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軍事板書籍・書評スレッド 23

目次

 【追記】 軍ヲタ入門書

 【質問】 米海兵隊の全体から,末端の班の編成までが分かる本を教えてくれ.

 【質問】 ソ連軍が日本に上陸するシミュレーションで,まじめなものはありますか?

 【質問】 ペレストロイカ以後は,ソ連成立以来初めて「当初の防勢」を言い出すようになります.

 【質問】 ペレストロイカ以後は「当初は防勢」で,敵の先制攻撃をすりつぶしてから攻撃に移る攻勢防御になっています.理由は,当時のソ連軍の事情をご存知の方には明らかですが.

 【質問】 Glanzを読む限り,「通常の状態では核による先制攻撃は政治的にリスクが高い.しかしどうしても必要な政治的要求があるなら実行する.」という考えだったようです.

 【質問】 ソ連は主敵たる米国(及び西側先進国)の重心(弱点)は「世論」であると見抜いていた節がありまして.

 【質問】 WW2米英の機甲の理論って,「一発喰らったらヤーボ出動!!」という印象が・・・

 【質問】 警察のことを専門に取り扱ってる雑誌って,何がありますかね?

 【追記】 大抵の軍ヲタはそれでも,脳内分析の半分程度しか日本の悪口言っていないんだよな.

 【質問】 太平洋戦争での地獄の体験,生還記が読みたいのですが,教えて下さい.

 【質問】 現代の戦闘機の戦術等,ACMから電子戦まで紹介されてる書籍で,おすすめの本はないですか?

 【書評】 『最後の特派員』衣奈多喜男著

 【書評】 「エロイカより愛をこめての創りかた」文庫版

 【追記】 ヒトラーの経済政策

 【書評】 「出撃!魔女飛行隊」

 【書評】 イズビー「ソ連地上軍」

 【書評】 レヴェルト「補給戦」

 【質問】 偏見かもしれんが,元自衛官の翻訳はおおむね当てにならないような気がするのですが?

 【質問】 WWU時のドイツの都市防空システムとか高射砲の活躍とか運用とかを知りたいのですが,手に入りやすくいい本はないでしょうか?

 【書評】 空母ミッドウェイ:アメリカ海軍下士官の航海記

 【質問】 何かお勧めの「補給入門」は有る?

 【質問】 近代の騎兵,特に日本とロシアの騎兵についての書籍があれば,教えてください.

 【質問】 WW1の空か陸もので,生活感やエピソードに富んだ,日本語の本は何かありませんか?

 【書評】 「骨董金側懐中時計」小野稔

 【書評】 「名著で学ぶ戦争論」

 【書評】 『機甲戦の理論と歴史』

 【質問】 『詳解独ソ戦全史』(デビット,M,グランツ)を読んでいるんだけど,この本のデーターの精度は高いの?

 【質問】 NSDAPとヒトラーに対する,戦後ドイツ国内の評価の変遷を知りたいんだけど.

 【質問】 そりゃ,ナチス時代の軍人は犯罪者とか言ってる戦後のドイツ人に向けた本だからでは?

 【書評】 『憲兵物語-ある憲兵の見た昭和の戦争』

 【質問】 Uボートの良書ない?

 【質問】 フランスの核戦略って,どの書籍をあたればいい?

 【質問】 『秘めたる空戦』ってノンフィクションなの?,フィクションなの?

 【質問】 第2次大戦中のソ連の軍装について詳しい本っ何かありますか?

 【書評】 『朝鮮戦争』マシュウ・B・リッジウェイ著

 【質問】 トーランドの『朝鮮戦争』は通史として読めますか?

 【質問】 『最期の100日』とは如何様なのもなのでありますか?

 【質問】 「この物語はフィクションです」と入ってないと分からないものなんだろうか?

 【質問】 白将軍ってどうよ?

 【質問】 軍服・軍装を兵器の一種として見た場合の,その進化という観点からの良い本を教えてくください.

 【質問】 現代のオーストリア海軍について教えてください.

 【書評】 世界戦争史 伊藤 政之助 原書房(復刻)

 【書評】 Nolan著 Cavalry

 【書評】 渡辺洋二「必中への急降下」

 【質問】 兵頭先生,昔の著作はプレミアついてるけど,近年の著作にはあまりいい話を聞かないよね?

 【追記】 独ソ戦の作者は文献資料読んでいくうち,こいつらぁーベルリンでレイプされてもしかたねえわなぁーて考えに変わったらしい

 【質問】 パウル・カレルっておもしろいの? 泣ける?

 【質問】 ソ連軍の戦略作戦レベルの高等統帥のうまさをバカにしすぎの傾向はあるな.ただ,そうした傾向も,どうしてそういう傾向になっているのか,とか大戦中の独軍指揮官のソ連軍に対する認識を知る上でも,有用に思える.

 【書評】 自衛隊OBの書いた生物化学戦の本


 【追記】
24 :名無し三等兵 :2009/06/21(日) 22:45:04 ID:???
光人社NF文庫あたりの安い戦記物から入るのがいいと思う.
戦記物といっても,個人視点だけじゃなくて戦況の概説とか編制について触れてる本があるから,
その類から入っていくのがいいと思うな.
わからない言葉が出てきたら,辞書としてWikipediaでも引いてみればいい.

ある程度流れのある読み物じゃなく,無味乾燥に用語解説書から入ってたら死ぬ.

で,読んで面白いことが大事なので,著名な戦闘で,できれば勝ち戦のやつ.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米海兵隊の全体から,末端の班の編成までが分かる本を教えてくれ.

 【回答】
 サー,イエッ,サー!

「U.S.マリーンズ ザ・レザーネック」 上田信 大日本絵画

 何回か書かれた「コンバット・バイブル」の海兵隊版であります.
 海兵隊の装備,編成,歴史,訓練がわかりやすく紹介されております.
 特に編成に関しては,分隊から師団まで,航空隊や海上事前集積まで掲載されております.

 また,上陸作戦の手順も細かく解説されていますが,このような上陸作戦ができるのは米軍だけです,そこは注意が必要と愚考いたします.サー.

 ちなみにドリルサージャント(訓練教官軍曹)の罵倒もたっぷりであります.サー.

 WW2に限るならこっち.

「1941-1945 アメリカ海兵隊の戦闘技術」 レオ・J・ドーアーティIII世 著(リイド社)

 前作 日本軍の戦闘技術に続き,同著者(元米海兵隊情報部)が,こんどは身内の解説.
 WW2にいたる米海兵隊の戦術,編制の変遷からWW2における島嶼上陸,および内陸での小部隊戦術などを含め,歴史,装備,編制,訓練,戦術など海兵隊全般を解説.
 分隊規模の編制の変遷などから解説しており,私にとっては期待に違わぬ出来です(笑)

 もう1冊,最近発売された本があったけど,名前を忘れました.
 確か「アメリカ海兵隊のドクトリン」を書いた人の本です.

 あ,あと学研も確か現代米海兵隊のムックを出してたと思います.
 ただし,学研は現代米軍のムックを数種類出してますので,内容の重複にはご注意を.

 つか,「U.S.マリーンズ ザ・レザーネック」が,イラストメインのムックなのに充実しすぎ(笑)
 入門者〜中級者に最適.

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/06/22(月)
青文字:加筆改修部分


(保留)

 【質問】
 ソ連軍が日本に上陸するシミュレーションで,まじめなものはありますか?

 【回答】
45 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 21:58:43 ID:???

46 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/22(月) 22:01:15 ID:???
80年代のなら,いくつかあるよ.
「北海道の12日戦争」とか二見書房の第3次世界大戦シリーズとか

あと一等自営業氏のバトルオーバー北海道やレイドイントーキョーもそれに近いです
47 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/22(月) 22:31:50 ID:???
>>46
第三次世界大戦もの近未来戦記は,作戦レベルまではリアルに書けても,
戦略・大戦略レベルになると目も当てられないものが多い.
それは作者が元軍人であっても同じで,この手の本の一里塚的な
ハケット将軍の『第三次世界大戦』でも,欧州で巻き起こる戦禍を尻目に,
日中が同盟を結んでネオ大東亜共栄圏を形成する,という訳分からん展開が
大真面目に描写されていた.
80年代の国際政治学者(永井陽之助だったか?)が皮肉っていうには
この手の「シミュレーション」は東側首脳はかなるリスクも辞さず,
先制攻撃に全てを賭けるギャンブラーで,西側首脳は何故か状況が
決定的に悪化するまで手をこまねいているだけの無能に描かれ,
しかも初っぱなから核が使用される可能性には少しも触れないという点で
噴飯物でしかないと.

54 名前: 二人兄弟の墓 [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 02:04:03 ID:???
>>45
日本本土決戦 昭和20年11月 米軍皇土へ侵攻す!
脇役だけどソ連軍も上陸してます
55 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 06:48:11 ID:???
中身は悲惨そのものです. 天皇は松代地下壕で,何かのもめ事の余波を食って爆死
各地方自治体は単独で降伏するところと,あくまでも玉砕戦法を取るもの
または自決しまくるもの,指揮系統行政機関が完全に壊滅. 
むしろ1945年4月末のナチドイツよりも酷い状況.

57 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/06/23(火) 10:17:45 ID:???
>47
>ハケット将軍の『第三次世界大戦』でも,欧州で巻き起こる戦禍を尻目に,
>日中が同盟を結んでネオ大東亜共栄圏を形成する

本当にお読みになりましたか?
章では日中共栄圏などと書かれていましたが,それは題目だけで,実際の記述は
「ソ連から見て,日中友好条約とその後の日本の中国に対する援助/有効は非常な脅威である」
「ソ連としては,これら日中を引き離すもしくは欧州で起こる戦争にアジア方面での攻勢にでないようにしないとまずい」
というソ連から見た懸念を書き示したにすぎないように読めましたが?

同じ二見書房のWW3シリーズアジア編の「中ソ開戦す」あたりと混同しておりませんか?
(こちら,かなり無茶な内容です)

>初っぱなから核が使用される可能性には少しも触れないという

それは当時のNATOだからでしょう.
正直NATOの想定ですから.



そしてソ連の初動核攻撃がソ連のドクトリンだったのは秘密です.
うらー

58 :名無し三等兵 :2009/06/23(火) 11:02:09 ID:???
>初動核攻撃がソ連のドクトリン
スヴォーロフの「ザ・ソ連軍」シリーズに見る様に,
それは確かにその通りなんだが,
ただあの国もバルバロッサ然りルスト事件然り,
結構ここぞという時に躊躇する国だしねぇ…

ガチで先制攻撃かけるか
西側による大規模侵攻の明白な兆候でも掴めない限り
むしろ第一撃は西側に撃たせてから,
「死の手」作戦バリに核飽和攻撃ってパターンになる希ガス

62 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 12:54:57 ID:???
>58
スコットの「ソ連軍-思想・機構・実力」においても核攻撃のドクトリンは変わらずとの記述があります.
(ただし,あくまでも当時の話)
ソ連軍全体が,ドクトリンとして定めている以上,それが想定されてる訳で無視は出来ません.
実際に実行するかしないかの決断はさておいて,ソ連はその能力と,使うことを前提にした軍備を進めてたと言うことです.


>結構ここぞという時に躊躇する国だしねぇ…

つまりNATOもそこに期待してた訳です.
(米の相互確証破壊が機能するので,緒戦から使われることはないという前提)

まあ,いくつかの想定の内,一番激烈な通常戦を本にした訳で…
そして緒戦で核を使わないという事は,それだけ実施のハードルも低い訳で…
だからこそ,この想定を選んだのでわと推測.

61 :名無し三等兵 :2009/06/23(火) 12:36:59 ID:???
>>55
檜山の「日本本土決戦」は,

・アメリカの原爆開発チームがドイツ敗戦により原爆開発の必要性がなくなったとして開発の放棄
・8月の原爆投下がなくソ連の満州侵攻直前に陸軍少壮将校によるクーデター(東郷外相暗殺)
・45年秋のアメリカ軍九州上陸(五式中戦車実戦投入)&翌年春の関東上陸(秋水実戦参加)
・相模湾に上陸した米軍が多摩方面を経由して内陸に突進,首都防衛司令部を率いる石原完爾(笑)単独降伏
・松代大本営自爆(天皇行方不明)
・日本軍,東北地方に上陸したソ連軍と戦闘.米軍に物資等の給与依頼
・ラストにトルーマン「ここまでやる必要があったのかね?」で閉め

じゃなかったかと.
1981年版じゃこうなんだけど,別の版では自治体毎の徹底抗戦とかって話があるの?

