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消滅した「台風」が韓国で猛威(上)

 韓半島(朝鮮半島)にやって来る台風が徐々に手ごわいものになりつつある。消滅したかと思うと復活し、再び猛威を振るうという怪奇現象が起こる一方で、台風の勢力もまた次第に強くなっている。通常、海水の温度が高い赤道付近の低緯度地方で「台風の芽」がよく生まれるが、最近では地球温暖化などの影響で北緯20度以北の中緯度地方でも海水の温度が上昇し、韓半島周辺で発生する台風が徐々に増えていく現象が観察されている。要するに、台風が強さを増している上に、気まぐれになっているということだ。

(1)消滅してもまた復活

 11日夜から12日にかけての2日間、ソウルをはじめとする中部地方のあちこちでは降水量250-358ミリという「豪雨」に見舞われた。釜山をはじめとする南部沿岸や西部沿岸では、中部地方より雨は少なかったものの、12日午前には秒速20メートルを越える台風クラスの暴風(秒速17メートル以上)が吹き荒れた。原因は、今月10日に中国大陸で消滅した台風8号「モーラコット」だった。消滅したはずの台風が、あたかも蘇ったかのように再び猛威を振るったというわけだ。

 こうした怪奇現象は、2年前にも見られた。2007年8月9日、台風「ウーティップ」は各国の気象当局から一斉に「消滅」の判定を受けた。ところが3日後の8月12日には、逆に秒速25メートルを越える暴風と豪雨を伴い全羅道・済州島などに上陸、3人の死者まで出した。当時、気象の専門家らは「消滅した台風が復活するという奇怪な事件が起こった」と非常に驚いた。

 公州大のクォン・ヒョクチョ教授(大気科学科)によると、1951年から2006年までの56年間に北太平洋で発生した台風149個のうち、「消滅判定」を受けた後に復活したケースはわずか6件に過ぎない。北太平洋全体で10年に1度起きるか起きないかという稀な事例が、07年と今年に相次いで韓半島周辺で起こったわけだ。

パク・ウンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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