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豪外相が中国に警告「礼儀正しく適切に行動してほしい」

カーディル氏訪問、豪が中国の外交圧力に警告

 オーストラリアで開かれた第58回メルボルン国際映画祭(MIFF・7月24日-8月9日)に招かれた亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(62)は11日、首都キャンベラのナショナル・プレスクラブで記者会見を行った。オーストラリア人のジェフ・ダニエルズ監督がカーディル議長を主人公とする記録映画『ザ・テン・コンディションズ・オブ・ラブ』(愛の10条件)を制作し、同議長を招いたものだ。

 中国はカーディル代表のオーストラリア訪問を阻むため総力戦を展開した。中国政府は7月5日に新疆ウイグル自治区のウルムチ市で197人の死者を出した暴動を背後から指揮した人物としてカーディル議長を名指しし、オーストラリア政府に「テロリストを受け入れるな」と要求した。

 しかし、オーストラリア外務省は「カーディル氏はテロリストではない」として、ビザを発給。その後もカーディル氏の記者会見、記録映画上映を阻止しようという中国のあらゆる努力は失敗に終わった。中国はオーストラリアの外相から「今後は礼儀正しく適切に行動してほしい」という警告まで受けた。

 11日にオーストラリア全土に生中継された演説でカーディル議長は「独立国であるオーストラリアが独裁者の命令に従う理由はない」とし、訪問を認めたオーストラリア政府に謝意を表した。その上で、「中国政府のあらゆる妨害努力はむしろわたしの映画に対する名声を高め、チケットが売り切れる事態を生んだ。わたしの映画を上映させてくれた中国政府の支援に感謝する」と皮肉った。

 中国政府はカーディル議長が今月4日にシドニーに到着して以降、あらゆる工作に乗り出した。中華圏の映画が映画祭不参加を相次いで宣言し、中国、台湾、香港の相当数の作品が上映を取りやめた。中国のハッカーはメルボルン国際映画祭のウェブサイトを集中攻撃し、インターネット上でのチケット前売りをできなくした。

 ラジオ・オーストラリアによると、中国大使館関係者は先週、ナショナル・プレスクラブの担当者を訪ね、「カーディル氏の招待演説をキャンセルしろ。演説を認めるとしても生中継されないように協力してほしい」と圧力をかけたという。中国大使館関係者は「カーディル氏の演説が予定通りに行われれば、両国関係にとって遺憾なことだ」と脅迫調で述べた。しかし、オーストラリアのスミス外相は豪ABC放送に対し、「中国の外交官に礼儀正しく適切に行動してほしいと言ってやった」と語った。

 中国とオーストラリアの関係が悪化したことで、オーストラリア企業を対象に買収や投資を検討していた中国のエン州煤(ばい)業、中鉄集団、中国投資などの計画が壁にぶつかる可能性もある。中国は世界最大の鉄鉱石輸入国で、オーストラリアにとって2位の貿易相手国だ。両国の昨年の貿易総額は580億ドルに達した。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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