政府は11日、安全保障・危機管理担当の柳沢協二官房副長官補の後任に、西川徹矢・前防衛省官房長を充てる人事を決定した。西川氏は小池百合子元防衛相と守屋武昌前次官との対立のあおりで同省を去ったが、異例の官職復帰。柳沢氏は内閣官房参与に就く。
防衛省では07年、小池氏が守屋氏を更迭し、後任に西川氏をすえる人事を画策したが、守屋氏が反発。当時の安倍晋三首相らが収拾にあたり、人事教育局長だった増田好平氏を起用した。政府高官は、麻生太郎首相が「守屋氏の件で出ていった人を取り戻さないといけない」と述べたとして、西川氏起用が首相の意向だったことを明らかにした。西川氏は警察庁出身で、漆間巌官房副長官の思惑も影響したとみられる。【仙石恭】
==============
72年京大法卒、警察庁入庁。新潟県警本部長、防衛省官房長を経て07年9月退官。大阪府出身。
毎日新聞 2009年8月12日 東京朝刊