2009年8月11日 2時30分 更新:8月11日 2時30分
高校進学者のうち、2.1%程度の生徒に自閉症や学習障害(LD)などの発達障害があることが10日、文部科学省の調査で分かった。定時制高校では進学者全体の14.1%を占めていた。発達障害がある子供たちの高校進学に関する実態はこれまで不明だった。
中学の通常学級に在籍し、今年3月に卒業した生徒約1万7000人を対象に調査した。卒業時点で発達障害があるとされた生徒は約2.4%で、うち約86.5%が高校に進学。進学者全体に占める割合は約2.1%だった。ただし、全日制の中では1.6%にとどまり、定時制や通信制(15.7%)の高校が受け皿になっている実態が浮かんだ。
発達障害の生徒は、一般に知的な遅れはないものの、読み書きや計算、コミュニケーションなど特定の分野で困難を抱えている。義務教育については個々の障害に応じた支援も広がっている。しかし、高校は07年に特別支援教育が完全実施された後も対応は不十分で、実態調査すらしてこなかった。
今回の調査結果は、文科省局長の私的諮問会議「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」の10日の高校ワーキング・グループで報告された。同グループは、発達障害の生徒をサポートする支援員の設置など、高校でも特別支援教育の充実を強化するよう提言することにしている。【井上俊樹】