63 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 13:01:57 ID:???
つか,つかみからいきなり核攻撃→はるまげ鈍では小説にならないよーな希ガス
64 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 13:30:45 ID:???
>63
しょっぱなから戦術核→NATO混乱→無停止攻撃でGo!→OMG進発!→後方核施設&大都市圏掌握
→欧米は戦術/戦域核による反撃を行う間もなく(施設説奪取されてるし)欧州解放!うらー!

その間,2〜4日,一応地上戦もあるよ.

うらーw
65 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 17:49:14 ID:???
NATOの方が数に勝るワルシャワ軍の突進を止めるために小型核で遅滞戦術という話もあるが
撤退戦で先制核投入というのは難しそうだよなぁ
66 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 19:14:17 ID:???
>65
>ワルシャワ軍の突進を止めるために小型核で遅滞戦術という話

それを阻止する為に,OMGが主梯団から分離先行し,
NATOや米軍の核施設や基地/司令部などを狙っていく訳です.

がお,がお,うらー


で,それに対応しようというのがエアランドバトル
(縦深攻撃だけでなく,実は対OMGとして機甲騎兵連隊や空中強襲部隊などが重要となのは秘密です)
67 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 20:44:37 ID:???
はっきり覚えてないが「フューチャーウォー198X年」では恋人が死んだNATO軍兵士が自棄になってワルシャワ条約機構軍にランスをぶっ放してた気がするなw
68 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 21:24:23 ID:???
>67
>ランスをぶっ放してた気がするな

私はぶっぱなされた記憶はありませんw


マジレスすると,そういうのが出来ないように
OMGを先行させ核施設を直接奪取してしまうのですよ.

また司令部を叩くのも同様.
核の発射命令を出す前に指令をだす頭をつぶすという考えです.

命令系統の再構築は可能ですが,その間に欧州は赤化されます.
1週間以内に全てを終わらすつもりでしたから.

ま,出来るか出来ないかは別の問題ですががが

69 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/23(火) 21:27:17 ID:???
またOMGにばかりかかずらわっていると,WPO主力の攻撃でNATO戦線が崩壊の憂き目にあいます.
そしてOMG以上の規模を持つ第2梯団が発進します.

※OMGと第2梯団と予備部隊は全て別々の存在ですので注意

うらー

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】


 【回答】
124 名前: 名無し整備兵 [sage] 投稿日: 2009/06/25(木) 23:45:18 ID:???
>>69

 ところが,70年代以後のソ連では,第2梯隊を大幅に縮小していきます.
 この趨勢は,エアランドバトルに対抗するため,ソ連崩壊時まで加速していくのでした.

 そしてペレストロイカ以後は,ソ連成立以来初めて「当初の防勢」を言い出すようになります.
125 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/26(金) 00:19:25 ID:???
>124
その前にNATOが逆侵攻を言い出してたあたりでも,
部分的防勢について言い出し始めてませんでしたっけ?

また,第2梯団は縮小してはいますが,OMGよりは規模があったはずです.
つまり第1梯団がより強化されてたと思いましたが.
(一部はOMGの強化にも)

第2梯団が叩かれても,第1梯団で押し切る方向.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】


 【回答】
127 :名無し整備兵 :2009/06/26(金) 00:33:10 ID:???
>>125

 ペレストロイカ以後は「当初は防勢」で,敵の先制攻撃をすりつぶしてから攻撃に移る攻勢防御に
なっています.理由は,当時のソ連軍の事情をご存知の方には明らかですが.

 第2梯隊は個々のOMG(或いはOMF)よりは強力ですが,複数のOMG(OMF)に割くリソースの
方が大きくなっているはずです.第1梯隊が重視されているのは,その通りですね.
 理由は簡単.「第2梯隊はエアランドバトル(それ以前ではNATOの核打撃)に対して脆弱」なため.

 また,ソ連・WTO側が通常戦力でNATO(欧州での地上戦力)を上回っていた時期には,「核による
先制攻撃」は積極的には推奨していなかったかと.むしろ,「撃てるものなら撃ってみいや」と後の先を
狙っていたようです.もちろん,政治的必要性があるなら,核戦力による先制攻撃のオプションもあるので
完全放棄はしていませんが.

128 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/06/26(金) 01:24:08 ID:???
>128
>ソ連・WTO側が通常戦力でNATO(欧州での地上戦力)を上回っていた時期には,
>「核による先制攻撃」は積極的には推奨していなかったかと.

「ソ連軍 思想・機構・実力」をみるに,1979におけるオガルコフ元帥の言などから見るに
80年代中頃までは,先制かどうかはともかく核攻撃は必須のものと考えていた
と捉えるべきではないでしょうか?
しかも相互確証破壊により使用を躊躇する意味合いをあまり感じていないようにも思われます.
これは十分に先制核攻撃をも内包しうる方向性だと感じられます.

なお,80年代中期といえば,NATOを上回っていた時期です.

そして,その方向性が明確に変わるのは90年代に入ってからだったと思われます.

129 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/26(金) 01:25:31 ID:???
あ,書き忘れた

うらーw

軍事板,
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 【質問】


 【回答】
130 名前: 名無し整備兵 [sage] 投稿日: 2009/06/26(金) 01:36:53 ID:???
>>128
>先制かはともかく

 Glanzを読む限り,「通常の状態では核による先制攻撃は政治的にリスクが高い.しかしどうしても
必要な政治的要求があるなら実行する.」という考えだったようです.

 そして,仕掛けてくるのはむしろNATO側だと考えていたから,それに対し脆弱な第2梯隊を減少させる
方向に進んだ,と.

 ソ連の軍事ドクトリンにおいて,相互確証破壊はあくまでも「政治的に考慮すべきリスク」の一つであって
リスクを上回る利益がある(または更に大きいリスクを回避できる)と政治的に判断できるならば,甘受
するものだったのでしょう.

 「戦争とは,別の手段による政治の継続」であることを,革命以来常に信条としてきた国ですから.
131 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/06/26(金) 02:09:04 ID:???
>130
>そして,仕掛けてくるのはむしろNATO側だと考えていたから

なので,あの時期に下手にソ連を過剰に刺激すると,NATOに対する予防攻撃として
侵攻を誘発する危険性があったわけで…

この下手に誤解を与えた場合…

今やらねばNATOの侵攻を許す事になる.
放っておけば母なる大地は西欧の大悪魔に蹂躙されてしまう.
ならば攻撃,一心不乱の大攻撃を先に行わねばならない!
なれば核先制攻撃も辞さない!今こそ勝利を!うらー!

というのは十分ありえる方向性な訳で…
このあたり,防衛の為とはいえ両国がお互いに脅威と認識しあう軍備バランスと言うのが
いかに難しく,危ういものであるかと言うのが見て取れると思います.

まあ,本来は攻勢防御を狙うのでしょうが,NATOの能力と比べ,
それが難しいと感じさせてしまったら,先制による予防攻撃を選択というのは十分に…


ああ,人類の理性は偉大です.

軍事板,
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 【質問】


 【回答】
139 :名無し整備兵 :2009/06/26(金) 22:11:57 ID:???
>>131

 ソ連は主敵たる米国(及び西側先進国)の重心(弱点)は「世論」であると見抜いていた節がありまして.

 即ち,「核による先制攻撃」は,米国世論を反ソに駆り立てる可能性が高い.それよりも,優勢な我が
通常戦力で予防攻撃を行い,米国が世論に配慮して核打撃をためらっているうちに戦略目的を達成
するか,あるいは通常戦力の劣勢を補うため核打撃を行うNATOを,足元から政治的に揺るがすよう
考えていたようです.

 繰り返しますが,ソ連が想定していた先制核打撃は,「それが政治的に有利な場合」以外ありえません.
それが「純粋に軍事的には有利」であっても,「政治的に考慮すべきリスク」を上回るのでは,それを
諦める理性を持っていたのがソ連軍でした.

 そしてNATOは,通常戦力のみでソ連を脅かす能力を保有していたことはありませんでした.つまり
「ソ連による先制核打撃」への懸念は,当時の内部文書を調べることができる今となっては,NATO側の
プロパガンダに近いものだったと言えるかもしれません.
219 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/06/29(月) 18:51:14 ID:???
あいかわらずEMがアホに巻き込まれてますが,なんとかレス

>139
なるほど,納得しました.

>ソ連が想定していた先制核打撃は,「それが政治的に有利な場合」以外ありえません.

はい,それは承知しております.

>そしてNATOは,通常戦力のみでソ連を脅かす能力を保有していたことはありませんでした.

ただ,結局は当時の「ソ連」がどうとっていたかであり,
繰り返し,NATO/米の過剰軍備を非難していたソ連としては,
我々は,微塵も優勢など思っていませんでしたが,ソ連は脅威を感じてたという事なのでしょう.

つまりNATOもWTOも同じく壁の向こうの相手に幻想を持っていたのではないでしょうか?

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2米英の機甲の理論って,「一発喰らったらヤーボ出動!!」という印象が・・・

 【回答】
 そんな事はありません.
 ぜひ一度,ちゃんと勉強しましょう.

 WW2における米軍のA/B/R戦闘団を編成する所や,直協を独立戦車大隊や独立戦車駆逐大隊にする所,そして独立機甲騎兵群とか,実は現代に通じる理論があったりします.

 ペントミック/ROAD/ディビジョン86構想なんかは,この辺りから知ってると,理解が早くなったりして(笑)

 そして,そこが理解できていると,Foce21構想を経て現在の米軍編制にいたる過程というものも,理解しやすくなります.

 ちなみにヤーボは最期の切り札ですが,まあ,米軍はそれを何枚も持ってるだけです.

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/06/25(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 警察のことを専門に取り扱ってる雑誌って何がありますかね?

 【回答】
 『警察時報』もあるが,立花書房の『警察公論』もあるよ.
 どっちもいわば業界紙だから,実務的過ぎるが.

 同じく立花書房の『治安フォーラム』は,「日本と世界の治安」的で,もう少し啓蒙的.
 やぼったい記事レイアウトが『軍事研究』と被って,なんか親近感.

 もう一冊出てる『警察学論集』は,警察大学校が編集だから論文調だけど,これはこれでテロ対策の論文とかも多くてはまると面白い.

 ホームページで目次見れば三者の雰囲気はわかるかも.
http://www.tachibanashobo.co.jp/blog/index.html

 写真誌なら『ポリスマガジン』もあるよ.
http://www.polimaga.com/

軍事板,2009/06/26(金)
青文字:加筆改修部分


 【追記】
144 :名無し三等兵 :2009/06/27(土) 04:30:31 ID:???
>>137
大抵の軍ヲタはそれでも脳内分析の半分程度しか日本の悪口言っていないんだよな.
ヲタ度が上がれば上がるほど母国が可愛くなるから.

持てる知識と脳細胞本気で稼働したらもう救いようがない位辛辣な評価しか下せなくなる.
それ位どうしょうもないんだけど仕方ない.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 サバイバル,南極冒険ものを色々読むうちに,
『私は魔境に生きた』
『十七歳の硫黄島』
『先任将校』
『奇跡の雷撃隊』
を読み,感動しました.
 このような大東亜戦争の地獄を描いた本は,他にないでしょうか?
 地獄の体験,生還記が読みたいのですが,教えて下さい.

 【回答】
 日本軍の,たいていの従軍手記がそうだと思うんだが…….

 翼をもがれて,地上で苦労した話が読みたければ,
「修羅の翼」
「彩雲のかなたに」
「青春天山雷撃隊」
「彗星爆撃隊」
とかが面白いかもね.

 入手難だけど,大野景範「彗星爆撃隊」は,彗星に乗って活躍するのはあっという間に終わって ,あとはずっと玉砕の島をウロウロする話だから,搭乗員右往左往戦記に興味がある人にはたまらないと思う.
 最後はちゃんと救いがあって,読み物としても優れている.

 陸モノは,ニューギニアとソ連抑留ものが双璧,
 それにインパール後のビルマ敗走とフィリピン決戦が続く.

 日本軍物は色々な意味で,涙無しに読めないよな.
 胸が痛くなったり視界が赤くなったり,頭痛・吐き気をこらえながら読まなきゃいけないから,余り一度に読むのは辛いな.

167 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 00:15:40 ID:???

 箸休めに小林よしのりを読むと,とてもお気楽な気分になれるぞ.
 もっともそのあとで,別の心配が出てくるけど.


168 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 01:01:44 ID:???

 気休めマンガなら「のらくろ」だろ.


169 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 01:49:42 ID:???

 その手のヤツでの箸休めなら,「Gパン主計」だろうjk


170 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 02:19:31 ID:???

 「Gパン主計」はやたら呑気な雰囲気で,他の戦記と別世界のようにおもえるわ.


