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喘息(ぜんそく)

 

”喘息(ぜんそく)”ってどんな病気

喘息は呼吸が苦しくなる病気  "息が喘ぐ(あえぐ)"と書く喘息は、のどがゼイゼイ鳴ったり、咳や痰(たん)が出たりして呼吸が苦しくなる病気です。
  1960年以前は喘息の原因がわからず、「心の病気」とか「伝染病」とか言われていましたが、最近になってようやく、喘息は「慢性的な気管支の炎症」であることがわかってきました。さらに、適切な治療を行うことによって、喘息の患者さんが健やかな日々を送ることが可能になっています。

喘息(ぜんそく)は気管支の慢性的な病気です

喘息は慢性的な気管支の炎症 長い間、喘息は発作のときだけ気管支に変化がおきる病気と考えられていました。
しかし、様々な研究が進むにつれ、普段から気管支の炎症があるということがわかってきました。また、それと共に「アレルギー反応による全身の病気」という古い常識も改められ、「慢性的な気管支の炎症」と考えられるようになりました。

 

毎年、約6000人の方が喘息(ぜんそく)で死亡しています!

わが国における喘息死の年次推移  喘息の患者さんの数は、全国でおよそ150万人ともいわれていますが、実にこの0.4%にあたる約6000人の方が、毎年、喘息の発作で呼吸困難となり死亡しています。
  「喘息では死ぬことはない」と思われている方もいますが、あなどると大変怖い病気ということが、この数字でもおわかりになられると思います。喘息で亡くなった方には、意外にも若い方が多く、また、重症な方に限らず比較的軽い方にも予期しない出来事が起きてしまった、というケースが特徴としてみられます。
  しかし、近年、喘息治療は目覚しく進歩してきました。適切な治療を行えば、喘息をコントロールし、健康な人と変わらない生活ができるようになりました。

 

免疫とアレルギー反応

喘息の”ゼエゼエ”は、免疫とアレルギー反応との関係によって起こるといわれています。この関係について少し詳しくご説明します。

1.免疫とは?

   身体の中に生まれつきあるものと、そうでないものとを区別し、異物が体内に侵入してきた時にこれを識別・排除しようとする仕組みを免疫といいます。つまり、身体の健康は免疫という防衛軍が守ってくれています。
 

2.アレルギー体質をもった人とは?

   免疫は1度体内に侵入してきた異物に対して、2度と悪さをさせないようにしていますが、この仕組みが過剰に働いてしまう人がいます。このような人のことを、アレルギー体質を持った人といいます。
 

3.アレルギー反応とは?

 

 ハウスダストやダニ、花粉などは私達の身体にない異物ですが、通常は身体に悪影響を及ぼさないため、免疫システムの攻撃対象にはなりません。
 しかし、中には、これらのような害のない物も異物としてとらえ、免疫システムが働いてしまう人がいます。そのために起きてしまうのが、アレルギー反応であり、この過剰な反応を引き起こしてしまう物質を、"アレルゲン"と呼んでいます。

 
アレルギー反応とは

 

喘息(ぜんそく)には2つのタイプがあります

 喘息には、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを特定できるアトピー型喘息と、アレルゲンを特定できない非アトピー型喘息の2つのタイプがあります。喘息発作を引き起こす原因は異なりますが、両タイプとも症状、治療方法は同じです。

タイプ
アトピー型喘息
(アレルギー性喘息) 
非アトピー型喘息
(非アレルギー性喘息)
原因
アレルゲン
(例)ハウスダスト、ダニ、花粉、動物の毛
外界からの刺激
(例)タバコの煙、香水などの強い匂い、風邪などのウイルス、気温・湿度の急激な変化
患者さんの特性
小児喘息の9割がこのタイプ 成人喘息の半数以上がこのタイプ

 

喘息(ぜんそく)の診断はこうして行われます

喘息(ぜんそく)の診断

 喘息であるかどうかの診断は、専門医による問診が中心となります。特に、喘息の典型的な症状がでていないかどうか、また、家族歴と既往歴なども詳しくお伺いします。
さらに、喘息を診断し、原因を確かめるために次のような検査を行うこともあります。

  • 胸部レントゲン
  • 呼吸機能の検査(ピークフロー値や肺活量などを測定します)
  • 血液の検査
  • 痰(たん)の検査
  • アレルゲン皮膚試験 (喘息を引き起こすアレルゲンを調べるための検査です)
  • 気道過敏性検査

【ピークフローメーターって何?】

  ピークフローメーター(最大呼気流量計)は気管支の広がり具合を調べる検査器具です。その測定値をピークフロー値(最大呼気量)といいます。
  気管支が狭くなればなるほど、ピークフロー値は下がります。したがって、患者さんの自覚症状だけでなくピークフロー値を測定することで、病状を客観的に把握することができます。また、定期的にピークフロー値の変化を検査しますと、現在の治療薬の効果がどの程度現れているのかもわかります。
ピークフローメーター

 

喘息(ぜんそく)には2つの基本的な治療方法があります

 喘息の原因が解明されて以来、喘息の治療方法も変わりました。以前は発作時の対応を行うための対症療法が中心でしたが、現在では、気管支の慢性の炎症に対しての予防的治療が重視されています。
 予防的治療が重視さている理由は、喘息の患者さんは発作がなくても気管支の炎症があるため、炎症を起さないよう日常的な治療を行うことが大変重要と考えられているからです。

