日頃は第45回解散総選挙に伴う、マニフェストを用いた公開討論会『チャレンジ300』開催にあたり格別なご理解ご協力を賜り心から感謝致します。
さて、8月9日に開催されました21世紀臨調主催の『政権公約検証大会』でのマスコミ報道を受けて、有権者の皆様に誤解を与えかねない報道の内容に対し遺憾の意を表すと共に、改めて全国各地でマニフェスト型公開討論会を提唱している(社)日本青年会議所の基本的なスタンス及び、公正中立な立場から見た両党のマニフェストを検証した前提条件を重ねて報告させて頂きます。
先の報道から伝わってくる内容では、あたかも日本青年会議所が民主党を支持しているかのような誤解を与えています。しかし、両党のマニフェストの内容の精査をされた他の参加団体とは違い、全国にマニフェスト型公開討論会を提唱する立場として、有権者との『約束』を提示するために作成されるマニフェストについて、『期限・財源・数値目標の記載の有無』とそれに基づく『後の検証が可能』かどうかのこの二つの視点のみに言及したに過ぎません。その点で、我々が行った評価は、いわば「マニフェストの形式評価」の域を出ず、政策の内容にまで踏み込んで評価をした他団体(中には明確に民主党を支持している「連合」なども含まれます)と同じように報道されたことで、我々が意図するところとは別の意味で受け取られた可能性があることはまことに残念でなりません。
21世紀臨調主催の『政権公約検証大会』においてもご説明した通り、我々日本青年会議所は全国の会員会議所とともに、全国『300の小選挙区全てで公開討論会を行う』ことを目標に運動展開しています。公開討論会『チャレンジ300』を提唱する団体として、政党の政策の優劣を判断するのは、あくまで公開討論会に参加される来場者一人ひとりであると位置付けております。マニフェストの普及によって政策本位で国民が政治を選ぶことができるよう、公開討論会開催前に政治の判断材料たるマニフェストの精度をここからさらに両政党に高めて欲しいと考えるからに他なりません。
当団体として、自民党、民主党の政策の内容評価となれば意味合いは大きく異なり、全く違った点数付けが予想されます。両党とも、選挙用のバラマキと受け取られかねない政策が目につくなか、ここで敢えて政策の内容について踏み込んでみれば、政権運営の実績に裏付けられる自民党の外交・安全保障分野における拉致被害者救助に向けた具体的な施策や国家安全保障会議の設置は大いに評価できる一方、そのような政策の根幹として立脚すべき国家観が曖昧とされている政策を掲げる民主党に強い不安を抱きます。高速道路の原則無料化という政策一つをとってみても、受益者負担の原則に反しかねず、また同党が訴える地球温暖化対策に逆行することが非常に懸念されます。民主党の政策の中に、我が国のグランドデザインすなわち国家観が欠如しているという危惧さえ抱かざるを得ません。したがって、民主党のマニフェストの本質が総合的に優れていると評価するものではありません。
もちろん、今回のマニフェスト形式評価は、個別の政党への支持・不支持を示すものではなく、あくまでマニフェストが有権者への『約束』たり得るかをはかる物差しの一つであると考えます。これをきっかけに国民一人ひとりが政治に関心をもち、政権公約(マニフェスト)を目にする機会を増やし、それを論じ合い、真の民主国家日本建国に向け有権者として主体的に社会と向き合うきっかけになることを切望いたします。
最後になりますが全国300小選挙区での公開討論会開催に向けて、ますますのご理解とご指導を賜りますことをお願い申しあげましてメッセージとかえさせていただきます。
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