| 【発明の名称】 |
育毛剤とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 義則
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| 【要約】 |
【課題】アロエベラとヒラミレモンとホワイトリカーを原料とする育毛剤とその製造方法に関し、アロエベラの葉の特定部分を利用して抽出すると共に、相乗効果の大きいヒラミレモンの抽出成分も混合することで、育毛効果の大きな育毛剤を実現する。
【解決手段】アロエベラの生葉(根元側の2分の1以内が良い)とヒラミレモンの全部又は果皮をホワイトリカーに浸漬して成分を抽出することによって、育毛剤を製造する。アロエベラとヒラミレモンは一緒に浸漬してもよいし、別々に抽出した後に混合してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アロエベラの生葉とヒラミレモンの全部又は果皮をホワイトリカーに浸漬して成分を抽出してなることを特徴とする育毛剤。 【請求項2】 アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内を5cm幅以内のサイズにカットした状態でホワイトリカーに浸漬することを特徴とする育毛剤の製造方法。 【請求項3】 アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内とカットしたヒラミレモン又は果皮をホワイトリカーに浸漬することを特徴とする育毛剤の製造方法。 【請求項4】 アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内を利用してホワイトリカーに浸漬して抽出し、また、カットしたヒラミレモン又は果皮をホワイトリカーに浸漬して抽出し、次いで両者を所定の割合で配合することを特徴とする育毛剤の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、アロエベラとヒラミレモンとホワイトリカーを原料とする育毛剤とその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 特開平11−35431 号公報に記載のように、従来廃棄されていたアロエベラの葉皮を利用した育毛剤を得るために、アロエベラの葉から剥いだ葉皮を天日ないし加熱乾燥して得られた乾燥葉皮をエタノール水溶液に浸漬して薬効成分を抽出する方法が提案されている。 【0003】 【特許文献1】特開平11−35431 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、前記のような従来方法では、葉の全体を使用しているために効果的な抽出方法とは言えない。しかも、乾燥して分量の減少した乾燥葉をエタノールで抽出しているため、育毛剤の殆どがエタノールから成り、エタノール中に乾燥葉の成分が混入している状態となる。したがって、大量の育毛剤を製造するには適さず、生産量を増やすには、希釈液で薄めることになる。また、アロエベラのみの抽出液では、育毛効果が十分とは言えない。 【0005】 本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、アロエベラの葉の特定部分を利用して抽出すると共に、相乗効果の大きいヒラミレモン(沖縄の方言名:シークヮーサー)の抽出成分も混合することで、育毛効果の大きな育毛剤を実現することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、アロエベラの生葉とヒラミレモンの全部又は果皮をホワイトリカーに浸漬して成分を抽出してなることを特徴とする育毛剤である。なお、アロエベラとヒラミレモンは一緒に浸漬して抽出したものであってもよいし、別々に抽出した後に混合したものであってもよい。このように、アロエベラの生葉とヒラミレモンの全部又は果皮をホワイトリカーに浸漬して成分を抽出してなる育毛剤は、アロエベラの成分とヒラミレモンの成分が相まって、いずれか片方のみの抽出物よりも育毛効果の大きいことが実験上判明した。ヒラミレモンは、全体を用いて抽出してもよいが、果皮のみを浸漬してもよい。全体を浸漬すると、生産量は増える。果皮のみを浸漬した場合は、生産量は少ないが、育毛効果が大きい。 