トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事
【格闘技】華麗なるリナレスのボクシングを見よ2009年8月14日 紙面から 8月7日付 山崎コラムボクシングのWBA世界スーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス(23)=帝拳=が10月10日、東京・国立代々木競技場第2体育館でWBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(33)=帝拳=とともに防衛戦を行うことが決まった。リナレスは2度目、西岡は3度目の防衛戦。ともに対戦相手は近々発表されるが、ボクシングファンはもとよりファンでなくても見てほしいのがリナレスのファイトだ。 WBC世界フェザー級暫定王座獲得が07年7月。その後正王者に就いて初防衛後に返上。「まだ上に行ける」とロベルト・ジュラン(4階級)やシュガー・レイ・レナード(5階級)を上回る6階級制覇のオスカー・デラホーヤと並ぶ複数階級制覇に燃えている。 デラホーヤといえば“ゴールデンボーイ”が現役時代の愛称。リナレスも、アマ時代にベネズエラのジュニア選手権5連覇で“ベネズエラのゴールデンボーイ”と呼ばれ、早くから世界が期待されていた。来日は17歳の02年。世界的プロモーターで国内だけでなく海外でもマッチメークに携わる帝拳ジムの本田明彦会長がマネジメント契約。日本に居住させ、12月にプロデビューさせるとそのまま日本でキャリアを積ませる“本田流”で育て上げた。ゆえに日本のファンも多い。 世界奪取のリングで飛び出した「やった!」と流ちょうな日本語は語りぐさになっている。そんなリナレスの何を見てほしいかというと、ボクシングの“なんたるか”を感じさせる華麗さと力強さを兼ね備えたボクサーだからだ。元世界スーパーライト級王者で帝拳ジム代表の浜田剛史氏は「スピードが違う。パワーもテクニックも“超”一流。物が違う」と絶賛。アジアの“ヒーロー”となったマニー・パッキャオ(フィリピン)とのスーパーファイトも夢じゃない。 そのリナレスの世界戦が、衛星放送のWOWOW「エキサイトマッチスペシャル」で生中継(無料)される。同局の国内世界戦中継は3度目。ダブル世界戦は初となる。景気の低迷で地上波局は経営を悪化させている。WOWOWの積極さが注目されるところだが、“華麗なるリナレスのボクシング”をぜひ、見てほしい。 (格闘技評論家)
|