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【格闘技】

TAJIRI 毒霧で棚橋撃破 新日本プロレス

2009年8月14日 紙面から

棚橋からフォールを奪ったTAJIRI(左)=愛知県体育館で

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 IWGPヘビー級王者が不覚を取った。史上3人目の現役IWGP王者による優勝を目指す棚橋弘至(32)が、ハッスルから参戦のTAJIRI(38)の毒霧地獄にはまり、痛恨のフォール負け。勝ち点を伸ばすことができず、各ブロック上位2人が進む決勝トーナメント(16日、両国国技館)入りに黄信号がともった。一方のTAJIRIは、IWGP王座に色気を見せる発言もしており、両者の因縁は秋以降も尾を引くのは必至だ。

 棚橋が緑の毒霧にもん絶した。アクシデントでレフェリーが転倒した間に、TAJIRIの毒霧を浴びて、あごに強烈なバズソーキックを受けた。半失神状態となり、そのままフォール負け。現役IWGP王者には許されない失態だ。

 そこにいたTAJIRIは、ハッスルのお笑いレスラーではなかった。場外乱闘で相手の額を割り、笑いながらロープにこすりつけて傷口を広げようとする。WWE時代、米国の観客から憎しみを買い続けたころに戻っていた。試合後は、マイクを握って「名古屋のみなさ〜ん、愛してま〜す!」と、棚橋のお株を奪うパフォーマンスで、さらに憎しみを増幅。見かねて出てきた菅林社長にも毒霧を浴びせた。

 「満足だなぁ。ファンも満足したんじゃないの? ぼくの善人の皮がポロポロはがれちゃった。米国にいたころの、真っ黒いものが出てきちゃった」と、TAJIRIは新日本番の報道陣をも挑発するようにコメント。「IWGP王座を狙うのか」の問いには「社長とエースに大恥かかせちゃったんだよ。チャンスくれないんじゃないかな。でも、次に棚橋と戦ったら、毒霧なしで勝っちゃうよ」と毒づいた。

そのコメントは、新日本への継続参戦と王座挑戦へのデモンストレーションでもある。もはや、G1の成績など眼中になし。TAJIRIのG1出場は、すでに目的を達しつつある。 (大西洋和)

 

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