171 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 04:52:06 ID:???

 日本軍で生き残った人間は連合軍基準だと,大抵それだけで1本の映画になりそうなサバイバルしてるよなぁ.
 特に南洋やビルマあたりの連中は,「どうすりゃその状態から生還できたんだ?」ってケースが多い.

 連合軍だと補給が無くなって風土病にやられ始めたら,十分ドラマになるけど,日本軍はそこからスタートって感じだな(笑)


174 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 09:32:51 ID:???
>>171
 問題はどうやってもベットシーンが挿入出来ない事だな.
 あと俳優陣が死ぬ覚悟でダイエットしなきゃいけないし.
 ハリウッドの壁は高いぜ.


175 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/28(日) 11:44:37 ID:???

 それでもクリスチャン・ベールなら,クリスチャン・ベールならやってくれる.
http://djmasato.exblog.jp/11242741/


180 :名無し三等兵 :2009/06/28(日) 16:55:46 ID:???
>>174
 サイパンで終戦まで部隊作ってゲリラ戦やってた戦う衛生兵の大場大尉を題材にして,アメリカ人の作家が書いた「タッポーチョ」という小説があるが,これにはちゃんとベッドシーン入ってたな(笑)
 民間人収容所に情報収集に潜入した時に,かくまってくれたお姉さんと.

軍事板,2009/06/27(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現代の戦闘機の戦術等,ACMから電子戦まで紹介されてる書籍で,おすすめの本はないですか?
 とりあえず,「スミソニアン 現代の航空戦」の購入を考えているのですが.

 【回答】
 詳しいものは初心者には難しく,初心者向けのものは物足りない….
 初心者なら『徹底図解 戦闘機のしくみ』(新星出版社)や,萌えでも大丈夫なら『萌えよ! 空戦学校』(イカロス出版)とか.
 アレなところだと『ジャンボ・ジェット機の飛ばし方』(同文書院)とか(笑)

 多少慣れたら『スミソニアン 現代の航空戦』の他にも,
『軍事学入門』(かや書房)とか
『エアー・コンバット ベトナム従軍パイロットの記録』(原書房)
とかお勧めかなー.

名無し猫又友の会 ◆d/Ss304xco in 軍事板,2009/06/27(土)
青文字:加筆改修部分



190 :名無し三等兵 :2009/06/28(日) 19:38:59 ID:???

『最後の特派員』衣奈多喜男著

古本屋で朝日ソノラマ2冊ゲット
衣奈多喜男って誰かと思ったら,朝日ソノラマの社長やってたのね
しかしこの人凄い体験してるなw
ローマではムッソリーニの失脚
中部イタリアではドイツのPKと行動を共にし
ノルマンディーでは前線に向かうティーガーやパンターとすれ違い
ベルリンから終戦前のスウェーデンへ
こんな体験した日本人他にもいるのかな?

軍事板,
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210 :名無し三等兵 :2009/06/29(月) 07:05:13 ID:???
マガジンハウス刊「エロイカより愛をこめての創りかた」文庫版
いや面白かった.青池先生は一流の文筆家でもあったということか.

まあ軍事板どころか,漫画板というか一般書籍板の話題だけど
青池先生の実家って,一般教養溢れる土建屋だったのね.
だから筋骨隆々の男たちの,奥深さがあそこまで描写されるのかぁ.

長期連載をこなす実力作家の教養とは何か感心した一冊でした.

そうだよなぁ,昔は詩吟や日本画や谷崎潤一郎全集やカルーソのSP盤が
土建屋社長の奥座敷に並んでいたんだよな・・・.

ルネサンス的人格というより,いまの日本人がおれもふくめて
分業化,偏頗な知識をもつようになったんだと痛感した

軍事板,
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 【追記】

225 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/29(月) 22:42:47 ID:???
1936年以降軍事費の増大で,ドイツの行動は他国の財と資源と
工場と兵器を奪う略奪に移行していく.

そもそもドイツの立ち直り自体がナチのプロパガンダだった可能性もあるな.
そう言う風に見せたと. 政権奪取が1933年所が1936年にはもう経済が傾いているし
あのフォルクスワーゲンを買った市民は殆ど居ないことも分かっている
226 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/29(月) 22:45:42 ID:???
単純言えば,1933年にはもう経済の立ち直りかけており
別段ヒトラーが出てこなくても問題はなかった.
むしろその立ち直った経済で,軍備増強を始めたヒトラー自体が
立ち直りつつあったドイツ経済を破壊したとも言える.

シュペアーの改革では,企業の寡占化が進んだ.
税金はアホみたいに高くなり,市場は統制され,
闇市場が盛んになった. こんな所ですか

245 :名無し三等兵 :2009/07/01(水) 11:31:30 ID:???
>>225
ヒトラーの公約の中には,ワイマール時代に計画されていたものも多い.
たとえばアウトバーンなんかもそう.
賠償金漬けだったドイツを建て直したというのも,
一方的に支払いを打ち切るという恫喝外交の成果で,
経済政策のそれとは違う.
ヒトラーの提唱した国家社会主義は,企業の合併・グループ化を押し進め,
ドイツのあらゆる企業を巨大なピラミッド構造に収容しようというもの.
最後に頂点に立つ会社を国有化すれば,それ以下の会社もすべて国有と同じ意味になり,
労働者は失業の心配がなくなるというのがセールスポイントだった.
なんだかペテンのような気がするのは,わたしの頭が悪いせいに違いない.

軍事板,
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やっとこさ350円で入手した「出撃!魔女飛行隊」読了.
戦闘記録を追っていくというより証言ベースのエピソードを連ねてある形で
読みやすく面白い.どこまでプロパガンダ要素が入っているのか判断でき
ないが取りあえずは面白いし萌(ry.
女性ならではというエピソードもよいがソ連爆撃機部隊の戦記としても読める.
敵戦線の後方に降りてしまう話だとか戦友の死だとかWW2航空機モノの基本的
なお話は大体含まれている感じ.

あとこまけぇことを気にする人は読めないかも

軍事板,
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246 :240 :2009/07/01(水) 12:36:19 ID:???
一応スレ趣旨に従い,
パラ見程度しかしてないがあえて昨日の購入品の寸評をw

>・イズビー「ソ連地上軍」
まぁ一言で言ってしまえば,良くも悪くも「冷戦当時の本」だわな.
そのため第7章以下の兵器解説の内容が,
今日の視点から見て陳腐化してることは否めない.

あまつさえ訳にも問題が有る.第15章のAKの解説の項で,
それ以前の小銃として出てくるのが「ムワジン・ヌーガン」.
まぁ「Moisin-Nugant」と綴る例も有るようだし
(ttp://www.wilnat.com/mcclurepp.htm#nogo)
それを無理やりフランス語(つかワロン語)っぽく読めば
そうも読めるかも知れんが,にしてもこれは無かろうよw

で,その解説の内容たるや,冒頭で「ディスインフォメーションや
偏見に惑わされない」事の大切さをといているにも拘らず,
同じくAKの解説では今だに「AKはMP43/44を模倣」とか書いてある.
まぁアングロサクソンらしい予断と偏見っちゃーそれまでだが,
これだと本書のキモである第6章までの戦略や戦術・ドクトリンの解説に
その種の偏見の反映が含まれている可能性を否定できない気がするのだが…

結局この頃のソ連軍の戦術面での実相は,グラスノスチ以降出てるであろう
各種ПУ(野戦教範)の訳や解説を待つしかないのかも.
「詳解独ソ戦」でグランツが触れている所を見ると,
少なくとも'50年代位のは西側関係者も閲覧可能なようだし,
あるいは自衛隊の内部研究資料や,米軍辺りの類似の資料は既に有るのかも.
ただ件の「ムワジン・ヌーガン」の訳者経歴を見たら
現役(当時)自衛官だった…Orz 大丈夫か自衛隊?w

257 :名無し三等兵 :2009/07/01(水) 18:20:24 ID:???
>>246
>・イズビー「ソ連地上軍」
まぁ一言で言ってしまえば,良くも悪くも「冷戦当時の本」だわな.
そのため第7章以下の兵器解説の内容が,
今日の視点から見て陳腐化してることは否めない.

ソ連崩壊後に明らかになった情報を加えた本が出ないかな?
過去の軍隊の話で時事性・話題性はないだろうから出にくいだろうけど.

軍事板,
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247 :240 :2009/07/01(水) 12:49:24 ID:???
(>>246続き)
>・クレヴェルト「補給戦」
正直「補給通史」的なモノを期待してたが意外とスポット的な考察だった.
まぁ入門編としてはこれでよいのかも知れん.

>・陸軍省兵務課編纂「教練教科書 学科之部」(S18年版)
正直日本軍は門外漢なんだが,まぁ入門編ということで購入
「教科書」という性格とはいえ教育勅語に始まり軍人勅諭,
更には対米開戦の詔勅と軍人に与えた詔,
果ては戦陣訓が巻頭に掲げられてるのは流石時局を反映してるといえよう.
内容も軍の階級や諸兵科解説,地図の読み方など基本知識に始まり
日清日露,満州,支那事変の戦況図付の解説など極めて懇切丁寧.
3500円という値段からすれば随分お得感の有る内容だw

>・偕行社刊 軍歌「雄叫」(H15年版)
>>241氏の羨望のまなざしが痛いがw
入って右奥の教範関係の棚に半年以上棚晒しになってた代物で,
値段も1,500円お求め易いw
で,おなじみ各種軍歌・部隊歌に始まり,左遷を悲しむ内容や
果ては営倉入りを悔やむ内容の歌まで有るのには正直ワロタ
まぁ有る一定の年代には色んな意味で青春の思い出なのだから
そういう生活感が出てくるのは当然っつやぁ当然だろうがw
逆に言えば,そういう生活感溢れる戯れ歌の類まで資料が残っているのが
「自国の軍隊」を研究する強みなのかもしれない.

と言う訳で長文・連投失礼w

軍事板,
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 【質問】
 偏見かもしれんが,元自衛官の翻訳はおおむね当てにならないような気がするのですが?
 出版社も経歴だけで翻訳を任せるなよ.

 【回答】
 それは「トム・クランシーの海兵隊」のことかー !

 翻訳関係はインターネット普及以前と以後で,事情が著しく異なります.
 事典をネットで拾え,かつウィキペディアという百科事典があり,各種公開情報や新聞データベースを無料で閲覧できる今では,単語レベルでの訳語選択は極めて楽になりました.
 また,原文の背景調査などもネット上で詳しいサイト,きちんとした権威あるサイトを知っておけば段違いにはかどります.

 一方でネットが普及したことで,家庭翻訳者やSOHOなどが翻訳界に出現し,翻訳用ソフトの導入で,原文の文脈や背景を知らなくても一応,単語レベルでは適切に日本語化できる能力のある人や企業が増えましたが.

 ネット上のエントリで,良訳を無料で閲覧できるとなると,読み手はそれを基準に考えますから,良訳できる人以外の二番手にとっては,きつい世の中になったとも言えます.

 そして,軍事の専門家が翻訳スキルもちとは限りませんから.
 訳語選択が正確になれば,そりゃプロ翻訳者の訳文のほうが読みやすいでしょう.
 翻訳英文法とか読むと,なかなか難しいようです.

 ちなみに,「誤訳の多い軍事用語」でぐぐると,出てくるページがちょっとオモシロイ.

軍事板,2009/07/01(水)
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 【質問】
 WWU時のドイツの都市防空システムとか高射砲の活躍とか運用とかを知りたいのですが,手に入りやすくいい本はないでしょうか?
 学研M文庫「ドイツ空軍全史」と,光人社NF文庫「ドイツ軍の火砲」は読みました.

 【回答】
 「ドイツ夜間防空戦」(W・ヨーネン)に,防空システムの運用についての記述が,断片的ながらある.
 タイトルで分かるように,あくまで夜間戦闘機メインの話なので,おまいさんの役に立つかどうかは分からん.
 とりあえず書店で立ち読みしてみるといい.

 ちなみに,昔は朝日ソノラマから出てたが,今は光人社NF.

軍事板,2009/07/01(水)
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272 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/01(水) 23:30:01 ID:???
空母ミッドウェイ:アメリカ海軍下士官の航海記 読んだ

著者が日本人とのハーフのせいか,読みやすいねこれ
興味を引く見出しが多いし,実際興味深いエピソード満載で面白い
元乗員が直に語る空母勤務の辛さは格別だわw

機会があれば同じ著者のイン・ザ・ネイビーも読んでみたい




273 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/01(水) 23:43:02 ID:???
内容がそもそも面白いし,書き手がユーモアのセンスを忘れていないのが,
すごくいい味を出してると思う.

