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酒井法子容疑者 乏しい物証で不起訴も

 酒井容疑者を乗せ地検へ向かう車=東京湾岸署
 酒井容疑者を乗せ地検へ向かう車=東京湾岸署

 覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕された女優の酒井法子容疑者(38)が起訴されない可能性があると10日、専門家が指摘した。同容疑者の自宅から見つかった覚せい剤が0・008グラムと微量だったためで、専門家からは「起訴できない可能性もある」との指摘が出ている。酒井容疑者は使用を認める供述も始め、自宅からは吸引に使われたとみられるストローも押収されているが、公判を維持するための物証が乏しいという。同容疑者は同日、東京地検に送検され、10日間の拘置が決定した。

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 警視庁によると、酒井容疑者の逮捕容疑は、東京都港区の自宅マンションで3日、アルミ箔(はく)に包まれた覚せい剤0・008グラムを所持した疑い。酒井容疑者は調べに「夫に勧められ、一緒に“あぶり”で使いました」と使用についても認めたが、尿検査の結果、覚せい剤反応は検出されなかった。

 薬物事件を多く手掛ける小森栄弁護士は「通常なら起訴猶予になるケース」と指摘する。覚せい剤は1回の平均使用量が約0・03グラムとされ、起訴される事件の多くはそれ以上の分量を所持したケースという。

 検察幹部も「所持での起訴はハードルが高い。今回の覚せい剤は微量なので、鑑定するとほとんど残らず、公判で鑑定の適法性などを立証するのが困難になる」と慎重な姿勢を崩さない。

 一方、使用についても任意捜査を拒み、夫の現行犯逮捕の現場から逃亡していた6日間が不起訴への道を開く可能性が出てきた。厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は「使用を立証するには尿検査が一番の決め手」と話すが、結果は「シロ」だった。

 麻薬の使用で、尿検査で陽性反応が出るのは4日〜1週間程度。夫の逮捕現場で、酒井容疑者の目つきや言動などには覚せい剤常習者特定の様子が見られたというが、逃亡期間で尿検査が陰性に変わった可能性は十分にある。

 警視庁によると、吸引に使っていたとみられるパイプやストローの付着物のDNA型が酒井容疑者の型と一致。しかし、DNA鑑定や毛髪鑑定では使用の時期が特定できず、公判維持は難しい。

 警視庁の捜査幹部は「覚せい剤が微量の事件は検事が起訴したがらない。今回も難しいかもしれない」と話している。

 平成19年度の司法統計によると、覚せい剤事件での逮捕者のうち起訴されたのは83・9%。およそ6人に1人は不起訴となっている。

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