喘息の治療方法1

喘息(ぜんそく)発作の誘因を遠ざける


【ダニなどに対するアレルギー対策】

 最も代表的なアレルゲンは室内のほこりで、主成分はダニです。ダニは高温多湿を好み、6月から10月の間は特に注意が必要です。ダニを寄せ付けないためには、
  • 湿気がたまらないよう、部屋の風通しにつとめる
  • 週1回は、ふとんにも掃除機をかける
  • じゅうたんや毛布、羽毛ふとんはできるだけ避け、掃除は頻繁に行う
  • 花粉の飛ぶ時期には外出時のマスクを着用する
  • ペットを室内で飼うのは避ける
などが効果的といわれています。

【風邪などのウイルス感染防止】

 風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染すると、喘息の発作が起こりやすくなります。外出から帰った時には、まずうがいをすることが大切です。特に咳だけが1週間以上続く時は、喘息のコントロールができていない可能性がありますので、早めに受診してください。


【運動誘発喘息の防止】

 走ったり、運動したりすると喘息の発作が起こることがあります。これを運動誘発喘息といいます。しかし、喘息の患者さんが運動をしてはいけないということではありません。医師の指導のもとで適切な治療を行えば、運動しても発作は起こりにくくなります。実際に有名なスポーツ選手の中にも喘息の患者さんがいます。


【禁酒】

タバコやアルコールなど喘息(ぜんそく)発作の誘因を遠ざける アルコールを飲むと発作を起す人がいます。原因は、アルコールが体内で変化して作られたアセトアルデヒドという物質が気管支を狭くすると考えられています。そのため、アルコールは基本的には止めたほうが無難といえます。

【禁煙】
 タバコは喘息の悪化因子です。喘息に限らず、気管支や肺に病気を持った方は禁物です。また、たき火や花火、蚊取り線香などの煙も気管支を刺激しますので、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

【アスピリン喘息の防止】
 喘息の患者さんの約10%が、鎮痛解熱剤を使うと発作を起こします。特に、中高年の女性に多いといわれています。これをアスピリン喘息といいます。アスピリンだけでなく、ほとんどの鎮痛解熱剤が問題となります。
  アスピリン喘息と診断された方は、主治医が処方した薬以外は絶対に飲まないようにしてください。 なお、高血圧や心臓病などの薬にも咳や喘息を誘発するものがありますので、かかりつけ以外の医療機関で受診する時には喘息持ちであることをきちんと言う必要があります。

【その他】
  その他、身体的な疲労や精神的なストレス、大気汚染や香水などの強い匂い、天候の変化(急に寒くなるとき等)などには十分気をつける必要があります。


喘息の治療方法2

薬による治療


喘息の治療方法:薬による治療 喘息は糖尿病や高血圧と同じく慢性の疾患で、厳密には完治しないと言われています。しかし、正しい治療を行うことによって、コントロールすることができ、健康な人と何ら変わりのない日々を過ごすことができます。
 一番気をつけなければいけないことは、「喘息が治った」と思いこみ、主治医の了解を得ないで、患者さんが勝手に処方された薬を止めてしまうことです。特に、発病初期の不十分な治療は、その後の経過を悪化させてしまいます。医師を信頼し、指示通りに薬を飲むことが喘息治療の最大のポイントといえます。

 


効果
副作用
吸入ステロイド薬
現在、喘息治療の第1選択として用いられます。抗炎症作用が、他のどの薬よりも強く、予防的治療の主体となります。
なお、喘息の発作が起きた時には、気道を刺激して、逆に発作をひどくしてしまうこともあるため、吸入ステロイドは使いません。
喘息の吸入治療用に特別に作られたステロイド薬で、全身性の副作用はありません。ステロイドという名前に嫌悪感を持つ方もいますが、医師の指示通りに使えば、心配ありません。
口の中や舌が荒れる口内炎などの副作用は、正しい吸入のやり方で防ぐことができます。
経口ステロイド薬
気管支の炎症を早急に抑えこみ、喘息には非常に効果的な薬です。2週間程度の短期間であれば、大量に飲んでもあまり心配はありません。 長期間使用すると、高血圧や糖尿病、肥満、免疫力の低下、骨粗しょう症などの副作用が出てきますので、医師の処方を正しく守ることが重要です。
抗アレルギー薬
気道の炎症を抑える作用があります。主にアレルゲンがはっきりしているアトピー型喘息に使用されます。
吸入ステロイド薬同様に、突然起こる発作を静める働きはありません。
喘息の治療に用いられる抗アレルギー薬には、抗ヒスタミン作用があるものとないものがあります。抗ヒスタミン作用のある薬には、副作用として眠気や倦怠感を伴うものがあります。
気管支拡張薬
発作が起きた時に狭くなった気管支を広げ、空気の通りをよくして呼吸を楽にする作用があります。
最近、効き目が長時間持続する薬が登場し、予防的治療にも使われることが多くなりました。
動悸、手のふるえ、頭痛などの副作用を伴うことがあります。

※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。
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