「イン・ザ・ネイビー」は,個人的には人事制度の話が面白かったかな.

軍事板,
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 【質問】
 何かお勧めの「補給入門」は有るかね?

 【回答】
 私見だけど「補給戦」は,少なくともいきなり包括的な内容を一気に詰め込むより,ツボを押さえた上でピンポイントなエピソード紹介にとどめる点で,むしろ初心者には理解しやすい.と感じたわけだけど…

 「山・動く」なんかどう?
 湾岸戦争時の米軍兵站担当将官の回想録.
 機甲部隊指揮官のそれである「熱砂の進軍」と併せて読むと,前線,後方それぞれの行動や思考と互いの関連性がよく分かる.

軍事板,2009/07/02(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 最近,騎兵に興味をもったんですが,近代の騎兵,特に日本とロシアの騎兵についての書籍があれば,教えていただきたい.

 【回答】
 騎兵戦術全般については学研の
・歴史群像別冊「戦略/戦術/兵器辞典3 ヨーロッパ近代編」がお勧め.

 ロシア騎兵関係は,和書の解説本はほぼ皆無といってよいが,WW1〜国内戦期を扱った小説で騎兵戦術について触れたものが多い.
(例)・ショーロホフ「静かなドン」
  ・オストロフスキー「鋼鉄はいかに鍛えられたか」

 日本の騎兵に関しては,佐久間亮三「日本騎兵史」原書房,1970年というのがある.
 いささか古い本だが,旧軍騎兵関係者作成のいわば公式史なのでまとまっている.
(逆に言うと公式史なので,美化しすぎな部分もちょっと感じられるが)
 比較的,図書館への収蔵が多いはず.
 類本で,萌黄会「日本騎兵八十年史」というのもあり,これも関係者編.

 あとは,グランドパワーの記事でWW2中心に特集したものがある.
 乗馬部隊については2002年ころ,機械化されたものについては2001年5月・6月.

 別冊歴史読本の「日本陸軍機械化部隊総覧」には,機械化の経過について約10ページの概説

軍事板,2009/07/02(木)
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 【質問】
 『撃墜王リヒトホーフェン』を手に入れて楽し読んでいますが,英仏側視点のものも読みたくなりました.
 WW1の空か陸もので,生活感やエピソードに富んだ,日本語の本は何かありませんか?

 【回答】
 自分が読んだ事ある中で該当しそうなのはこの辺り.
 詳細はそれぞれググってみてくれ.

・陸
「ガリポリ」(アラン・ムーアヘッド)
「戦場の一年」(エミリオ・ルッス)
「銃声のやんだ朝に」(ジェイムズ・リオーダン)
・空
「天翔けるバカ」(須賀しのぶ)
「ヴィンターの朝」(レン・デイトン)

 ちなみに「ヴィンターの朝」は「宣戦布告」所収の短編.
 あと,
「西部戦線異状なし」や
「さらば古きものよ」(ロバート・グレーヴズ)
・ソルジェニーツィン「一九一四年八月」
ダグラス・リーマン「栄光の海兵隊 紅の軍旗」
エルンスト・ユンガー「鋼鉄の嵐の中で」
『ドイツ戦歿学生の手紙』(ヴィットコップ編)
とか.

 「西部戦線異状なし」は生活感に溢れてるからいいと思う.
 飯の話,死体の話,円匙マジ最強な話などなど.

 『ドイツ戦歿学生の手紙』については,序文より.

――――――
 本書は,第一次世界大戦において戦歿した学生五十余名の手紙を抜萃し,戦死した日付順に配列したものである.
 明日しれぬ戦場にあって,文学や哲学に親しんだ学生達が,人間精神に関することに深く思いを寄せていたことは,悲壮な戦闘の記述に劣らず感動的であるばかりでなく,戦争の最も忠実な記録と言えよう.
――――――

軍事板,2009/07/02(木)
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318 :名無しの愉しみ :2009/07/03(金) 22:40:22 ID:???
たまには変わったものでも紹介しようかな.

「骨董金側懐中時計」小野稔
著者の入手した懐中時計の思い出を語る本なのだが,その人物がすごい.
マッカーサ元帥の参謀,名古屋に駐留した25師団の情報部付参謀ヴァンダプール中佐は
マニラ突入の時,日本人将校3人の腹切り場面に出くわし,必死になって止めさせようとして
ピストルを突きつけながら,結局見ていることしかできず,
日本進駐後,酒が入る事に「戦争よさようなら,ハラキリはやめろ」
と叫んで手当たり次第に物を投げ始めるとか.
終戦後,イギリスのパーシバル将軍は,士官学校卒業時に英国王室から下賜された時計を著者に贈り
本国の自宅でバイロンの詩集「シオンの虜囚」を読みながら,鬱々とした生涯を過ごしたとか.
最後のローマ人と呼ばれていたイタリアのオリンピック組織委員会長ボルゲーゼ氏は
戦勝国アメリカにベースボール用品を発注するのが気にいらず,日本にそれを求めて
「かつてイタリアと日本は同盟国でした.
私は付き合いのあるアメリカ人よりも,まだあったこともないあなたに通い合う心を感じるのです」
とかいって,正式に取引を結んだとか.

結構エピソードが面白い.

軍事板,
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332 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/04(土) 19:17:52 ID:???
石津氏の名著で学ぶ戦争論流し読みしてきた.
この手の物は,孫子とクラウセヴィツくらいしか紹介しないが,
これは一味違う.
リデルハートやマハンに毛沢東,ゲバラなど兵書の代表格を全て押さえている.
あと,原書を紹介してるのが好印象.
戦略,戦術入門に最適な一冊だと思う.

333 名前: 332 [sage] 投稿日: 2009/07/04(土) 19:35:11 ID:???
因みに日経ビジネス文庫から出てるのにビジネスのビの字もなかったりするw

軍事板,
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343 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/07/05(日) 03:59:07 ID:???
外征から帰還したら【機甲戦の理論と歴史】届いてた〜!

大きく概観した書籍ですが,第1章2「機甲戦序説」1〜4は機甲戦術を理解するに必須項目を
上手く纏めているので,非常に良いです.

ちなみに葛原先生はボードSLG好きの一面があるのは秘密です.


せっかくなので機甲系をもう一つ

【戦車と機甲戦】野木恵一(朝日ソノラマ)※文庫じゃないよ

戦車の発達を中心に,代表的な作戦を紹介.
1981の本ですが,著者がこの本を書いたきっかけは「戦車不要論に対する反論」というところが
非常に親近感をかんじたりなんかしたりしてww

さて,風邪薬飲んで寝よ.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


保留

 【質問】
 『詳解独ソ戦全史』(デビット,M,グランツ)を読んでいるんだけど,この本のデーターの精度は高いの?
 ノモンハン戦で赤軍が戦死8千負傷1万5千で合計2万3千名,日本軍が死傷・捕虜総計で6万1千名てあるんだけど.
 ・・・なんかコレ,酷使さんが暴れそうだな.

 【回答】
353 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 19:54:55 ID:???
ソ連側史料を使ったていうのがセールスポイントな本ですから
354 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/05(日) 20:23:54 ID:???
ソ連崩壊後にソ連側の正確なデーターは結構判明してきたが,60年前に崩壊した大日本帝国の方はいまだに所々
不正確なデーターしかない.出先が勝手に動くし,景気よく資料を燃やしちゃったし.
大和の設計図すらない.やりすぎだろ.
355 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/05(日) 21:49:52 ID:???
日本が6万も投入できねぇと思う.
356 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/05(日) 21:55:12 ID:???
>>354
資料に関してはとにかく
大日本帝国が"崩壊"したかどうかはまた議論の余地があるような
このスレでやるような話ではないけど
357 名前: 344 投稿日: 2009/07/05(日) 22:25:42 ID:mRARO97i
みんなありがと
さっそく全部注文するわ
358 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/05(日) 23:13:09 ID:???
>>352
詳解独ソ戦全史は使った史料や引用に関する部分には全部注が付いてて
元史料を辿れるようになってる.
だから,箇所によってはデータが古いところも有るけれど,全体としての信用度は高い.
各部それぞれで検証するのが良いと思うよ.
359 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 00:21:05 ID:???
>>352
>>353が言っている事の意味がおわかりか.
要は,戦果誇張にも程がある.
360 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 00:24:19 ID:???
都合が悪くて旧ソ連が未公開にしていた史料が多く使われてるんだけどな.
361 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 00:49:23 ID:???
日英露の三カ国語を駆使できる研究者なんてそういないからなぁ…
今後の研究にに期待しませう
362 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 00:57:35 ID:???
いや,ソ連側の損害ならともかく,日本側の損害は日本の資料の方が正確ですよ.
戦果は誇張できても,損害を隠す事は出来ませんから.
363 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 01:04:20 ID:???
いや,損害も隠せるから
軍の内部資料に公式発表と異なる真実が記されていても,
敗戦国ではその内部資料自体が失われてしまっていることがままある
364 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 02:09:25 ID:???
>>349
小川和久『日本の戦争力』新潮文庫(2009/3/28)
ttp://www.shinchosha.co.jp/book/137271/
ttp://www.amazon.co.jp/gp/product/4101372713
365 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 06:26:43 ID:???
ttp://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=mp_s_a_1/377-0279311-8248609?uid=NULLGWDOCOMO&qid=1246829069&a=0670021199&sr=1-1

「史上最大の作戦」や「彼らは来た」という名著があるからな……
どんな切り口で書いてくるのやら
366 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 08:32:21 ID:???
ソ連発表の日本軍損害と日本発表の日本軍損害,どちらが信頼できるかってことだな
どちらも過大に,あるいは過少に記録してるだろうから中間をとればいいとおもうよー
367 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 11:02:42 ID:???
自軍の損害報告がいい加減だったら
その後の戦力補充に支障きたすだろうに.
10機やられたのに1機だけの損害と報告して
1機分しか戦力補充してもらえなかったら困るのは誰になるのかと
368 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 11:21:16 ID:???
内部資料と発表は違うから.
369 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 11:26:34 ID:???
捕虜がゼロに近いことを考えると,日本軍の損害6万人はさすがにないと思うw.
ノモンハンに関しては動員記録がしっかり残ってるんで,日本側の数値は自軍に関しては
それなりに信頼できる.
>>354
大本営発表のいかがわしさに辟易するのは分かるけど,発表した値とは別にしっかり統計を
残しているから日本の記録が万事アテにならない訳じゃない.
特に人馬やモノの動員に関しては戦時下といえどもなあなあで済まないんで,正確な数値が
戦後まで残っている.この辺は地方史をやってる人ならよく分かるはず.
370 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 11:35:33 ID:???
マクシム・コローエツのノモンハン戦車戦だとソ連第一軍集団司令部集計で
日本軍損害52000〜55000名,戦死22000〜23000名
関東軍司令部集計で動員75736名,戦死8632名,負傷9087名

ソ連側被害は当時のジューコフの作戦結果報告書は戦死3279名,負傷15265名
「最新の資料」だとw戦死,行方不明,事後の死亡で9703名,負傷15952名
モンゴル人民革命軍は556名損失うち,165名戦死

この本は兵器の損害や鹵獲のリストは詳細なんだけどねえ…
371 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 12:20:36 ID:???
>>369
でも日本のノモンハン戦死者発表はあくまで公式発表だよ.
ソ連のは内部資料だけれど.靖国神社に
1万を超える戦死者リストが届いたって話もあるし(祀るのに必要だから)

日本側の内部資料も残ってるなら公開キボン
372 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 12:34:59 ID:???
定数2万人もない日本軍師団が,3個師団以上投入しないと損耗6万人にはなりませんて
ボロジノ会戦じゃあるまいし
373 名前: 371 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 12:52:30 ID:???
うん日本の損害6マンはおれも信じてないよ.
374 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 12:53:49 ID:???
>>372
おれもそう思った.
被害だから全滅だけで3個師団くらい居るよねぇ.
そんなに居たら日本軍でももっとましな戦いが出来たと思うんだが.
375 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/06(月) 20:12:07 ID:???
>>366
足して二で割ると結局は言ったもの勝ちになってしまう罠
我が国にも旧軍の愚かさの象徴としてノモンハンを欲する人がいるし

軍事板,2009/07/05(日)〜
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 NSDAPとヒトラーに対する,戦後ドイツ国内の評価の変遷を,知りたいんだけど.

