最終更新: 2009/08/14 06:36

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衆院選注目選挙区 長崎2区は自民党のベテランに民主党の新人女性が挑みます。

シリーズ衆院選・注目選挙区。
長崎2区は失言で閣僚を辞任した自民党のベテランに、知名度が高い民主党の新人女性が挑み、与野党対決の象徴的な選挙区となっています。

「頑張らんば、百姓じゃ食われんぞ、本当」などと、有権者から手荒い歓迎を受けたのは、10期目を目指す自民党前職の久間章生氏(68)。
もともとは、保守系が強い土地柄だけに、自民党の県議会議員などを総動員して、郡部もくまなくめぐるドブ板選挙で支持固めに懸命だった。
長崎・西海市で、久間氏は「どうも皆さん、ご苦労さまです。久間ですけども、こんな中、厳しかもんで、きょうはお願いとごあいさつにまいりました」と支持を訴えた。
久間氏は「厳しい、実際にそうよ。なかなかやっぱり自民党に対する風当たり強いからね。わたし自身に対してもそうだろうけど、全体が逆風の中でやってるから」と述べた。
対する民主党の新人は、福田 衣里子氏(28)。
ライバルの名前をもじって、「エリのクマ退治」とも一部でいわれている。
福田氏は、薬害肝炎訴訟の原告として、実名を公表して裁判を戦った。
2008年9月、当時の小沢代表に口説かれ、出馬を決意した。
福田氏は、出馬会見で「多くの命を奪うのも政治だった。しかし、多くの命を救うのも政治なんだということを痛感しました」と語った。
小柄な体格をカバーするため、街頭演説では箱に乗ってマイクを握り、選挙区を5万km駆け回ったという。
福田氏は「元気です。暑いですね、けどね。全然痛くならないです、手振ってても」と語った。
長崎が64年目の原爆の日を迎えた8月9日、平和祈念式典の会場で2人がニアミスする場面があった。
久間氏は、自民党の総務会長などを経て、初代の防衛相を務めたが、原爆投下を容認するかのような、いわゆる「しょうがない発言」で2007年に辞任に追い込まれた。
支持者離れに有力な対抗馬と、危機感を強めるベテランは、今回、かつてないほど地元に張りついている。
8月2日は、長与町で行われた海辺でのスポーツ大会の会場に姿を見せた。
久間氏は「防衛庁長官やってたのが平成8年(1996年)だから、(選挙区には)13年は帰ってきてない」と語った。
総決起大会では、政策通として地元への貢献度を強調し、福田氏との実績の違いをアピールした。
久間氏は「今回はどうしても負けられない。一生懸命頑張って、地域の声を反映できるような最後のお手伝いを皆さんに代わってさせていただきたい、そういう思いでおるわけでございます」と述べた。
対する福田氏も、4日から地区ごとに3日連続の総決起集会を開き、陣営は予想以上と手応えを感じている。
福田氏は「1つの政党が長い間支配する中で、都合の悪いことはすべて隠し続けられてきました。今こそ、うみを出しきらなければ、手遅れになってしまいます」と述べた。
政治経験がなく、地元の政策に疎いという批判をかわすために、最近はこんな話も織り交ぜている。
福田氏は「一部の人間の一部の利益誘導のための公共事業ではなくて、本当に地域に必要なものを、地域の活性化のために地元の業者が請け負う」と話している。
高い知名度と、民主党への追い風を武器に自民党の牙城を崩すことができるのか。
全国屈指の注目区となった長崎2区には、このほか、諸派・柴田 愛氏(35)、無所属・相浦 喜代子氏(44)、無所属・山嵜寿郎氏(29)も立候補を予定している。

(08/12 12:42 テレビ長崎)


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