JAグループをはじめとする農林水産業団体などは12日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で、日本と米国との自由貿易協定(FTA)断固阻止を訴える国民集会を開いた。農業者を中心に第一次産業従事者ら約3000人が結集。日米FTAは「わが国の食と農林漁業を支える人々の暮らし、地域経済にも壊滅的な打撃を与える」として、「国民運動として日米FTA断固阻止に向けて運動していく」とする大会宣言を採択した。 JA全中の茂木守会長は、食料需給の世界的な逼迫(ひっぱく)の中で日米FTAは、国内の食料生産の壊滅につながるとの懸念を示し、「日本の国民、消費者全体の問題だ」と強調。その上で、民主党が衆院選のマニフェスト(政権公約)で、日米FTAの「締結」を「交渉を促進」に修正したことについて「日米の文字が残っている限り、重大な懸念を払拭(ふっしょく)できない」と批判した。 消費者代表者や学識者の連帯のあいさつ、農林水産業の代表者らの決意表明なども行い、それぞれが強い懸念を表明した。
JA全農山形などは5日、東京都内で県産サクランボ、庄内メロンのトップセールスを繰り広げた。全農山形の遠藤芳雄運営委員会会長、吉村美栄子知事、主産地のJA組合長ら関係者約40人が上京。「やまがた食のサポーター」を務める女子アマチュアレスリング選手の浜口京子さんも、PR活動を盛り立てた。 早朝の東京都中央卸売市場大田市場では、せり前に吉村知事が「おいしい山形の農産物を味わってください」とあいさつ。浜口さんが「気合だ!」とコールし、取引に活を入れた。 この後、銀座にある県アンテナショップや、赤坂のスーパーでサクランボやグッズのプレゼントを展開した。 今年の露地サクランボは、開花期の低温の影響で収量がやや少ない見込み。遠藤会長は「肥大良好で高品質」と話す。庄内メロンは6月中旬からの出荷を見込む。栽培面積はハウス、トンネル合計で約300ヘクタールで、前年の2%増。出荷計画は65万ケース(1ケース6キロ)で、前年比5%減となっている。
「秋葉原で作って、秋葉原で食べよう」――。東京・秋葉原の日本農業新聞本社屋上で、メイド服姿の女性たちが5日、バケツ稲づくりを始めた。米や野菜で「アキバ型農業」を追求し、地産地消や食料自給率向上に貢献するのが狙い。
特定非営利活動法人(NPO法人)「秋葉原で社会貢献を行う市民の会リコリタ」が行う。今後、メイド喫茶や美容室などの店先でもバケツ稲を育て、収獲した米でオムライスを作り、ハート型のミニトマトで飾る計画だという。 種まきをしたメイドカフェで働くえみるさん(17)は「植物を育てるのが大好きなので将来、農家さんになりたい。種もみがとてもかわいいし、成長が楽しみ」と笑顔を振りまいた。 千代田区神田で屋上菜園を実践するNPO法人・大江戸野菜研究会と連携する。日本農業新聞もJAグループ「みんなのよい食プロジェクト21」の一環として協力する。
日本農業新聞とJA新聞連は12日、ホテルオークラ東京(東京都港区)でJA代表ら約700人を集め、日本農業新聞全国大会を開いた。「組合員・JA情報共有運動」の全JAでの展開や、新聞の積極活用による教育広報活動強化を申し合わせ、地域農業復権への決意を新たにした。
村上進通会長は、世界経済の悪化や消費者の安全・安心意識の高まりなど食料・農業を取り巻く環境が日々変化している中、「日本農業新聞は『食と農の総合情報メディア』としての役割を十二分に果たしていく」と述べた。
来賓あいさつでJA全中の茂木守会長は、JAに関する情報提供の強化を目指すとした上で「日本農業新聞が中心的な媒体となり、食料・農業・JAの情報を発信してほしい」と期待を寄せた。