 【回答】
50年代〜 まったり 「俺達がんばったよね」回顧録がボチボチ出てくる
60年代〜 アイヒマン裁判で風向きが一変,武装SSが叩かれ出す,国防軍も微妙に
80年代〜 ドイツ統一後,国防軍も叩かれ出す
90年代〜 国防軍の戦争犯罪展が開かれる
現代〜  いやー当時はろくなもんじゃないね (いまここ)

 60年代に浪花節で名誉回復を図り出したのがパウル・カレル.
 その後の現在定着しているドイツ軍神話はそこから始まった.

 近年のドイツ国防軍に対する”一般的な”評価を知りたければ,
グイド・クノップ『ヒトラーの戦士たち―6人の総帥』
とかお勧め.
 ロンメル,カイテル,マンシュタイン,パウルス,ウーデット,カナリスといった面々の,ナチズムに対する態度を検証した本.
 とはいえ,「ヒトラー暗殺事件に関与してない将校は,皆ナチスの潜在的な共犯者」とでもいいたげな筆致は,少々鼻につく.
 大学時代,西洋史の教授(専門は近代ドイツ史)に,
「正直どうなんですかねぇ?」
と話を振ったら,
「まあクノップはジャーナリズム畑の人だから…」
という,身も蓋もない返答が返ってきた覚えが.

 他には

ドイツにおけるナチ犯罪処罰と「罪の個人化」

公共の記憶をめぐる抗争

戦後ドイツにおける「過去の克服」と極右勢力

 あるいは,このゼミの丸山君の論文(卒論と大学紀要?)はどうかな?

 ついでに『自由からの逃走』も読んどくか?
 学生時代に読まされて辟易したもんだが・・・

軍事板,2009/07/07(火)
青文字:加筆改修部分



C 保留.コピペの可能性があるので調査.

 【質問】
 そりゃ,ナチス時代の軍人は犯罪者とか言ってる戦後のドイツ人に向けた本だからでは?

 【回答】
950 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 21:05:23 ID:???
>>387
映画「将軍たちの夜」で書いたコラムについての追記です.先日,ネットショッピングで原作本を入手しました.昭和42年早川書房刊.
映画化されたとき,ヴィルヘルム・タンツ中将は中盤からいきなり陸軍から親衛隊(SS)に転属になっています.勿論,何の説明も無し
に.が,原作では,転属もなく陸軍将官のままでした.同じく,ハンス−ヘルムート・キルスト原作「08/15」の映画版でも,悪役の
SS将校は,実は原作では陸軍将校であったりします.別の映画では,史実以上にヒロイズムが幅を利かせた「レマーゲン鉄橋」.主人公
のパウル・フォン・クルーガー陸軍少佐を濡れ衣の反逆罪で裁くのはSS将官ですが,史実では特設軍事法廷の判事はヒューブナーなる頭
のイカレた陸軍将官です.今日,歴史資料の解明により,ドイツでは,国防軍(陸・海・空軍の総称)は「綺麗な戦争を戦い」,悪逆非道だ
ったのは「ナチ」である,と言った一種の伝説も見直されているようです.敗戦後,多くの復員軍人を抱え,ドイツにも「良識があった」と
の考えに慰めを見出すためにも,伝統ある「国防軍」はドイツ人達の心の支えになったのかもしれません.が,伝統と栄光ある「国防軍」に
も,実は「悪逆非道」の徒はいたのです.ヴァルター・フォン・ライヒェナウ陸軍元帥はその戦略能力の高さからあまり悪い評判は立ってい
ませんが,国防軍を「ナチ」と迎合させた張本人です.フォン・ライヒェナウと同じく高い戦術能力を持ったヴァルター・モーデル陸軍元帥
は生粋の「ナチ主義者」でありました.「陸軍は皇帝派,海軍はキリスト派,空軍はナチ派」と言った色分けも一部ではありますが,事実は,
「ナチ共」はあらゆる組織に浸透していたのです.逆の場合もあります.テオドーア・アイケSS大将は強制収容所の看守部隊の親玉で,
戦時中は武装SS師団「トーテンコップフ(髑髏)」の司令官でした.強制収容所の劣悪で非道な環境や待遇は彼が考案したとも言われて
いますが,ロシア戦線で見事な部隊指揮を見せ,「ドイツ参謀本部の傑物」とまで言われたエーリッヒ・フォン・マンシュタイン陸軍元帥ですら,
「勇敢な軍人であった」と評しています.
951 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 21:06:04 ID:???
映画「将軍たちの夜」でも大きなウェイトを占める7月20日のヒトラー暗殺未遂事件に連座した罪で処刑されたアルトゥーア・ネーベ警察大将
(兼SS大将),独ソ開戦時には「アインザッツグルッペン(特別行動隊)」の指揮官としてロシアに赴きますが,「特別行動隊」の任務はユダ
ヤ人狩りとロシア知識階級の絶滅でした.また,実話を元にした映画「大脱走」で,脱走後に再び囚われた連合軍捕虜の処刑者リストを作成した
(国際条約違反であることは明らかですが)のも,このネーベ将軍であったと言われています.お解りでしょうか,軍務で勇敢な功績を立てれば,
或いはその他の行為で過去の罪の「御祓」を行えば,過去にどのような行為を行って,どのような危険思想に染まっていようとも,その人物は高く
評価されているのです.言い換えれば,軍務による功績によって彼らの犯した罪が「隠滅」されているのです.おそらく,この風潮は戦後の一時期に
著名なドイツ軍人達が氾濫させた「回顧録」の影響によるものでしょうか.当然,戦友であった「身内を庇う」ため,回顧録を書いた人間が故意に
事実を隠している場合もあります.作中,この手の「回顧録」を書くのは,ヘルベルト・フォン・ザイトリッツ−ガプラー大将です.作者キルスト
は,空軍の下級将校でありました.彼は,著名な「将軍たち」と違った低い目線から作品を描いています.あくまで,軍隊という機構の持つ「非情性」
と「残忍性」をえぐり出し,同時に上層部(「将軍たち」)の「愚劣さ」を浮き彫りにさせるのです.
952 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 21:06:57 ID:???
「国防軍の栄光」のみならず,「軍務に服した者の栄光」を堅持したい戦後の「将軍たち」,しかしキルストの作品は,それは「虚飾」であって事実は,
戦争によって異常性を発揮する人間は何処にでもいる,「軍隊機構」によって異常性を発揮する人間がいる,そもそも戦争自体が異常である,と実感させ
るのです.だから彼は,「将軍たち」と違って国防軍の軍人が興味本位で街一個を平然と破壊できる様を描くのです.映画ではやはり,ヴィジュアル的に
も髑髏に鉤十時マークを付けた「極悪な」親衛隊員が悪役である方が面白いし,そういった演出にもなるのでしょうが,それでは本当の戦争の「無意味さ
」や「異常性」を描くには至りません.自らの中に異常の芽が育っていった事実を暴露することこそ,真に「異常性」を告発する重要な要素なのです.

軍事板,2009/07/28(火)
青文字:加筆改修部分


412 :名無し三等兵 :2009/07/08(水) 14:22:56 ID:???
大谷敬二郎ではないけど,憲兵繋がりで『憲兵物語-ある憲兵の見た昭和の戦争』もかなりの良著.
憲兵視点から見た大陸での諜報活動や当時の中国人との関係とか
一般的に見られている憲兵の悪いイメージが生まれた原因(質の悪い人員を押し付けられた経緯)等読み応えがある.
文章も上手いので読み物としてもかなり面白いよ.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 Uボートの良書ない?
 『デーニッツと「灰色狼」』見て嵌った.

 【回答】
「鉄の棺 Uボート死闘の記録」(ヘルベルト・ヴェルナー)
 大西洋で何度も死地をくぐって生き延びた艦長の手記.

「Uボートエース 異色の撃沈王その生涯と死闘の記録」(ジョーダン・ヴォース)
 複雑な人間でもあったUボートエース,ヴォルフガング・リュートの生涯を丹念に追ったもの.

 「鉄の棺」で興味深かったのは,敗戦後に連合軍に尋問された際の,
「おめー,ナチだから潜水艦の艦長になれたんだろ.ほれ,はよゲロせいや」
っつー記述.
 今も昔も,ナチに対する考えが変わってないってのがよーわかる.

 あとは未読だが,プリーンやクレーマーの手記,クレッチマーの伝記なんかもある.
 小説だが映画も有名になった「Uボート」とか.

 映画なら「眼下の敵」もいい.
 ついでにちょっと毛色は違うが「シャドウ・ダイバー」(ロバート・カーソン)もお薦め.

軍事板,2009/07/09(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 フランスの核戦略って,どの書籍をあたればいい?
 おそらく調査不足なんだろうと思うが,高坂センセの『多極化時代の戦略』下巻(日本国際経済研究所,1982)で,一章を割いてあるのしか見たことがない.

 【回答】
 残念ながら日本語に翻訳された,これはというフランスの理論書はない.
 結局は英語経由の方がよいかもしれない.
 原書になるけど代表的なのとか

 理論家や政治家;

 de Gaulle は当然として
Mendes France の回想録

Leo Hamon
Leo Hamon. La Strategie contre la guerre Preface du general Charles Ailleret

Pierre Marie Gallois
 Strategie de l'age nucleaire

Andre Beaufre
 Strategie de l'action
 Dissuasion et strategie
 Introduction a la strategie

 最近のもの

Bruno Tertrais
 La France et la dissuasion nucleaire Concepts, moyens, avenir

Aurelia Bortolin
 Risques, menaces et dissuasion nucleaire francaise

 たくさんあるけど,取っ掛かりはここらかな.

軍事板,2009/07/10(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『秘めたる空戦』ってノンフィクションなのかフィクションなのか…
 部隊名はいろいろ戦後不味いから隠しているのはいいとして,三式戦闘機の無線があんなに聞こえるって話は聞いたことが無い.
 本土で空対空でかろうじてって話だが.

 【回答】
 戦記小説の一つだよ.
 豊田譲氏辺りになると実在人物と史実と脚色が混ざるので,どこまでが真実なのか判別に困るが,『秘めたる空戦』は200%仮想戦記と思っていいかと.
 だって読んでて爽快で面白いじゃん.
 同じニューギニアの飛燕物でも,「7%の運命」読んだら面白い所なんてないぞ(笑)

 それにしても,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BE%E7%80%AC%E5%8B%9D%E5%BD%AC
元海軍機乗りの小説家が,なぜ飛燕の空戦記を書こうとしたのかが不思議.
 零戦なら話も作りやすかろうが・・・

 陸と海って,作法や習慣が全然違うんで,書きづらいと思うんだけどね.
 同じ海軍だといろんなしがらみがあったりして書きづらいとか?
 海軍物も何冊か書いてはいるが…….

軍事板,2009/07/15(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
第2次大戦中のソ連の軍装について詳しい本っ何かありますか?
できれば手に入りやすい本だと有難いです.
よろしくお願いします

 【回答】
537 :名無し三等兵 :2009/07/16(木) 16:09:14 ID:???
>>536
詳しいってほどの内容じゃないけど

第二次大戦各国軍装ガイド
図解・ソ連戦車軍団

548 :名無し三等兵 :2009/07/17(金) 10:36:35 ID:???
>>536
正直言って,どこの国でも「軍装」というジャンルは兵器研究に比べ
一部マニアを除きあまり突っ込んだ研究がされない傾向が有る
(NATOや米英軍の部内資料も
「敵味方と階級兵科の識別が出来れば良い」レベルで,
ディティールは結構適当)のと,
当のソ連がグラスノスチ以前は情報公開に余り積極的でなかった事も有り,
和書や西側諸国の洋書は資料性の点であまり期待できない.
>>537氏の挙げた2冊も,
前者は勲章の綬の色や説明文に誤りが見受けられるし
後者もやや適当すぎる嫌いが有る.

従って比較的入手容易な英語本でほぼ唯一資料としての使用に耐えうるのは
英osprey社Men-at-Armsシリーズの
”The Red Army of the Great Patriotic War 1941-45”
http://www.amazon.co.jp/Army-Great-Patriotic-1941-45-Men-at-Arms/dp/0850459397
位なもんだろう.

あと和書で強いて上げるなら,学研歴史群像シリーズの
「ソヴィエト赤軍興亡史」が,上掲osprey本の一部翻訳と
勲章のリストを掲載してるのでお勧め.

