中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

元首席専門官も逮捕 広島少年院事件 '09/8/12

 東広島市の広島少年院(佐藤公昭院長)の暴行事件で、広島地検特別刑事部は11日、少年に暴行を加えたとして、広島少年院の元首席専門官で奈良少年院次長の向井義(ただし)容疑者(47)=奈良市秋篠町=を特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕した。一連の事件は、処遇部門のトップである幹部教官への強制捜査に発展した。

 広島地検の調べでは、向井容疑者は広島少年院の首席専門官だった2005年9月ごろ、同少年院の体育館で、当時16歳の少年の首にシーツを巻いて締め付けたうえ、遺書を書くよう言ったほか、2種類の洗剤を混ぜて発生させた塩素系ガスの入ったポリ袋を顔に近づけ、ガスを吸うよう脅すなどした疑い。

 地検によると、向井容疑者は少年が別の少年と私語をしていたとの報告を受け、複数の教官の前で暴行したという。向井容疑者は否認しているという。

 向井容疑者は1986年に法務教官に採用された。個々の少年の発達状況に応じた処遇を実践するプログラムを生み出し、教育関係者から高く評価されていた。05年4月から07年3月まで勤務した広島少年院では「模範少年院」として、当時の安倍晋三首相の視察も受けていた。

 地検は、既に特別公務員暴行陵虐罪で起訴した4人の法務教官による少年への暴行などに影響を与えた疑いもあるとみて捜査を進める。

 地検は同日、4教官のうち野畑勝也(32)、松本大輔(29)、菅原陽(27)の3被告=いずれも広島市中区吉島西3丁目=が計15人の少年に計18件の暴行を加えたとして、同罪で追起訴した。4人の起訴はこれで終了し、計25人の少年に対する計42件に上ったという。




HomeTopBackNextLast
安全安心