若者の街、東京・渋谷で米を作り、都会の住民に農業や自然を考えてもらおう――。武田鉄矢さんら俳優と有志の若い女性たちが4日、東京都渋谷区の代々木公園で田植えをした。公園にあるプランター200基のうち55基に苗を植え、渋谷公園通商店街と協力して世話をし、「渋谷米」として秋に収穫する。 主催は「渋谷田んぼCLUB(クラブ)」。武田さんのほか俳優の、苅谷俊介さん、大谷允保さんと、モデルや学生で構成する「田んぼガールズ」ら約20人が参加した。栽培面積は計5平方メートルだが、武田さんは「渋谷に稲が干されている光景を想像するだけでうれしい」と満面の笑み。 米作りは、まちづくりをテーマにした武田さん主演の映画「降りてゆく生き方」の撮影で生まれた交流がきっかけ。新潟市で撮影の際、脚本を書いた森田貴英さん(弁護士、「田んぼCLUB」事務局理事)が食や農に興味を持つ女性ボランティアに多く会ったことから、命や環境、農業を考える場を渋谷につくろうと企画した。
石破茂農相は28日の記者会見で、政府が麻生太郎首相をトップとする「新型インフルエンザ対策本部」を設置したのを受け、「今後は豚インフルエンザという言葉は使わない」と述べるとともに、豚肉への風評被害の発生にあらためて懸念を表明した。 農相は「(外食・小売業者が)『メキシコ産豚肉を使っていない』と言うのは好ましくない」と指摘。その上で「消費者に無用な不安を持たれることがないよう、(豚肉の)安全性を徹底して説明したい」と述べ、風評被害の防止に全力を挙げる姿勢を示した。 この問題では、大手外食チェーンの一部が27日、メキシコ産豚肉を使ったメニューの販売を中止した。野田聖子消費者行政担当相は「豚肉に関してはまったく安全で、(こうした動きは)心外だ。風評被害を起こしては困るし、消費者に間違ったシグナルを送ってもらっては困る」と批判した。 一方、農水省は、これまで15都道府県で行っていた養豚場への定期検査を全都道府県で実施する。農相は「日本の場合は極めて高度な生産体制になっている。従来通り行っていけば、何の問題もない」と述べた。同省によると、豚インフルエンザは、国内で飼育されている豚でも年間数件程度の発生が確認されている。ただ、感染してもほとんどがかぜのような症状が出るだけで回復するため、家畜伝染病予防法の監視対象から外れている。
石破茂農相は24日の閣議後会見で、5月にも開始する米政策に関する国民アンケート調査をめぐり、「(生産者への)所得補償や直接支払いをやるべきだということについて、何のためにどの人に、どれだけ(補償するか)について把握できるようにしたい」と述べ、経営安定対策に焦点を当てて、国民に意見を聞く考えを示した。 アンケート調査に盛り込む内容として石破農相は(1)米価下落時の補てん水準(2)補てんの目的と対象(3)米以外の作物への助成(4)備蓄運営のための米の買い入れの在り方――を例として挙げた。 さらに「水田が果たしている役割とか多面的機能、主食としての米とは何かとか。消費者がどう考えているかをなるべく広範に聞くようにしたい」と、水田や米の位置づけについても聞く考えを示した。
東京・大手町に4月に竣工(しゅんこう)した新たなJAビルの披露式が22日、当地で開かれた。麻生太郎首相や石破茂農相、各党代表者らが出席し祝辞を述べた。JAグループは移転を順次進め、5月の大型連休後に新ビルでの業務を本格的にスタートさせる。
JA全中の茂木守会長は「国民に安心で安全な食料を安定的に供給していくというJAグループの使命を果たすべく、業務を遂行していきたい」と決意を示した。
麻生首相は「今まさに農業は潮目の変化が訪れている」とし、農産物輸出や農商工連携など「従来の殻を打ち破る取り組みを積極的に後押ししたい」と期待を寄せた。
石破農相は「日本農業が産業として世界に冠たるものになるかどうかだ。同じ目標に向けてJAと農水省はあらゆる議論をする」と述べた。
政府は17日、農政改革関係閣僚会合の第2回会合を開き、特命チーム(チーム長=針原寿朗農水省総括審議官)がまとめた「農政改革の検討方向」を了承した。麻生太郎首相は農政改革の継続を求めるとともに、焦点の米生産調整について、政策的な選択肢を早期に示し、国民的な議論を行うよう指示した。これを受け特命チームは、具体的な政策論議に入り、8月を目途に「農政改革の基本方向」を取りまとめる。