549 :名無し三等兵 :2009/07/17(金) 10:37:26 ID:???
>>548続き
また,露和辞典買って訳す根性が有るなら,こんなサイトもある.
(WW2ソ連各軍の実物軍装を着用写真で紹介)
http://rkka.ru/iuniform.htm
(露国公立アルヒーフ共催 大祖国戦争戦勝記念写真集サイト)
http://victory.rusarchives.ru/index.php
(※写真は”каталог”をクリックし,
 各作戦・テーマ名をクリックするとサムネが出てくる)
(ロシア造幣局のソ連勲章サイト)
http://mondvor.narod.ru/
(20世紀における帝政ロシア-ソ連,帝政ドイツ,墺洪二重帝国,
西独,米の軍装解説サイト)
http://army.armor.kiev.ua/forma/index.shtml

550 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:18:30 ID:???
軍装ってなると軍事オンリーな研究や趣味とはちょっと毛色が違ってくるからなぁ.
似たような傾向は食事や飲料に旗やペナントなんかもそうかもしれない.
551 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:37:19 ID:???
世間のイメージでは軍ヲタというと軍服着てファッショ敬礼して喜んでる感じだろうけど,
あれは軍装ヲタで,軍事ヲタとは重なるけど,別物だよな.
552 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:41:51 ID:???
>>551
そうそう
あくまで軍事ヲタの独善的視点からだと(軍事系のでも)プラモヲタとか
ミリタリーコスヲタとかは実際の戦史・兵器とかにはあまり興味持ってないのが多くてがっかりする・・・
欧米だと軍事プラモヲタのグループで実在兵器の保存会とか結成してるというだけに・・・
553 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:50:48 ID:???
>>552
オスプレイのMan at armsシリーズなんかは,軍装+背景で深みがあるよね.
まあ,こういう批評をしてる自称軍ヲタは,
軍装とかの人から見れば,お前は軍事ヲタじゃなくて戦史ヲタにすぎないとなるのかもしれんが.
ただ,兵器・戦史・編制・戦術あたりは相互に親和性が高い気がする中で,やはり軍装は浮いてる.
554 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:53:51 ID:???
特殊なファッションとして楽しんでるだけじゃないかな
登山しない奴がアウトドア用品をファッションで使ってるのと同じ
555 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 17:58:42 ID:???
スレチだが,ボードウォーゲーマーで戦史にほとんど興味が無い香具師がいて驚愕したことがある.

556 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2009/07/17(金) 18:00:25 ID:Oo7Yx3fI
軍装もいろいろでは? あれがカッコいいこれが好きだ系は軍装オタという
より軍装フェチ系だけれども,たとえば肋骨服からカーキへの変化などは
兵器・戦史・編制・戦術あたりは相互に親和性が高いように思う.

・・・誰か,V.A.D.のWW1時の在仏の救急車運転手の制服の詳細って
ご存じない?

557 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 18:03:25 ID:???
軍装って歴史的背景をみれば,戦術や経済的事情,あるい政治も絡んでくれけど
日本の場合はポッカリ浮いちゃってるんだよなぁ.
総じていえば,軍装コスプレやサバゲーなんかもそう.
これらはあくまでもレクリエーションの一種であって,
歴史的,政治・経済的,社会・文化的背景から体系的に考察したってのが中々ないんだよね.
558 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 18:04:06 ID:???
イラク戦争の初期から現在までの米兵の装備の変遷はかなり面白い.
559 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 18:49:50 ID:???
>>551
それもレッテル貼りだな軍装ヲタ=着装派ってのは意義あり

561 :548-549 :2009/07/17(金) 19:11:26 ID:???
>>552
>>553
>>557
一応軍装ヲタとして反論させてもらうと,
>>557の言う様に本来,軍装のデザインには歴史的・地理的・政治的
更に軍事的背景がある訳で,
特にソ連・ロシアに限らず欧州各国の軍服のデザインには,
ナポレオン時代以降の軍事思想やドクトリン,更には部隊編制の変遷が,
細部に致るまで少なからぬ影響を与えてる訳よ.

例えばWW2のソ連の戦闘服は頭から被って着るタイプだが,
これはその基本形ができた1850年代頃に,歩兵戦術がそれまでの戦列戦から,
散兵戦術に代わった事に伴い,ほふく前進を容易にするためのデザインで,
その後フルシチョフ時代に核万能論が幅利かした結果,
火が点いても容易に脱げる様に'69年以降前開き式に替わる,といった具合に.

ところが日本の軍装研究って,日本での近代軍装の歴史自体が浅いのと,
プラモのジオラマフィギュアの考証資料としてしか「軍装」を捉えない向きが多過ぎて,
WW2以降の軍服のデザインの形態学的差異を盛んに論う割に,
その背景への考察には中々頭を向けない.
で,そういう土壌で育ったマニアも,結局は「コスプレ衣装」としてしか,
軍装を捉えないのが多く,おまけに最近の若年層の「右傾」に伴い,
思想の発露として軍服着る様な輩も増える訳だ.

562 :548-549 :2009/07/17(金) 19:13:28 ID:???
>>561続き.
あと兵器のスペックの様に明確な比較の指標がない事が災いし,
また,"de jure"としての服装規定と,
"de facto"としての個々の「着用例」の不一致も有り得る事から,
えてして研究者個々人の思い入れが入りやすく,
のみならず上に上がった「軍服モノBL本」の場合の様に,
書き手の「妄想補整」や予断偏見も入る事が多いため,
考証的に噴飯物な代物も多い.てかBL本は殆ど資料的価値無し!w

だからこの国で外国軍装の研究をある程度本気でやるつもりなら,
基本的に資料の大半は洋書に依存せざるを得ないし,
最低でも・階級名・兵科名・色の名・服飾擁護位は,
英独二か国及び研究対象の国の言語を覚えておかないと立ち行かない.

と言う訳で,軍装もそれなりにのめり込むと深いし,知的労力もそこそこ必要なんです.
そこんとこ宜しくand長文+連投失礼w.

564 :名無し三等兵 :2009/07/17(金) 19:32:18 ID:???
>>561
>>562
軍服・軍装は専門外だが,あれは兵器の一種として考えると合理性を持った進化をしていて面白い.

つか,

》 考証的に噴飯物な代物も多い.てかBL本は殆ど資料的価値無し!w

友人がその手の本を何冊か書いてて何度か相談を受けたことがあるが,
書いてる本人も「ドリームだ」と言い切ってるw

572 :名無し三等兵 :2009/07/17(金) 21:19:03 ID:???
この一連のやり取りのおかげで,
何年か前にアキバ行った時に,
帝国海軍少尉の礼装を着たご老人と帝国陸軍中尉の礼装を着たご老人が
ご歓談しておられるのを目撃したことを思い出した.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


602 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/07/18(土) 23:57:23 ID:???
>588
>朝鮮戦争
>マシュウ・B・リッジウェイ著 熊谷正巳・秦恒彦:共訳,恒文社,1977年,1

これはもってます.
朝鮮戦争の通史を期待すると×
やはりリッジウェイ交代前後の政治と軍(つまりマッカーサー)とのやり取りなどが詳しいです.
(まあ当事者ですし・・・)あとは交代後の戦線膠着後の戦闘と休戦協定に向けての話が中心.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 トーランドの『朝鮮戦争』は通史として読めますか?

 【回答】
 上巻のみ保有.
 内容からして概観通史として,かなりいけます.
 ただ,トーランドらしく,全体像を描きながら個々の個人エピソードも組み込まれてます.

 しかし作戦や戦術解説は期待しないよいうに,
 そちらは原書房「陸戦史集」シリーズをお勧め.

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/07/19(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『最期の100日』とは如何様なのもなのでありますか?

 【回答】
 WW2欧州戦線の最期の100日を個人単位のエピソードと全体の流れを絡めつつ,英米連合軍,独軍,ソ連軍から立体的に描く作品です.
 ハヤカワ文庫から上下巻で出ていました.

 ちなみに下記がハヤカワ文庫の西部戦線黄金コンボ(笑)
「グリーンビーチ」→「史上最大の作戦」→「遥かなる橋」→「バルジ大作戦」→「最期の100日」

 東部戦線は下記(笑)
「燃える東部戦線」→「攻防900日」→「ヒトラー最期の戦闘」

 ハヤカワ東部戦線,薄いなぁ…
 欧州海戦は海上,海中ともに充実してるのに…

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/07/19(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 「坂の上の雲」っていう,誰が見ても小説だとわかるものを,「事実と違う」とか批判している人もいる.
 名前を出すのは他の人に任せるが(笑)
 「この物語はフィクションです」と入ってないと分からないものなんだろうか?

 【回答】
 司馬遼太郎は,普通一般の人が,なんかあれを読んでわかった気分になって歴史を語っちゃうからね(笑)
 そういう人結構いるでしょ(笑)
 本人もそのつもりでわざとやってる部分多いからな.
 だからその意味では批判され続ける必要があるの.
 ただし,そういうイタい人は,そんな中途半端な批判書なんて読まないから無駄ではあるんだが(笑)
 結局,ある種の便乗商法になるだけなんだよな(笑)

 また,司馬遼太郎はあまりに偶像視されすぎちゃってるからなぁ,日本の歴史系文壇じゃ.
 「薄く広く死角なく」があの人の作品の基本だから,それが全てだと思われるとちょっと困る.

 ちなみに吉村昭氏は,歴史系文学を「記録文学」と「歴史文学」に分けていて,記録を元に創作の入る余地が無いものを「記録文学」,創作されたものを「歴史文学」に分けていた.
 もっとも,事象の取捨選択,文筆作業が創作と言われれば,その通りとも書かれていたが.

軍事板,2009/07/19(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】


 【回答】
635 :名無し三等兵 :2009/07/19(日) 10:00:29 ID:???
軍事評論家協会の朴キョンソク会長(予備 役陸軍准将)は,「白将軍は国軍の長老将軍であり
国家に寄与したところが大きいが,名誉元帥推戴は一顧の価値も無い」と語った.朴会長は,
「日本の傀儡国家・満洲国の陸軍中尉出身である白将軍を名誉元帥に推戴することは国軍の
建軍理念を毀損する.国軍の脈を満洲軍に置いたら後日,抗日闘争勢力が主力であった北朝
鮮人民軍が伝統性で優位を占めるかもしれない」 と述べた.

朴会長はまた,「北朝鮮人民軍の南侵時,開城と38度線を警戒する第一師団長だった白善Y
将軍は,春川戦線での第六師団の善戦にもかかわらずまともに応戦も出来ずにほとんど全ての
装備を捨てて敗走し,ソウル早期陥落の原因を提供した」として,「朝鮮戦争の英雄」という評価
にも意見を異にした.

638 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 10:39:17 ID:???
>>635 の出典が何なのかはよう分からんが,白将軍は政治史的な文脈で考えれば,
「軍の中で実権を握れず,主流派になれなかった人」なんだよねぇ……
回顧録だって何故かみんな称揚するばかりで,公刊戦史や他の史料と付き合わせて
史料批判してる日本人はほとんどいないし.

正直みんな白将軍に甘すぎだと思う.
639 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 10:42:31 ID:???
>635 ググるとソースがすぐみつかった
ttp://www.hani.co.kr/arti/specialsection/newspickup_section/350134.html

645 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/19(日) 14:28:41 ID:???
>>633
ありゃ殆ど無理矢理引っ張ってきた素人の集まりだったから
それなりに有効な指揮統制法だと思う.

>>638
握ってなかったから完全にパージされてないのだろうけど,
本人にそもそもその気があったのかとかは気になる.
そういう生臭い部分の研究はもう少し時間が経たんと駄目だろうなぁ.
646 名前: 46式 [sage ] 投稿日: 2009/07/19(日) 14:48:06 ID:???
>白将軍は政治史的な文脈で考えれば,
>「軍の中で実権を握れず,主流派になれなかった人」なんだよねぇ……

政治にあまり深く関らなかったからこそ,
比較的自由に書籍を残すことができ,日本でも評価が高まったんではないかと.
政治的なつながりがあれば朴大統領の過去を暴露するなんてできないでしょうし.

参謀総長に何度か就任し,引退後は大使を歴任した人物に
「主流派ではない」,「政治に関わってない」と評価を下すのは違う気もしますがw
軍人として求められる政治的役割に(よくも悪くも)徹したといったところでしょうか.

664 :俄将軍 :2009/07/20(月) 14:11:33 ID:???
>>615 >>617 >>635 >>638 >>645-646
日韓関係,米韓関係の改善などを目的に,名誉元帥に祭り上げても,時,既に遅し,ということ
になるのか,などと,嘯いてみたり.

歴史的経緯から,韓国への譲歩,配慮などは,北朝鮮への譲歩,配慮と,同様に,百害あって一
利なし,というだけのことであり.

666 :俄将軍 :2009/07/20(月) 17:26:41 ID:???
>>664
>日韓関係,米韓関係の改善などを目的に,名誉元帥に祭り上げても,時,既に遅し,ということ
>になるのか,などと,嘯いてみたり.

>歴史的経緯から,韓国への譲歩,配慮などは,北朝鮮への譲歩,配慮と,同様に,百害あって一
>利なし,というだけのことであり.