【0007】 請求項2は、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内を5cm幅以内のサイズにカットした状態でホワイトリカーに浸漬することを特徴とする育毛剤の製造方法である。実験の結果、アロエベラの生葉の全体を浸漬するよりも、根元側の方が濃く抽出できることが判明した。先端側は、殆ど抽出されない。より大量に抽出するには、葉皮のみを乾燥させて浸漬するよりは、請求項2のように、生葉の根元側の2分の1以内を使用して浸漬することが、生産性が良いことも究明された。そして、5cm幅以内程度のサイズにカットした状態でホワイトリカーに浸漬するのが効果的に抽出できる。 【0008】 請求項3は、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内とカットしたヒラミレモン又は果皮をホワイトリカーに浸漬することを特徴とする育毛剤の製造方法である。このように、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内とカットしたヒラミレモン又は果皮を一緒にホワイトリカーに浸漬する方法によると、アロエベラの成分とヒラミレモンの成分が相まって、育毛効果の大きい育毛剤を一度に製造できる。しかも、アロエベラの根元側を使用するため、濃度の高い抽出液が得られる。 【0009】 請求項4は、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内を利用してホワイトリカーに浸漬して抽出し、また、カットしたヒラミレモン又は果皮をホワイトリカーに浸漬して抽出し、次いで両者を所定の割合で配合することを特徴とする育毛剤の製造方法である。このように、アロエベラとヒラミレモン又は果皮の抽出液を別々に製造してから、混合する方法によると、収穫時期が限定されるヒラミレモンは抽出液を生産して保管しておけば、年間を通してアロエベラ抽出液と混合して製品化できる利点がある。また、アロエベラの場合も、最も品質の良い製品が収穫できる時期に抽出液を生産して貯蔵しておくことができる。 【発明の効果】 【0010】 請求項1のように、アロエベラの生葉とヒラミレモンの全部又は果皮をホワイトリカーに浸漬して成分を抽出してなる育毛剤は、アロエベラの成分とヒラミレモンの成分が相まって、いずれか片方のみの抽出物よりも育毛効果の大きいことが実験上判明した。ヒラミレモンは、全体を用いて抽出してもよいが、果皮のみを浸漬してもよい。全体を浸漬すると、生産量は増える。果皮のみを浸漬した場合は、生産量は少ないが、育毛効果が大きい。 【0011】 請求項2のように、生葉の根元側の2分の1以内を使用して浸漬することが、生産性が良いことも究明された。そして、5cm幅以内程度のサイズにカットした状態でホワイトリカーに浸漬するのが効果的に抽出できる。 【0012】 請求項3のように、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内とカットしたヒラミレモン又は果皮を一緒にホワイトリカーに浸漬する方法によると、アロエベラの成分とヒラミレモンの成分が相まって、育毛効果の大きい育毛剤を一度に製造できる。しかも、アロエベラの根元側を使用するため、濃度の高い抽出液が得られる。 【0013】 請求項4のように、アロエベラとヒラミレモン又は果皮の抽出液を別々に製造してから、混合する方法によると、収穫時期が限定されるヒラミレモンは抽出液を生産して保管しておけば、年間を通してアロエベラ抽出液と混合して製品化できる利点がある。また、アロエベラの場合も、最も品質の良い製品が収穫できる時期に抽出液を生産して貯蔵しておくことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 次に本発明による育毛剤とその製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1はアロエベラの生葉の斜視図であり、ホワイトリカーに浸漬して成分抽出する場合、先端側1よりも根元側2の方が濃く抽出でき、抽出液の育毛効果も大きいことが実験を重ねた結果判明した。中でも、根元2a付近が最も抽出効果が大きいが、根元2aのみでは生産量が足りないので、根元側の2分の1以内を利用するのが現実的である。 