同会合には麻生首相のほか、石破茂農相、河村建夫官房長官、与謝野馨財務相、鳩山邦夫総務相、二階俊博経産相の5閣僚が出席した。
麻生首相は「今回の農政改革は農業の産業としての持続力、食料供給力、農村の活力を再生するためにどうするかという話だ」とし、3つの視点から施策を見直す考えを強調。その上で「国民の目線で政策を検討し、食料自給率が結果として上がるよう、関係省庁の力添えをお願いしたい」と述べ、成果の見える改革実現に向けて、出席閣僚に協力を求めた。
閣僚会合で了承した検討方向は、米の生産調整の在り方のほか、食品安全の向上、担い手の育成・確保、農業所得の増大、食料自給力、農山漁村対策など9項目。
4月14日はかんきつを贈り合って愛を確かめよう――。JA全農えひめは14日、東京・丸の内でオレンジデーを広めるイベントを行った。全農えひめの重川雄一県本部長が「愛する人や大切な人とのコミュニケーションを深めるため、愛媛産のかんきつを贈り合う日になってほしい」とあいさつ。会場には、旬のかんきつ「清見」を4000個使った高さ4・5メートルのタワーが登場。松山市出身のタレント・友近さんも駆けつけ、「肌もきれいになるし、疲れもとれる、ビタミンいっぱいのかんきつを贈りたい」とアピール。消費者に「清見」5000個が配られた。
オレンジデーは、2月14日のバレンタインデー、3月14日のホワイトデーに続くイベントとして、1994年に愛媛県の農家が提唱した。
農水省は1日、同省で入省式を開き、石破茂農相が訓示した。農相は「農林漁業は多くの可能性を持っている。引き出せるかどうかは我々の努力にかかっている」と述べ、農政改革の推進に向け、新戦力に期待を込めた。また「我々の雇い主は国民だ」と言い、国民視点に立った行政遂行を説いた。式には本省入省者ら88人が出席。
農水省職員の違法な組合活動「ヤミ専従」問題で、同省の松島浩道秘書課長らが疑惑を隠すために、報道機関宛ての関係文書を改ざんしていたことが分かり、26日、更迭された。井出道雄事務次官が同日緊急記者会見して、関係職員の処分を発表した。石破茂農相は再発防止のため、徹底的に調査・検証すると述べた。
角川春樹事務所が出版する女性ファッション誌「美人百花(びじんひゃっか)」は、若い女性が農業を楽しむ「美人百姓プロジェクト」を立ち上げた。最初の作業が14日、千葉県流山市の松美ファームで行われ、タレントで野菜ソムリエの山口もえさんをはじめ、読者モデルら15人が本物の土を踏みしめ、約1アールの農地で手作業の耕起に挑戦した。
日本農業新聞の「かろやか体操」が22日、地上波のテレビ番組に初登場する。番組はJAグループ神奈川が企画し、テレビ神奈川が製作・放送する「かながわ旬菜ナビ」。11日に神奈川県相模原市で、農家とテレビ局のリポーターが農作業後にかろやか体操をする姿を収録した。 かろやか体操は、日本体育大学の荒木達雄教授が指導・提唱する健康体操。農機具やいすなど身近な道具を使って、楽しみながら作業の合間にできるのが特徴。疲労軽減の効果が期待でき、各国の体操関係者が注目している。
石破茂農相は3日の閣議後会見で、2009年度に本格化する水田等有効活用促進(水田フル活用)対策について、「2010年度以降も行っていきたい」と述べ、複数年度にわたり継続する考えを明確にした。同農相が昨年末、生産調整の手法の1つとして農業者が自ら参加・不参加を決める「選択制」に言及したのを機に、同対策の10年度以降の取り扱いが焦点になっていた。
10年以降も同対策を継続する理由について、石破農相は「飼料米や小麦粉に代わる米粉用米を使うことで自給率を上げるという目標が1年で終わるわけがない。今後も政策の継続性を認識していかなければならない」と説明した。 一方で、生産調整の在り方については「水田フル活用が政策として十分かどうかは、今断言できない。食料自給率の向上や所得安定のために、ほかにも取るべき政策があるかもしれない」と含みを持たせ、今後も検討する考えを示した。