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「話はいいから救いに行け」台湾・台風、政権に世論批判

2009年8月13日21時31分

 【台北=野嶋剛】台風8号による災害をめぐり、台湾の馬英九(マー・インチウ)政権が批判にさらされている。対応の遅れが被害拡大を招いたなどと不満が高まり、13日に馬総統ら政権幹部が現地入りするなど打ち消しに躍起だ。

 13日、被害が大きい台南県を訪れた馬総統に対し、被災者からは行方不明者の捜索や農業被害への手当てを求める発言が続出。ほかの被災地では「話はいいから救いに行け」と怒声が飛んだ。

 問題視されているのは軍の投入の遅れ。派遣は9日に本格化したが、屏東県などは「救援は7日に要請した。軍が運んできた機材は必要なものではなかった」と批判。李登輝元総統も12日、知人を通じて馬政権の対応を「見ちゃいられない」と形容した。

 これに対し馬政権は軍の投入は「現地の要請を受けて適切に行った」と主張。また、最大で計約3千ミリという異常な雨量で、被害予測は困難だったと反論している。

 ただ与党の国民党内ではハリケーン「カトリーナ」への対応のまずさで政権支持率が下がった米国の例を念頭に懸念が広がっている。

 台風による台湾全土の被害は13日時点で死者108人、行方不明者62人。外交部(外務省)は同日、ダンプカーやショベルカーをつり上げられる特殊ヘリコプター、仮設住宅1千戸、消毒水などの支援を日米など各国に要請した。

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