【0015】 そして、抽出を早めるためには、根元側2をそのまま浸漬するよりは、2〜5cm幅のサイズにカットした状態でホワイトリカーに浸漬する方が、短時間に効率的に成分抽出できる。なお、生葉の両側に付いているトゲ3は除去しておくのがよい。 【0016】 図2は、前記のアロエベラをホワイトリカーに浸漬して成分抽出する方法のフローチャートであり、まずステップS1のように、アロエベラの生葉を洗浄して、付着している泥やごみを除去する。そして、ステップS2のように、根元側の2分の1以下を使用して、ホワイトリカーに浸漬する。抽出を早めるために、浸漬に先立って、4〜5cm幅以下にカットしてから浸漬するのがよい。なお、トゲは除去しておく。 【0017】 次いで、ステップS3のように、例えば8リットル入りの貯蔵容器に、5kgを詰め込む。そして、ステップS4のように、ホワイトリカーを充填する。このとき、アロエベラ全体がホワイトリカーに浸かる程度まで、充填する。そうすると、アロエベラは浮き上がった状態となる。最後に密閉してから、なるべく冷暗な場所に保管する。 【0018】 このようにして浸漬し、ステップS5のように、3か月以上浸漬を続ける。最初の1か月程度経過すると、ホワイトリカーの上部が赤みがかってくる。また、浮上していたアロエベラが徐々に沈降してくる。さらに浸漬を続けて、2か月程度経過すると、ホワイトリカーの全体が赤みがかってくる。アロエベラは、全体が底に沈んだ状態となる。続けて浸漬状態とし、3け月以上経過すると、ホワイトリカーの全体が完全に赤く変色している。このように全体が赤くなった時点では、成分抽出はほぼ完了したと判断できる。 【0019】 こうして抽出が完了したら、ステップS6でフィルターを用いて濾過してから、ステップS7で販売用の容器に充填すると、製品が完成であり、出荷可能となる。 【0020】 このように、アロエベラの生葉の根元側の2分の1以内を使用してホワイトリカーに浸漬し成分抽出すると、先端側も併用する場合よりも濃い抽出ができ、育毛力の大きい抽出液を生産できる。また、生葉の緑色の表皮の方が抽出効果が大きい傾向にはあるが、内部の透明ないし半透明のゼリー状の果肉も全く成分抽出できないわけではないので、生産量を確保するためには、内部の果肉も一緒に浸漬するのがよい。表皮と果肉を分離する作業も省けるので、作業効率もよい。 【0021】 生葉の根元側を抽出すれば、育毛効果は大きいが、沖縄地域でシークヮーサーと呼ばれているヒラミレモンの成分を混ぜると、相乗効果を発揮し、育毛効果がより大きいことを究明できた。ヒラミレモンとの混合抽出液を製造するには、別々に抽出してから混合する製法と、最初からアロエベラとヒラミレモンを一緒にホワイトリカーに浸漬して、一緒に抽出する方法がある。 【0022】 別々に抽出して、後から混合する場合は、アロエベラは図2のような方法で抽出し、ヒラミレモンは別に抽出する。ヒラミレモンの抽出は、ヒラミレモンを半分にカットしてからホワイトリカーに浸漬すると、比較的短時間に抽出できる。また、ヒラミレモンの場合、果皮を剥いて、果皮のみを浸漬してもよい。果皮のみで抽出する場合は、約2け月程度の浸漬が必要である。ヒラミレモンの場合も、果皮のみの方が抽出効果が大きく、濃度の高い抽出液が短時間に生産できるが、生産量を増やすには、果実全体をカットして浸漬するのが好ましい。 【0023】 このようにしてヒラミレモンの成分を抽出したホワイトリカーと前記のようにして製造したアロエベラの抽出液を混合する。配合比率は、アロエベラ抽出液80%、ヒラミレモン抽出液20%程度の割合が良い。ヒラミレモンの果皮のみを浸漬抽出したヒラミレモン果皮抽出液を用いる場合は、15%に減らし、アロエベラ抽出液を85%に増やしてもよい。なお、これらの比率に±20%の範囲内であれば、ほぼ同等の効果を期待できるので、許容範囲とする。ヒラミレモンは収穫時期が限られているので、収穫時期に大量のヒラミレモン抽出液を製造して貯蔵しておき、年間計画を立てて、最適の配合量を決定することもできる。アロエベラも、夏場は成長が速く収穫量も多いが、冬場は殆ど成長せず、収穫も行われない。したがって、アロエベラの抽出液とヒラミレモンの抽出液を別々に生産して配合する製法は、年間を通して生産し出荷できる利点がある。 【0024】 これに対し、アロエベラとヒラミレモンも一緒にホワイトリカーに浸漬して生産する方法も可能である。