韓国,北朝鮮など,特定在日外国人,特定帰化人の中の人の国籍を区別することに,実質的な意
味はなく,日本国と,朝鮮半島との関係の再構築は,日本国に忠誠を誓う帰化システム整備,
死刑を含むスパイ防止法に,「再入国不可を含む帰国事業」「厳格な帰化再審査」といっ
た,百万人以上の寿ぐべき母国への帰還など,人道的な「御一新」が,大前提,という
だけのことであり.

日本国との間に,領土領海問題を抱えた国家,国民の場合は,帰化,永住権などに,制限を設け
るべき,ということになるのか,などと,嘯いてみたり.

677 :俄将軍 :2009/07/21(火) 00:12:53 ID:???
>>667 >>676
韓国の民主化を検証する時代の到来,ということになるのか,金大中事件などの検証する時代
の到来,ということになるのか,などと,電波の発信など試みてみたり.

白善Yの中の人に,含むところなどなく,単に,韓国の国是としての反日,反日教育,民族の
アイデンティティ化した反日感情など,どうしようもない,というだけのことであり.

韓国の歴史は,韓国の初代大統領である李承晩の中の人により,どうしようもなくなった,と
いうことになると,米国の責任など,ということもあるのか,などと,電波の増幅など試み
てみたり.

667 :名無し三等兵 :2009/07/20(月) 18:13:27 ID:???
>>666
巣に帰れ

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 軍服・軍装を兵器の一種として見た場合の,その進化という観点からの良い本を教えてくください.
 洋書でよいので.

 【回答】
 正直,「これ1冊でOK」って本はない.
 というか軍装の場合,「何を知りたいか」によって必要な本の種類も変わる.
 と言う訳で以下「軍装研究入門と参考書籍集」ということで(笑)

(1)まず全体の形状や着用時の決まり事等を知りたいなら,服装規定に尽きる.
(例…戦後ソ連軍の各年代別服装規定集:
http://vedomstva-uniforma.ru/pravila.html

(2)原料や色の詳細を知りたいなら,sciffer military history booksシリーズの様な,現存実物の写真集がよい.
例:http://shopping.hobidas.com/shop/gunjisenshodo/item/3924000038.html

(3)戦場での実際の着用例については,戦マガ別冊や大日本絵画辺りから出てる,「戦場写真集」的なものでも良いだろう.

 ただし(1)〜(3)は,それぞれのジャンルで1冊になってる物が多い.
 理由だが,いずれのジャンルも意外と情報量が多いのだ.

(4)そこでosprey社Men-at-Armsシリーズの様な,「まとめ(てか”つかみ”)本」が必要だが,これはこれで穴も多い.
 また,年代別になっているので,有る程度長期スパンでまとめられるとしても,せいぜい第三帝国やソ連の全期間くらいが限界だから,前の体制の影響,あるいは他国の影響を知りたいなら,やはりその時代や国の本も含め複数の本を買うしかない.

 それでもとりあえず「欧米軍装概史入門」的な本をお求めなら
独NAUMANN & GOBEL社刊"1000 Uniformen "
http://www.amazon.co.jp/1000-Uniformen-Klaus-Ulrich-Keubke/dp/3625116294
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htmy/3625116294.html
のような本も有るが,細かい部分を見ると結構間違いも多い.

 法律や省令の様な形で明確に決められた(1)はまだしも,(2)〜(4)の場合,結局は監修者の主観や偏見,あるいは単純に勉強不足が反映されてしまう例も少なくないし,逆に(2)の場合は資材入手上の制限や各工場・生産時期のロット,(3)の場合は着用者の服の持ち合わせや工夫・好みにより,(1)と異なるケース,というのも得てして有るからだ.

 と言う訳で,軍装に関し資料を集める時の留意点をアドバイスすると,
(イ)「軍装に王道無し」:一冊の本を過信・盲信しない
(ロ)「視点は広く持て」:別ジャンル(兵器・戦史・民俗の本でも,間接的に軍装に役立つ事が意外と多い
(ハ)「銭は惜しむな」:洋書は全般的に和書に比べ高いし,上述のように複数の本を買うと否応無く金が飛ぶ
といったあたりになるだろう.

 もし時間に余裕が有るなら,例えば西山洋書のような,軍装関連書も比較的多く扱っている洋書店を訪ね,
 直接本を手にとって,気になった本を躊躇わずに買うのも良いと思う.

 あとブラックホールや,ヴィクトリーショーといった,ミリタリーホビー関係の即売会にも,前述の西山洋書をはじめ軍事選書堂等の古書・書籍商も出店するので,こうしたイベントに足を運んでもよいだろう.
 色んな意味で世界が広がる(笑)

軍事板,2009/07/21(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現代のオーストリア海軍について教えてください.

 【回答】
 wikipediaによると今現在,オーストリア海軍には一隻も船が無いようだ.
 ボートだけ・・・

 まあ,アンティグア・バーブーダ海軍のショボさに比べれば,何もないと公言してる分,いっそすがすがしいかも
(民営化したモンゴル海軍とどっちがマシだろうか?)


696 名前: ゆうか ◆u8WC078ef5ch 投稿日: 2009/07/21(火) 19:15:39 ID:Xhc8VECI

 わーい♪
 ジェーン年鑑2008-2009版到着ー♪
 タイトルロゴがズレて二重になってる! レアモノだ!!(違・・・わない?

 さて,パラパラ



 オ,オーストリアの項があぼーん・・・ (´;ω;`) ブワワッ

軍事板,2009/07/21(火)
青文字:加筆改修部分


695 :名無し三等兵 :2009/07/21(火) 14:54:48 ID:???
世界戦争史 伊藤 政之助 原書房(復刻)
うちの大学の中央図書館(学部の図書館じゃなくて)の,
一般開架に置かれている各出版社の通史概説叢書の間に全巻並んでて驚いた.
戦前の陸軍将校が書いたもので,西洋のを中心に記述.別冊併せて11巻
普仏戦争とか南北戦争が「西洋最近篇」に入っていて
第一次大戦がないのが時代を感じる.

703 :名無し三等兵 :2009/07/21(火) 22:44:43 ID:???
>世界戦争史 伊藤 政之助 原書房(復刻)
>第一次大戦がないのが時代を感じる.
実は原書の「戦争史」では世界現代偏として
(一)で米西戦争、ボーア戦争、伊土戦争、バルカン戦争、(第一次)世界大戦
ソ連・ポーランド戦争、ギリシャ・トルコ戦争、モロッコ戦争
エチオピア戦争、スペイン戦争、満洲事変、チャコ紛争
(二)で支那事変 昭和12年〜16年、張鼓峯事件、ノモンハン、ドイツが
ポーランドからノルウェー、フランス、ユーゴスラビア、クレタ島攻略までを
扱っている.
また、国会図書館では著者の伊藤政之助の「戦争史東洋偏」の生原稿が所蔵されている.
確か世界現代偏が復刻されなかったのは「この時代なら、今もっといい資料がある.」だが
個人的には現代偏(一)には伊土戦争とかソ連・ポーランド戦争とか他に
日本語文献があまり無い戦史もあるので世界大戦や満洲事変を割愛してでも
復刻して欲しかった.

711 :眠い人 ◆gQikaJHtf2 :2009/07/22(水) 21:24:05 ID:???
>704
チャコ戦争は木俣滋郎著『世界戦車戦史』に一章を割いて書かれていますね.
後,ソ連・ポーランド戦争は彩流社から阪東宏著『ヨーロッパ/ポーランド/ロシア 1918-1921』が
中々面白いですよ.
伊土戦争は『平和を破壊した和平』の上巻で取上げていたか,と.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


728 :名無し三等兵 :2009/07/24(金) 20:38:38 ID:???
Nolan著 Cavalry

19世紀半ば,クリミア戦争で有名な軽旅団の突撃で戦死した英軍騎兵将校の書く騎兵論.
当人が軽騎兵連隊の者なので,胸甲騎兵やランスには否定的.
著書の構成,章立ては今の野戦教範のように整っては居ないが,単純な動作要領,
隊列運動要領を超えた,なぜかくあるべきなのかという論考が多く参考になる.

ただし,隊形に関する用語などが今一つ把握できていないため,何を意味しているかは不明.
open column 等々を良く調べておく必要あり.

東欧の騎兵連隊での勤務経験も著作には生かされており,さらにインド連隊の話も盛り込む
など著書の基礎にある経験は豊か.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


743 :名無し三等兵 :2009/07/25(土) 11:17:02 ID:???
渡辺洋二「必中への急降下」読みました.

内容は雑誌の再録が中心なので,雑誌を読んでいない人はどうぞ.
芙蓉部隊についても新作が載ってます.

毎回面白いのがあとがき.今回はさすがにお疲れなのか,

普通ならもう定年だし,WW2体験者の新規の話もほとんど聞けなくなって
精神面の活気が,停滞から衰退に・・・と書いてあってドキリとする.

以前なら記事を発表すれば,それに続いて証言者や反論者が出てきたものだが,
最近は何を書いても,戦中世代からは反応がなくなってしまったそうな.
ガックリされておられる.

744 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 13:48:23 ID:???
1945年から64年だべ?64年.
当時二十歳でも84歳,三十歳で94歳.
佐官級はほぼいなくなって,尉官級だってどれだけ残っているやら.
根こそぎ動員で入営したウチの爺ちゃんだって今年で85歳,
ほとんどの軍隊経験者は日本人の平均寿命をもう超えてるんだぜ?
745 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:08:25 ID:???
戦中派がどんどん退場してゆくこれからは,イラクに先遣隊長で行った佐藤一佐の本みたいに,PKOで派遣された自衛官の手記が増えるのかな
746 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:39:01 ID:???
他に可能性があるとすれば,遺族が陣中日誌とかを出版するくらいだろうなぁ.
747 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:50:04 ID:???
ただ,昭和30〜50年に発行された戦記で,現在流通してない物は多いから
そういった物を地道に再刊していったり,
戦友会編の物を発行したり(最近は伊呂波会のが出たね)
あとは海外のいろんな戦記を翻訳をやっていけばいいんじゃないかな.
748 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 17:54:56 ID:???
次の戦争が始まるって手もある
749 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 18:30:46 ID:???
>>748
どことやるんだ?

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 兵頭先生,昔の著作はプレミアついてるけど,近年の著作にはあまりいい話を聞かないよね?
 日本刀の強さを実証する本も半信半疑で読んじゃった.

 【回答】
 昔の本はオタク的な興味に突っ走って書いてた面があるから,取材部分と二十八自身の主張をある程度分別して読めたが,今は地の文からして著者本人の思想が垂れ流し状態だからねぇ…
 しかも色々調査してる割には,どこから資料引っ張ってきてるかよく分からんから,新事実(かも知れない部分)と著者の妄言がチャンポンになって見分けがつかん.
 痛い軍オタが一端の思想家気取ると,ろくなことにならない,という好例ですよ.

 まあ,『日本の防衛力再考』の時点で既に狂ってるようにも思えるが.
 出版社があそこくらいしか引き受けてくれなかった面もあるだろうけど.分を超えることに手を出すとおかしくなる典型だな,兵頭二十八.
 旧軍の兵器だけならまだ見れるんだが.

軍事板,2009/07/25(土)
青文字:加筆改修部分


 【追記】

755 :名無し三等兵 :2009/07/25(土) 20:38:12 ID:???
独ソ戦の作者は文献資料読んでいくうち,こいつらぁーベルリンでレイプされてもしかたねえわなぁー
て考えに変わったらしい

758 :名無し三等兵 :2009/07/25(土) 21:34:24 ID:???
>>755 東部戦線帰還兵,防衛築城奉仕を渋る市民に対し
「俺たちが東方でやらかしてきた事を連中がこっちにやり返したら,一体全体どんな事になるのか判ってるのか?!」

…てな話が当時既にあった気が.

783 :名無し三等兵 :2009/07/25(土) 23:39:23 ID:???
>>758
翌日,ディーター・ボルコフスキという名の16歳のベルリン市民が,アンハルター駅発の市内電車で
目撃した情景を描いている.「みんな顔に恐怖の色を浮かべていた.怒りと絶望が渦巻いていた.あん
な不平不満の声はいままで聞いたことがない.とつぜん,誰かが騒ぎに負けない大声でさけんだ.

