官   能   小   説


『手淫の手解き』 (1)

【この作品は、理奈 さんからの投稿です】

『キーンコーンカーンコーン』
 休み時間を告げるベルが鳴り、保健室で事務処理をしていた京子は、椅子の
上で背伸びをした。
 コーヒーでも入れて少し休もうかな。
 今日は朝から、教育委員会から送られてきた調査の回答に追われて、肩と目
の疲れを感じていた。
 2時間目かぁ・・・そろそろ来る頃かな。
 京子がポットに水を入れていると、廊下からバタバタと足音が聞こえ、保健
室のドアがガチャっと開いた。
「先生、おはよー」
「あら、おはよう」
 入って来たのは3年C組の斉藤悠太という生徒だ。
 ここの所休み時間になると、よく保健室を訪ねてくる。
 初めて来た時は、睡眠不足のためしんどいから寝に来たと言っていたが、今
では家庭のことや勉強、友人関係のことなど、京子に相談に来るようになった。
 半分は、悠太が一人で愚痴って、京子が聞いてあげると満足して帰っていく
のだが。
 京子は25歳で他の教師に比べて若いということもあり、生徒から懐かれや
すいらしい。
 悠太は問題児と呼ばれるような生徒ではないが、思春期の子供には悩み事は
尽きないものだ。
 生徒の悩みを聞いてあげるのも養護教員の立派な仕事。
 教員のなかでは、生徒との触れ合い時間が少ない職種であるからこそ、一人
の生徒から頼りにされているのを京子は嬉しく思っていた。


「それで、今日は何の悩み?」
 ベッドの上に寝転がっている悠太に、京子はコーヒーを入れながら尋ねた。
「べっつに、悩みじゃないけどー・・・、隆のやつが彼女できて、最近付き合
い悪いなって」
 隆というのは、悠太の仲良しグループの一人であることは前に聞かされてい
た。
「へぇ〜。でも悠太君だって彼女できたら彼女にべったりになるわよ、きっと」
「俺はならねえよっ」
 京子が冷やかすように言うと、悠太は拗ねてしまった。
「・・・先生も彼氏ができたら、友達付き合いが悪くなるの?」
 恥ずかしいのか、そっぽを向いたまま悠太は尋ねた。
「さあ・・・やっぱり、彼氏がいないよりは悪くなるかもね。でもずっと彼氏
と一緒にいたら飽きるから、友達と遊ぶ時間も大切にすると思うよ」
「ふーん、そうなのか・・・。でも彼氏いない先生には関係ないだろうけどね」
 悠太はこっちを向くと、にやっと笑った。
 ここで挑発に乗ったらますますいじられる・・・。
「・・・そうね。しばらくは友達との仲を深めておくわ」
 コーヒーを飲みながらにっこり微笑むと、悠太は少しがっかりした。
「ちぇっ、食えない人め・・・」
「じゃあさ、先生、俺と付き合わない?」
「え?」
「彼氏いないんでしょ?」
 悠太は悪びれた様子もなく、黒く輝いた目で京子を見ていた。 
「いるかもしれないじゃない?」
「えーーーー?」
 それを聞いた悠太は落胆した。
 恭子と本気で付き合おうと思っているわけではないが、お気に入りの先生に
彼氏がいたらやっぱりショックだ。
 しょんぼりしている悠太を見て、京子は何だか可愛そうになってしまった。
「嘘嘘、いないわよ。悠太くんと一緒。だから、受験勉強がんばりなさい」
「そっかー。じゃあまたね」
 悠太は再び笑顔になり、教室に走って戻って行った。
 ふふ・・・何だかんだ言っても、ウブな高校生。まだ純粋で駆け引きも知ら
ない、真っ直ぐな男子。
 それに比べて大人の男というのは、変なプライドや意地が邪魔して、面倒な
やり取りをする。 
 悠太を見ていると、煩わしい恋愛が嫌になってくる・・・。
 京子はさっき悠太から、
「俺と付き合わない?」
と言われて、冗談でも心地良かった。 
 生徒の相手するのも楽しいけど、そろそろ新しい彼氏が欲しいかも・・・。
 京子は太股をきゅっと閉じて、奥が刺激されるように擦り合わせた。
 始業開始のベルが鳴ると、京子は再び書類に目を通した。



 それからしばらく悠太は保健室に現われなかった。
 少し寂しい気もするが、悩みがないのは良い証拠。
 そう思いながら、生徒の欠席数を計算していた。
 その時、静かに扉が開いて、悠太が入ってきた。
 いつもより大人しい悠太を見て、京子は心配になった。
「どうしたの?どこか具合悪いの?」
 しかも、その時はまだ授業中だったからである。
「んー、ちょっと、最近寝てなくって」
「そう・・・。勉強頑張るのはいいけど、2時には寝なきゃダメだよ」
 そう言った悠太は本当に眠そうな顔をしている。
「そうなんだけど、勉強に集中できないんだよな・・・それでつい、ダラダラ
やっちゃう」
「じゃあ、そこのベッドで寝ていいから、次の授業から出れる?」
「うん!やったー!」
 悠太は上履きを脱ぐと、ベッドに潜り込んだ。
 眠れないのか、ベッドの中で悠太はごそごそ動いている。
「先生も一緒に寝ようぜ」
「・・・バカなこと言ってないで、さっさと寝なさい」
 京子が軽く注意すると、
「先生ってさー、口堅い?」
と悠太が尋ねた。
 あらら、また悩み事かしら・・・。
「さあ・・・堅いってはっきりとは言えないけど、少なくとも生徒の相談をば
らすことはないと思う」
「・・・そっか、じゃあ安心した。でも絶対、誰にも言わないでよ!」
 悠太はいつにも増して慎重になっているようで、京子まで少し緊張してしま
った。
「何?相談なら何でものるよ」
「じゃあ、言うよ!!・・・あのさ・・・アレを毎日やるのっておかしい?」
 思い切って悠太が口を開いたが、京子は何のことだろうかと少し考え込んだ。
「アレって・・・?」
「だからアレだよ、アレ!」
 言いにくいのか悠太ははっきり言おうとしない。
 思春期の男子のアレと言えばあの事だろうか・・・。
「あぁ・・・。もしかして本能的なことかな?」
 仕方ないので京子が言うと、
「そう!男の本能だよ」
 と翼が頷いた。
「勉強してると催しちゃって、集中できないんだ・・・。それで毎日やっちゃ
って、大丈夫かなって・・・」
「若い時は仕方ないよ。健康な証拠よ」
 ここで、しちゃダメなんて言うと、罪悪感を持ったり、我慢して余計にスト
レスを溜めさせてしまうかもしれない。
 京子の返事にほっとした様子の悠太は、いつもの調子を出してきた。
「じゃあ、先生も毎日やってた?」
「こら。女性にそういうこと聞かないの」
 やっぱり思春期のエロい男子だわ・・・。
 ドキッとしながらも冷静にそう答えた。


(2)へつづく・・・


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