名古屋市立病院の2008年度決算で、5病院合計の純損益が45億3600万円の赤字になったことが12日、わかった。赤字は7年連続で、前年度より6億2400万円悪化。累積赤字は165億2100万円に拡大した。「改革プラン」初年度の計画数値はほぼ達成したが、医師不足が続くなど課題も多く、市病院局は病院ごとの個別対策の見直しも検討する。
決算は同日の有識者会議「名古屋市立病院経営委員会」で病院局側が示した。単年度ベースの資金不足である不良債務額は17億900万円。特例債発行で一時借入金が減り、前年度に比べ16億6200万円縮小した。
1日平均の患者数は入院が計画を2人上回ったものの、外来は3人少なかった。医師の欠員数が09年4月時点で17人にのぼり、05年の2人から大幅に悪化していることなどが響いている。ただ最新の高度医療を担う「心臓血管センター」の東市民病院への設置や、城北病院の「周産期医療センター」の拡充などにより、一部に診療件数の増加傾向もみられた。
改革プランは10年度の黒字化、不良債務の解消をめざしており、各病院は達成に向けた「アクションプラン」を進めている。しかし城西病院への「高齢者総合診療科」の設置見送りや、看護師の副院長登用の遅れなど、計画通りに進んでいない施策もあり、会議の出席委員からは「目標達成の努力が足りないのではないか」「病院側に厳しさがない」などの意見が出た。
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