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米軍ヘリ沖国大墜落5年:知花さん、歌で「基地」告発

 米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリコプターが宜野湾市の沖縄国際大学に墜落してから、13日で5年になった。政府は危険除去策を施したとするが、住宅地上空をヘリが旋回する光景は変わっていない。大学は変わらぬ現状に抗議し、同日午後2時10分から、ヘリの即時飛行中止や普天間飛行場閉鎖などを求める大学主催の集会を初めて開く。同大学図書館、名護市、西原町では、事故の様子を伝える写真展がそれぞれ開催される。抜本的な危険除去からはほど遠い現状に、周辺住民は今も不安の中での生活を余儀なくされている。

 「CH53D型 空から落ちたヘリコプター/焼け焦げたゴムの臭い 飛び散る残骸」「命は基地と隣り泡瀬(合わせ) ミサイル配備しパイプを這わせ/辺野古・普天間・嘉手納 立てなくなるまでシャブらせたキャンディー 甘めーか?」-。

 米軍ヘリ沖国大墜落事故を題材にした曲「民のドミノ」の歌詞だ。「DUTY FREE SHOPP.」の知花竜海さん(29)=読谷村出身=は、事故から5年たった今も、ほとんどのライブの最後をこの曲で締めくくる。

 「民のドミノ」は2004年9月、コザ騒動をモチーフにカクマクシャカ(安村磨作紀さん)と共同制作した。県外で反響が大きく「冷めた県内の若い世代との温度差を感じた」という。「若い人々も釈然としない思いを抱えているが、基地問題があまりに複雑で言葉にできない。発言して矢面に立つことも恐れている」と説明する。ただ「自分が矢面に立てば賛同する人は多い」と手応えも感じている。

 平和を歌うリスクもある。「反戦ミュージシャンというレッテルを張られると、曲を真剣に聴いてもらえない」と語る。それでも沖縄にある矛盾を告発し続けるのは「沖縄が日本のシステムにのみ込まれ、文化も自然環境も失われていく流れの中に基地問題もある。若い世代も、沖縄の歴史的経緯を理解した上で未来を選択する必要がある」との思いがある。

 06年から名護市辺野古などで開いてきた「ピースミュージックフェスタ」は今年、宜野湾市で9月に開く。「辺野古で嫌な基地は宜野湾でも嫌なはずだ。平和を発信するのに最も適した場所は宜野湾だ」と説明した。

(琉球新報)

2009年8月13日

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