MOOCS TOP > 特集 > MOOCS POWER PUSH > Vol.021 NICO Touches the Walls
今年の8月に発売された「Broken Youth」で一躍注目を浴びることになったNICO Touches the Walls。
2004年に結成され、2007年にメジャーデビューをした彼ら。疾走感、骨太なサウンドに留まらず、繊細さややさしさも兼ね備えた1stアルバムはかなりの聞き応えがある。
今年下半期大注目すべきバンド!いち早くチェック!
text by:yassi
光村「思いつきと言えば思いつきなんですが・・・トイレに行ったときに躓いて壁にぶつかったんですけど、その時に『壁にぶつかる』って英語にしたらかっこいいんじゃないかと。
あとはちょっと柔らかい感じもあって好きだなと。
ちょっと長い名前で威嚇してやろうというのもありました(笑) 略して「NICO」で呼んでくれればって感じですね。
『ニコタッチ』とかはクスリの名前みたいでイヤですね(笑)」
光村「メンバーそれぞれ違うんですけど、僕はサザンとかスピッツが好きですね。
あとビートルズでは『ホワイト・アルバム』をバイブルにしているんですが、ああいう一つのバンドがいろんなタイプの音楽をやれるというのはすごいと思うんです。
かなり影響を受けましたね。
メンバーそれぞれいろいろな音楽は聞くんですが、このバンド自体が、僕の曲で自分たちのスタイルを確立しようという思いの下に集まったので、バンドとしてこんなアーティストになりたいというものはないんです。」
光村「4人中3人が同じ高校で顔見知り程度だったんですけど、軽音楽部の卒業ライブで偶然出演したんです。
それでやっていくうちに、初めて『ああ、このメンバーなら本気で音楽でやっていけるかも』という風に思いました。
そんな感じで、自然にメンバーが集まっていった感じです。
ただ、このバンドを組むまでは話もしたこと無かったのでまずは仲良くなることから始めました(笑)」
−古村さんも『このメンバーなら本気で音楽やれるかも?』と思いました?
古村「思いました!(即答、一同笑い)。
元々みっちゃん(光村)の書いてくる曲がすごいいいというのは知っていたので、音楽面に対して不安はなかったんです。
ただ、みっちゃんとしんちゃん(坂倉)は学年が一つ下なんですよ。
最初は敬語使われたりもして(笑)だからさっきもあったように最初は仲良くなるように頑張りました。」
光村「きっかけが仲良くなったりとか馬が合ったりとか、そういうものではなくて、本当に音楽先行型ですよね。」
−で、結成後はインディーズを経て、メジャーデビューされたわけですが、何か変化はありましたか?
光村「そうですね。当然音楽に対しての意識は高くなっていきますけど、4人の関係はまったく変わらないですね。」
光村「インディーズの頃は自分たちでセルフプロデュースっていう形でやっていたんですけど、それだと考え込みすぎてしまうんです。
バンドとしても、個人的にも。
過剰にストイックになってしまうというか。
そういう部分をお二人はと取り除いてくれましたね。
『音楽は左脳でやるもんじゃない、右脳でやるもんだ』みたいなものを教えてくれましたね。
風通しをよくしてくれる扇風機のような人です。
インディーズの頃は、一発録りだったので上手くいくまでみんなで『せーの』で30回くらい録る体育会系な方式だったんですけど(笑)岡野さんの時は1、2回で終わりましたね。」
対馬「リズム隊なんか特にそうでしたね。『そういうモンなんですよ』って言われたんですが、やっぱり勢いが違うんですよ。身をもって教わったというか。」
−そんな風に作られた今回のアルバムですが、コンセプトは??
光村「『俺らはこれしかやらない!』みたいなこだわりは持たずに、いろんなジャンルの音楽とか、景色というものを取り入れていこうという意識の下に作りました。
『どこを切り取っても同じ色がない』っていうアルバムを目指しました。
1曲目から12曲目まで聞いてもらうと、こんなに違うテイストの曲達なのに、聞き終わった後に、「NICO」ってこういうバンドなんだっていうものが胸に残るものにしました。
そういう意味でもタイトルが「Who are you?」なんです。
聞き終わった後に、自分たちの道が一本見えているようなイメージですね。」
光村「そうですね、思いつきもあるし、『前回は激しめだったから今度はゆっくりめで』みたいな感じで4人で話し合いをして、ワンコーラス程度を作って反応がよければ全体を作ってという感じですね。
曲によってはセッションもあります。
今回のアルバムだと、『バニーガールとダニーボーイ』『有言不実行成仏』なんかは、ロックだったりファンクだったり、見せたいジャンル感みたいなものがあるものはセッションだったりします。
あと意外とバラードなんかもセッションで出来ちゃったりもしますね。
バンドマジックみたいなものは実はバラードに多かったり。
逆にアッパーな『Broken Youth』『B.C.G』『THE BUNGY』なんかの方が冷静に作ってたりしますね。
『人に伝える』っていうものが根底にあるので、たとえアッパーな曲でも、自分たちだけが楽しむよりも、聞いている人に楽しんでもらうことができるか、心を動かせるかどうか、その点にはストイックなバンドなので、そういう『冷静さ』はあるバンドだと思います。
90年代のJ-POPって、そういう意味で人を楽しませる、いい音楽を食べやすくして提供するという精神が強かった時代だったと思うんです。
例えるならフリッパーズ・ギターだったり、オリジナル・ラヴだったり。
その当時の感覚に近いものを持ちながらやっているのかもしれないですね。
そういうストイックさが現れてる部分としては、絶対に外注しないというこだわりがあります。
二人がかりで『お前こっち押さえろ』とか言ったりして(笑)DIY精神ですね(笑)」
−一番の聞きどころは?
