麻生首相と民主・鳩山代表、解散後初の党首討論 消費税引き上げ問題などで舌戦
麻生首相と民主党の鳩山代表が、解散後、初の討論会で、消費税引き上げ問題などについて舌戦を繰り広げた。
選挙まで18日と白熱する中、1対1の直接対決となる党首討論が行われた。
麻生首相は「一番の違いは、『責任力』だと思います」と述べ、民主党の鳩山代表は「私どもは今、そういう意味で歴史的な瞬間に立っていると思います」と述べた。
民間団体主催で行われた党首討論は、攻守をそれぞれ代えて、30分以上ずつ議論をぶつけ、選挙戦の激しさそのままに熱闘となった。
先攻の民主党・鳩山代表が、自民党がマニフェストで言及した消費税増税で突破口を開く。
鳩山代表が「2011年には消費税を増税されるという公約をマニフェストの中でうたわれたと、そう解釈してよろしいんですか?」とただすと、麻生首相は「経済成長率が2%、名目などなどで2%ということになるんであれば、われわれは遅滞なく、そういったものができる状況になったと、われわれは判断をしてもよろしいのではないかと」と答えた。
また、鳩山代表が「マニフェストというのは公約であります。国民の皆さんとの契約であります。私たちはその意味で、当然、できなければ政権としての責任を取ると。イエスかノーかで、お答えを願いたいと思っておりまして。2011年には消費税を増税されると?」とただすと、麻生首相は「マニフェストの理解の程度というのは、人によって違うのかもしれませんが、私どもの申し上げているのは、基本的に同じことを申し上げておると思っております。まず、基本は景気回復」と答えた。
さらに鳩山代表は、「『天下り』、『渡り』は全面禁止するという話をされました。このマニフェストの発表当日に、天下りを受けさせないという項目を削除したと。なぜ、天下り禁止の部分を削除されたのかというところをお聞かせ願いたい」と、揺さぶりもかけた。
これに、麻生首相は「極めて簡単です。すでに天下りは禁止になっているからです。天下りは廃止になっているからだと存じます」と答えた。
ここで攻守交代となり、後攻の麻生首相は、いきなり批判の的となっている財源問題を投じた。
麻生首相が「財源なきばらまきということに関しては、無責任と思っておりますが」と批判すると、鳩山代表は「私はまったく、この財源に関しては心配をしておりません。新しい政権ができたら、当然のことながら、予算というものは総取っ替えをしなければならない。組み替えるわけでございます。その中で、この政権にとって優先度の高い仕事は、必ず確保をさせてもらうと」と答えた。
胸元を突く直球だったが、鳩山代表は冷静だった。
また、麻生首相が「社会保障関係の経費に、消費税を上げずにどう対応されるおつもりなのか」とただすと、鳩山代表は「現在の経済状況を考えた時に、さらに私どもが、消費税をどのようなところに充当させようかと考えていること。私どもが政権を担わせていただく4年間の間、消費税の増税をする必要がない」と答えた。
(08/13 00:41)