この場合は、前記のようにして処理したアロエベラと半分にカットしたヒラミレモンを容器に詰めた状態で、全体が浸かるまでホワイトリカーを充填する。この場合の分量は重量比で、アロエベラ45%、ホワイトリカー45%、ヒラミレモン10%で実施した。ヒラミレモンの果皮のみを浸漬する場合は、分量を半分の5%とし、アロエベラを50%に増やす。なお、この場合の分量も、±20%の範囲は許容できる。そして、外気に触れないようにして、暗室に1け月程度保管すると、全体が赤っぽく変色する。ヒラミレモンの作用で、幾分黒っぽい濃い赤色となる。この時点で、育毛効果も発揮可能となるので、製品として出荷できる。原料のバラツキの影響も有るので、3か月も浸漬し抽出すれば、完全に抽出できたと判断してよい。しかしながら、このように一緒に浸漬する製法は、ヒラミレモンの収穫時期以外は、生産が困難となるという問題がある。 【0025】 以上のように生産して抽出液は、最後の工程において、フィルターを通して濾過し、完全な液体成分のみを製品として出荷する。なお、ヒラミレモンは、完熟した果実でもよいが、完熟前の果皮が緑色の時点で収穫し、浸漬するのがよい。完熟すると、育毛効果のある成分は消失していくからである。果皮のみで抽出する場合は、果実全体を抽出する場合より、抽出期間は長めとり、少なくとも2か月程度の浸漬が必要である。 【0026】 以上のようにして製造した育毛剤は、3〜4滴を頭皮に塗布して使用すると、通常の場合、約2週間程度で抜け毛が止まり、1.5け月で増毛が確認できる。したがって、1.5〜2か月も経過すると、確実に増毛が確認できる。なお、本発明の育毛剤は、フケ止めやかゆみ止めなどとしても有効である。抽出液としては、泡盛なども試験したが、ホワイトリカーが最も効果が有ることが確認できた。なお、ホワイトリカーは35度を使用した。 【0027】 次に、試用体験者は多数居るが、その中ら2人だけ試用体験談を紹介する。沖縄県宜野湾市在住の小田島仁さん(55歳)は、40代後半から抜け毛が多くなり、55歳頃には諦めていたが、友人が本発明品を試用して効果が出ているのを見て、試用する気になった。毎日入浴後に試用している間に、徐々に抜け毛が少なくなり、現在70日目くらいで、抜け毛はほとんどなく、全体の髪の量も増えてきた。家族も髪のことをよく口にし、増えていることを認めている。 【0028】 沖縄県具志川市在住の仲間政夫さん(52歳)は、40歳を過ぎた頃から抜け毛が始まり、長い期間続いていた。昨年11月、友人から本発明品を紹介され、半信半疑で試用したところ、抜け毛が少なくなり、髪の毛に力が甦ってきた。髪の毛を触っても、髪の毛が硬くなってきており、「髪の毛が有るなー」と感触を楽しんでいる。 【産業上の利用可能性】 【0029】 以上のように、本発明によると、アロエベラのみの場合は、根元側を浸漬し、またヒラミレモンとの混合液にすると、育毛効果の大きな抽出液を製造できるため、アロエベラやヒラミレモンの生産農家にとっても生産量の増加が見込め、農家経営の改善が期待できる。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】アロエベラの生葉の斜視図である。 【図2】アロエベラをホワイトリカーに浸漬して成分抽出する方法のフローチャートである。 【符号の説明】 【0031】 1 先端側半分 2 根元側半分 2a 根元部分 3 トゲ
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| 【出願人】 |
【識別番号】504059234 【氏名又は名称】中村 義則
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| 【出願日】 |
平成16年3月1日(2004.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076082 【弁理士】 【氏名又は名称】福島 康文
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| 【公開番号】 |
特開2005−247707(P2005−247707A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−56773(P2004−56773) |
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