東広島市の広島少年院の暴行事件で、広島地検に特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕された同少年院の元首席専門官で奈良少年院次長の向井義(ただし)容疑者(47)=奈良市秋篠町=が、自ら複数の法務教官を集めて、少年に暴行する様子を見せていた疑いが強いことが12日、関係者への取材で分かった。
向井容疑者は、広島少年院の首席専門官だった2005年9月ごろ、同少年院の体育館で、当時16歳の少年の首にシーツを巻いて締め付けたうえ、2種類の洗剤を混ぜて発生させた塩素系ガスの入ったポリ袋を顔に近づけ、ガスを吸うよう脅すなどしたとして、11日に逮捕された。
地検によると、暴行のきっかけは少年が別の少年と私語をしていたとの報告を受けたためとみられる。関係者などによると、向井容疑者は、私語をしたことに激しく怒り、ほかの教官に少年に暴行を加えるという趣旨を告げて、体育館に集めたという。
関係者などによると、既に起訴された4教官のうち、複数の教官がこの暴行を知っており、洗剤を使って暴行したなどとされる起訴事実の行為の一部について、向井容疑者の方法をまねたという趣旨の供述をしているという。
|