わずか数分間の出来事だったために、浜辺にいる何人かはわけがわからず、何もすることができなかった。 堪りかねた純也が助けに行くか悩んでいた。助けに行ったもの全員が溺れ、もがき、苦しんでいるのを見ていられなかった。かといって、自分が助けに行ったとしても溺れている全員を助け出すことはできない。助けるどころか、下手をすれば自分までもが溺れるかもしれない。そんな恐怖が前に立ちはだかって、純也はなかなか彼等を助けに行く決心がつかなかった。 純也がそうやって悩んでいる間、話を聞いて駆けつけてきた俊之が、考えることなく海に飛び込んだ。そして彼等の前まで泳ぎ着いた。 俊之は溺れることなく、溺れている何人かを無事に浜辺まで助け出した。そしてまた、残りの溺れた何人かを助け出したのだった。 「大丈夫?よかった」俊之が溺れた彼らに、やさしく、かつ冷静に話しかけた。 最初に助け出された彼女がやっと話せる状態になった時、その顔がこわばった。そして何かを話し始めた。 「誰かが水中で足を引っ張ってきたんだ」俊之にそう話しかけてきた。 「誰が?」横から香織が聞いてきた。 「わかんないの。水中にあたしの足を掴む手だけが見えて全然わかんなかったの」 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 久々に更新しました。 11月頃から連載してきました、この小説も、いよいよ、なっが~いクライマックスに突入します。 楽しみにしていてくださいね。 7月14日 ありがとうございます。 たくさんのコメント、本当にありがとうございます。 水泳大会の件ですが、僕は50mのクロールに出場しました。 タイムは、31.59秒でした。 ベストタイムではありませんでしたが、32秒にはならなかったので、とりあえずホッとしました。 6月22日 前回の続き 次の日。 ギラギラと照りつける太陽がとてもまぶしく感じられた。 その日は朝から海に飛び込んでいく者が多かった。 にもかかわらず、香織はTシャツに半ズボンのままで砂浜の日陰に座っていた。 「香織ー。入らないのー?」 「気持ちいいよー」 「暑さで倒れちゃうよー」 「どうして入んないのー」 次々と交互に亜里沙と雪奈が大声で叫んでくる。 「今日はいい」大声で香織はそう答えた。 「どうしちゃったの?」 「さあ」しつこく聞いてくる亜里沙の前に雪奈は何も答えることが出来なかった。 あっ、と亜里沙が何かを思い出したように海から上がって香織のところへ行った。 「もしかして、アレをあたしに見られたから?」少し笑いながら、聞いた。 「何を?」 「やだ。惚けないでよ。あたしに見られたからでしょ。だから入りたくないんだ」もったいぶって亜里沙が聞いた。 「だから何を?あたし、あれから体中が日焼けしてヒリヒリして痛いの」 「あっ。じゃあ気づいてなかったんだ。純君とのキス」悪魔の微笑を見せながら聞いた。 「えっ。やだ。あれ見てたの?」香織が突然叫んで聞き返した。 6月13日 一ヶ月ぶりの更新 「確かに、砂の上じゃあ、スパイクを簡単に打つなんてとても難しくて出来るようなことじゃないっすけど・・・」 「けど、なんだよ?」 「バレー部だったんだから、少しは出来ても、おかしくはないですよね」 「確かにそうだけどさぁ・・・」 拓哉は何かを言いかけたような感じだった。 今日2日目のキャンプファイヤーは、昨日の気まずさを一気に吹き飛ばすほどの勢いで盛り上がった。燃える炎も昨日よりますます激しさを増して、大きくパチパチと、音を鳴らしながら周りに張り付けていたテントを照らした。そして何より、みんなの騒ぎ声が島中に届くほどの騒ぎようだった。 「今日はすっげー楽しかったな~」 「また明日も泳ぎに行こうねぇ」 この騒ぎはいつまで続くのかと香織は最初、思っていたが、2時間もたたないうちに海での疲れが出てきたのか、ほとんどの部員がテントの中へと入っていった。いつの間にか、燃え盛る炎の前にいたのは香織と純也の二人だけになっていた。 「今日・・・。ありがとね」少し恥ずかしがりながら、香織は純也に海でのことを言った。 「ああ、あれね」純也も恥じらいながら香織のほうを向いた。「怒ってないんだ」 「そりゃあ、大好きだし、あの時は本当に嬉しかったんだよ」 「へぇ、そうだったの」 気がつけばいつの間にか二人の距離が縮まっていた。二人は半分抱き合う状態になっていた。 「いいのかな?こんなことばっかりしてて。みんな怒んない?」半分心配性な香織は、不安な声で純也に聞いた。 「みんなの怒る理由がわかんないよ」香織の不安な顔とは裏腹に、何も心配いらないような顔で言った。 「大丈夫」と。 その後、二人の唇が重なった。昼とは違って、今度は香織も落ち着いた状況でキスをしていた。純也に全部身を任せるような感じで、体中の力を抜いていた。 偶然目を覚ました雪奈がそれを見た。遠めで見ながら、微笑んで、 「お幸せに」 そう言った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今週はここまでです。 一ヶ月近くも間を空けてしまってすいませんでした。 |
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