破壊した国会議事堂の模型を前に「ダーッ」で気勢を上げるアントニオ猪木(右から2人目)=有明コロシアム
「IGF」(9日、有明コロシアム)
衆院選出馬が取りざたされる“燃える闘魂”アントニオ猪木(66)がリング上で“政治ショー”を繰り広げた。コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーがふんした麻生太郎首相、小泉純一郎元首相、北朝鮮の金正日総書記とリング上で“緊急サミット”を開催。さらに国会議事堂の模型を破壊するという過激なパフォーマンスで、迷走する日本の政界に闘魂流のカツを入れた。大会後には会見し、「1週間以内に元気党を結党して…」と冗談とも本気ともつかない発言を残した。
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猪木は「アントニオ猪木」と記された、選挙の候補者を思わせるタスキをかけて登場。4日に複数政党からの立候補オファーを示唆しているだけに場内はざわめいた。
続けて国会議事堂の模型をリングに入れると、小泉元首相、麻生首相、金総書記にふんしたニュースペーパーの面々を招集。“巨頭会談”では「出馬しようかずっと迷ってて」と明かし、期待も高まったが、続く言葉は微妙なものだった。
「ジャイアント馬場さんから挑戦状が届いた。『さんずの川で待っている』」と、大ぼらでけむに巻き、「馬場さんの挑戦を先にしようか、出馬を先にしようか、イベントが終わってから考えます」と、またもや結論を先送り。模型を木づちでたたき壊し、リングを下りた。
結論を出すとみられた最高の舞台でも、出馬への態度を明確にしなかった。帰国時は「世の中が乱れた時がオレの出番」と立候補にまんざらでもない口ぶりだっただけに、後押ししながら振り回された格好の弟子・小川直也は「たまったもんじゃない」とぼやいた。
猪木は新党?「元気党」の結党を口にはしたものの、実態は不明。公示日の18日は迫っている。