『静かに!』

見ると,小柄なうすぎたない兵士で,鉄十字章2個と黄金ドイツ十字章をつけていた.袖には金属製の
戦車4個のついたバッジがあって,肉薄攻撃で戦車4両をしとめたことを物語っていた.『みなさんに
言いたいことがある』と彼はさけび,車内は静まった.『おれの話なんぞ聞きたくもないだろうが,泣
き言だけはやめてくれ.この戦争には勝たねばならん.勇気をなくしてはならんのだ.もし相手が勝っ
たなら,そして,おれたちが占領地でやったことのほんの一部でも敵がここでやったら,ドイツ人なん
か数週間で一人も残らなくなるんだぞ!』

車内は,針の落ちる音も聞こえるくらいしんと静まりかえった.

アントニー・ビーヴァー『ベルリン陥落1945』

785 :名無し三等兵 :2009/07/25(土) 23:50:24 ID:???
まあ東部戦線での残虐行為はSSだけじゃなくて,国防軍の一般将兵まで
普通に荷担してたってのは結構前から知られてた話だし,
両軍の戦争犯罪に関しては探せばそれなりに資料あるし,
本まで書いちゃった人の認識にしてはお粗末かな,と思う.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 パウル・カレルっておもしろいの? 泣ける?

 【回答】
866 :名無し三等兵 : 18:42:47 ID:???


878 :名無し三等兵 :2009/07/27(月) 20:52:09 ID:???
>>866
思いっきり泣けます.
多くの日本人戦史研究者がカレルの本からヨーロッパの戦史に興味を持ったの
は事実ですが,カレルの本を参考文献として引用している研究者はほとんどい
ません.なぜなら,カレルの本は聖書であり,イリアスやベオウルフのような
叙事詩であります.間違っても史実に裏づけされたノンフィクションとして読
んではだめです.

これを書いてる私は既に感涙に咽んでおります.
あなたが迷える子羊になる前に,勇気を持ってカレルの世界に飛び込んでくだ
さい.暖かい光に包まれて,至福のときを迎えることができるでしょう.

857 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 13:39:32 ID:???
            〃´⌒ヽ
.     , -――  メ/_´⌒ヽ
   /   / ̄  ´ヽ ヽ
.  /  ,  /// ト. !  、 丶ヽ
  l  / /(((リ从  リノ)) '
  |  i  l   . ヽノ .V l   ついにねんがんの
  l ,=!  l  ///    ///l l   パウル・カレルを手に入れたぞ
  l ヾ! ', l    ヽ_フ   l l
  |  ヽヽヽ        //
  l    ヾ≧ , __ , イ〃
  li   (´`)l {ニ0ニ}、 |_"____
  li   /l, l└ タl」/l´焦土作戦 l
  リヽ/ l l__ ./  |_________|
   ,/  L__[]っ /      /

858 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 16:47:47 ID:???
→ ころしてでも うばいとる

859 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 17:13:50 ID:???
カレルは,当時は資料不足だったから想像で書いてるところがあるから注意な
860 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 17:28:28 ID:???
想像っつーか,もっと意図的にナチ寄りというべきで

一等自営業から若手の萌え作家までカレル信者はいっぺん
脳みそを(略)
861 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 17:58:52 ID:???
>>855
それはたぶん,生存者最高齢(113)の方では
今回亡くなった最後の一人は111
ともにイギリス人
862 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 18:18:56 ID:???
>>860
いや,部隊の行動みたいな細かい所で
例えばクルスク戦でGD軽歩兵連隊第III大隊が,パンターが来ないから出撃しなかったとあるけど
パンター連隊は軽歩兵連隊に配属予定も無いし,そもそもGDの攻撃開始時間とパンター連隊の
出撃時間は違ってる

カレルの本は,個人の体験談を参考資料として使うと良いんじゃないかと

895 :名無し三等兵 :2009/07/28(火) 18:23:22 ID:???
「チェルカッシィ包囲突破戦」下より引用

1966年に,パウル・カレルは彼の東部戦線の戦いの記念碑的解説の第2部,
『焦土(焦土作戦)』を出版し,丸まる1章がチェルカッシィの戦いに充てられた.
彼の戦闘の扱いの中で,彼は公的な歴史,戦後の解説,そしてベテランのイン
タヴューをまとめて,最初の真にバランスのとれた,作戦レベルでの戦闘の解説
を行った.彼は戦術的な詳細については詳しく書いていないが,彼の解説は
戦闘を素早く読み解くには最善のものであり続けている.


筆者のダグラス・E・ナッシュはウェストポイント出の米軍士官で,「砂漠の嵐」作戦
にも参加.95年にはフォート・レヴンワースの指揮幕僚大学の名誉指揮官を授与されてる.
この本に執筆には,マイクロフィルム化された当時のドイツ軍の軍集団から連隊に至る
作戦日誌なども使われている.その上で,こういってるわけだ.
パウル・カレルを「卒業」とか言ってる人は,自分の資料に対する姿勢を見直した方がいい.

901 :名無し三等兵 :2009/07/28(火) 19:10:42 ID:???
「チェルカッシィ包囲突破戦」下より引用

同様に,詳細な戦時のソ連の作戦に関する戦闘後報告,選集は1944年9〜10月に印刷された
「戦争経験に関する研究資料の収集」は重要であり,旧ソ連で提示される,公式の物語とは
しばしば議論のある,比較的飾り気の無い解説であった.興味深いことに,この報告に描か
れた戦術行動は,ドイツ軍の記録と並行しており全く似通っている.選集をドイツ軍の解説と
並べて比較すれば,日付,場所,そして部隊の移動は,ほとんど正確に対応するのである.
もちろん,特定の交戦で認められた結果は異なっているだろうが,戦術的報告における事象
は共通している.

903 :名無し三等兵 :2009/07/28(火) 19:27:54 ID:???
>選集をドイツ軍の解説と
>並べて比較すれば,日付,場所,そして部隊の移動は,
>ほとんど正確に対応するのである.
当たり前だ.
てか同じ戦闘扱っててその部分からして記述が違ったら大変だろ?w

>もちろん,特定の交戦で認められた結果は異なっているだろうが
その異なる結果を照合・検証の上で正確な結果割り出すのが,
「ウラを取る」って事じゃないのか?
それがなされてない以上,
単なる「ドイツ側記録のまとめ」以上の意味は無いんだよ.

で,「解説」たるやお馴染みの「あと1個大隊あれば勝てた」だろ.
平家琵琶や浪花節の類だなw

908 :Lans ◆xHvvunznRc :2009/07/28(火) 19:41:59 ID:???
さて,カレルが独側資料の集成というのであれば,
最近のソ連側資料も【ソ連側からみた資料の集成】という事にお気づきになってもよろしいかと.

カレル(研究時期が古いから正しくない)/ソ連資料○(最新研究だから正しい)

カレル(古いとうのは当事者からも話きけるぞ)/ソ連資料×(プロパガンダじゃん)

どっちも片手落ち.
両方読むのが戦史オタのたしなみ

909 :名無し三等兵 :2009/07/28(火) 19:43:09 ID:???
パウル・カレルも使いよう,ってだけだが0/100のアホには言ってもムダっぽいな

912 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 19:46:29 ID:???
>>911
この場合ってどの場合?
913 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 19:47:27 ID:???
>>912
>>904に対する突っ込みとして,だね.
914 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 19:50:21 ID:???
>>913
逆で,>>904が少なくとも>>895の評価,つまり
>彼の解説は 戦 闘 を素早く読み解くには最善のものであり続けている.
のツッコミになってないっていうツッコミだろ.


915 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 19:55:04 ID:???
>>908
そりゃソ連側の資料のみ
(例えばマルクス・レーニンアカデミー刊「第二次世界大戦史」)はそうだろう.
しかしコロミェーツの独ソ戦車戦シリーズや,
グランツの詳解独ソ戦(著者が米軍人であるため,
その視点の影響を受けていると思われる記述も無きにしもあらずだが…)等,
双方の資料を対照した資料も今日ではある訳で,

それらを超越した一種の聖書のごときドグマ的信仰に疑問を持つべき,と言ってる訳.
916 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 19:55:13 ID:???
>911
この場合,この速さは【作戦の概要】をいかに理解しやすく書いてあるかだと思われます.
つまり,各部隊の行動の作戦的ならびに戦術的意味合いですが,
余分な描写やエピソードが入り込むと本筋が枝葉末節に埋もれてしまい,
そのあたりを読み取るのに苦労することがあります.
(この苦労するという事は,誤解しやすくなるとも同義に近いと思います)

さて,作戦術の教育現場としては,どのようなモノが必要でしょうか?
単純に部隊機動の戦闘要図だけ?それだけで指揮官の意図が読み取れるのは
既に教育が完了してる人だと思います.

だからバランスのとれた作戦解説は,その真意が正しければ,枝葉末節のデータが多少間違っていたとしても
十分にその存在意義を持ち続けるのだと思いますが.なにか?

920 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:01:06 ID:???
>915
>それらを超越した一種の聖書のごときドグマ的信仰に疑問を持つべき,と言ってる訳

その考え方が,共産主義の無信仰論的な,定型化したアンチにすぎなくなってはいませんか?
貴官のいってることは,カレルは不正確だから,ともかく無価値といってるようなものですよ.

データの正しさだけが,その本の価値ではないと思います.
(例は>916にて既に記述)
921 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:02:00 ID:???
まー本職の人の為には良いのかもしれないね.
922 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:03:30 ID:???
しかし,何時の間に士官学校の話になったのだろうか?
923 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:03:50 ID:???
ちなみにパウル・カレルの「焦土」を「チェルカッシー包囲突破戦」の中で
>彼の解説は戦闘を素早く読み解くには最善のものであり続けている.
と評価しているナッシュは,同書の中でグランツが座長を務めた米陸軍
戦争大学校での戦争シンポジウムの一連の論稿をまとめた冊子
「ドン〜ドニエプル,1943年11月〜1944年8月のソ連軍攻勢作戦」
も高く評価している.

929 :名無し三等兵 :2009/07/28(火) 20:12:30 ID:???
>>925
ソ連軍を馬鹿にしすぎる,ではなく
「馬鹿にしていた人たちの残した記録を元に描いている」から
そういう記述になったのでは.
だから,冷戦後に出てきた「ソ連の中の人たちが何を考えていたか」
を示す資料と比較して
「ソ連の中の人たちはこのように考えていた」
「それに対する,独軍側の認識はこのようなものであった」
って比較すると,面白いと思う.

軍事板,2009/07/27(月)〜
青文字:加筆改修部分


 【質問】
7

 【回答】
925 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:07:27 ID:???
>>918
 ソ連軍の戦略作戦レベルの高等統帥のうまさをバカにしすぎの傾向はあるな.
ただ,そうした傾向も,どうしてそういう傾向になっているのか,とか
大戦中の独軍指揮官のソ連軍に対する認識を知る上でも,有用に思える.
要するに,なんでも使いようであって「最悪」って切って捨てるのは,自らアホ
って告白しているようなもんだよw

926 名前: Lans ◆xHvvunznRc [sage] 投稿日: 2009/07/28(火) 20:07:38 ID:???
>918
>逆に言えば戦略・戦史を読み取る為の資料としては最悪って事は認めるんだw

まったくの見当違いです.
当時の独側資料のみを使っていると言う事は,その資料をもとに独軍は実際の戦略を立てていたという事です.
つまり,独側の作戦意図を知るに,これは非常に重要な資料といわざる得ません.

逆にいえば…
この場合,正確な資料では駄目なんです.
あくまでも【独軍がなにを根拠にして考えていたか】という視点が戦略や戦史の読解に必要かはお分かりでしょう?

もし正確な資料だけで構成された本しかなかったら
【なぜ独軍は,あの時点でこのような行動を取ったのか?】
など疑問が多数噴出することになりますが,なにか?

軍事板,
青文字:加筆改修部分


978 :名無し三等兵 :2009/07/29(水) 05:32:56 ID:???
自衛隊OBの書いた生物化学戦の本読んでるんだが,旧軍のBC戦資料が丸ごと転載されてて
なかなか面白い.
ごく普通の部隊の衛生日誌とか軍医団の演習記録とか化学戦部隊の常備医薬品目録とか.

特に興味深かったのは大戦末期の第一師団の本土防衛図上演習における対化学兵器戦闘.
連合軍が本土上陸でBC兵器を使うことを想定していたと知って勉強になった.
ただシナリオに関しては第一次大戦の化学戦の域を出ておらず,実際に使われたら
えらいことになったんだろうなと背筋が寒くなった次第.
それでも野戦病院用の対ガス天幕とか支給していたんだね一応.

731部隊とかセンセーショナルな部分を抜いた旧軍のBC戦に関する話って結構貴重なんだよな.
見た感じCに関してはWW1時代のレベルに止まってるけど,Bに関しては他列強の水準に
近いレベルに達していたという印象を受けた.

軍事板,
青文字:加筆改修部分


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