光村「そうですね。一番聞いてほしいのは、シングルでは疾走感を前面に出していたんですが、アルバムの中にはバラードだったり、弾き語りだったり、180度違う曲もあるんです。
そんないろいろな表情を楽しんでもらえたらいいなと思います。」
坂倉「シングルのイメージでバンドのイメージを決めてもらうよりも、アルバムの中から自分の好きな曲を探してもらって、そこで自分たちのイメージを作ってもらえればと思います。」
光村「僕らはめちゃめちゃアルバム体質でしょうね。
ビートルズの『ホワイト・アルバム』で言えば『I Want To Hold Your Hand』のビートルズだと思っていたら『Helter Skelter』でまんまと裏切られたみたいな、それに似たようなものをアルバムで出せると思うんですよね。
もちろんシングルという枠の中で自分達をどう出していくかを考えるのも楽しいですけど。
シングルで気になってくれた人が、このアルバムでどっぷり浸かってくれれば、俺らも離さないって感じです(笑)」
光村「夏の思い出…僕は小学生の頃からスピッツが大好きなんですけど、スピッツが主催する『ロックロックこんにちは』に出演できたことですね。
憧れの人と同じステージに立たっていうのは思い出深いですね。
打ち上げにも出させていただいて。せっかくだからスピッツのCDにサインを頂こうと思って家から持っていったんですよ。
ところが野球の話とかで盛り上がって、普通に飲み仲間みたいになっちゃって、サイン貰うのすっかり忘れてました(笑)」
古村「僕はですね、稲川淳二さんが大好きでライブに行ってきました(笑)以前誕生日にご本人からサプライズでコメントを頂いたんです。
その時にライブにぜひみたいなお話があったので、行ってきました。
それが思い出です。いつか競演したいです。前座で出ていただいて、夢のコラボ(笑)」
光村「客席が『シーン』となってるところから始めるロックもいいね(笑)」
光村「9月24日にアルバム「Who are you?」が発売後、10月15日に今まででは一番大きい渋谷AXでワンマンライブをやります。その後に全国ツアーに出ます。
僕らはバンド結成してから、誰も自分たちを知らない、誰も待っていない場所に行って、一瞬でどれだけ自分たちを伝えることができるかという武者修行みたいなことを全国各地でしていたんですけど、今回それが初めて実を結んだのかなと思ってます。
ライブ自体は、アルバムが全12曲なので12色が混ざり合って、マーブルみたいなライブになるかなと。
アルバムのタイトルが『Who are you?』に対して、『We are NICO』っていうワンマンライブのタイトルになっている通り、その日のライブで一つの答えが出せるんじゃないかと思います。
老若男女、黙ってる人、弾ける人いろいろいると思うんですけど、そんな人もごちゃ混ぜで一つになれるようなライブにしたいですね。 あまりライブに来たことがない人もぜひ来ていただいて、生き証人になってもらいたいです。」
−最後にMOOCSをご覧になっている方に一言。
光村「アルバムを聞いてもらって、僕たちの印象は180度変わると思うのでいい意味で裏切られてもらいたいと思います。」
「Who are you?」
2008.9.24 On SALE!!
「Who are you?」 初回生産限定盤
【CD+DVD】KSCL1291-1292¥3,200(TAX Incl.)
「Who are you?」 通常盤
【CD】 KSCL-1293¥2,800(TAX Incl.)
購入:
□■NICO Touches the Walls ライブ情報■□
We are NICO Touches the Walls. 〜A Queen of the Night〜
2008年10月15日 SHIBUYA-AXNICO Touches the Walls TOUR2008 Bon voyage , Etranger
2008年11月08日 柏ZAX2008年11月16日 仙台MA.CA.NA
2008年11月22日 札幌BESSIE HALL
2008年11月28日 広島ナミキジャンクション
2008年11月29日 福岡DRUM Be-1
2008年12月06日 名古屋CLUB QUATTRO
2008年12月07日 大阪BIG CAT
2008年12月14日 赤坂BLITZ