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参考食品安全情報ナビbyましゅうさん

2009-08-10

[]ダイエタリーサプリメントを輸入していますか?

Are you importing dietary supplements?

10 August 2009

http://www.nzfsa.govt.nz/importing/documents/guidance/dietary-supplements/index.htm

食薬区分とサプリメントの規制についての解説


[]長官のコラム:オーガニックか通常品か−我々の食品は安全でなければならない

CE’s column: Organic or conventional our food has to be safe

August 2009

http://www.nzfsa.govt.nz/publications/ce-column/ce-column-7.htm

オーガニックと通常食品の健康影響や栄養価に違いはないという英国の二つの研究の発表が、予想通りメディアやブログでの騒動を呼んでいる。

英国のNZFSAに相当するFSAが、人々が食品について情報を与えられた上での選択ができるように科学的に根拠のある正確な情報を提供するというその役割を果たすために独立した研究を依頼した。

FSA同様NZFSAも、人々がオーガニックと通常食品のどちらを選ぶかについては一方を支持したりしない。人々が食品を購入する理由はそれぞれ様々である。 値段や入手可能かどうか、健康や栄養、産地、環境影響、企業責任、文化、動物の福祉、生産に必要な労働、などいろいろであろう。

科学に基づいた政府規制機関として、NZFSAの懸念は、生産方法に関わらず何らかの食品による健康リスクに基づく意思決定がしっかりした科学的根拠に基づいていて、可能性のあるリスクがきちんと同定されて管理されているかどうかである。確かに我々は通常食品同様、輸出用オーガニック製品の公的認証を行っている。我々の役割はどちらにおいても同じである、食品が安全でその使用目的に適っていてニュージーランドの規則に従っているかを確認することである。

英国の研究は我々の立場−オーガニック食品が通常食品より栄養価において優れているとも劣っているとも言えず、健康へのリスクが大きいともベネフィットがあるとも言えないということ−を支持する。

FSAの報告書は過去50年以上にわたるオーガニック食品が健康によいと主張する論文の「系統的レビュー」である。つまり研究開始前にどのようにして根拠を捜すか、どのようなデータベースを使うか、どのような研究を対象にするか、 質をどう評価するかを明確にしてから調査を行うものである。つまり、ピアレビューのある科学雑誌に発表された質の良い研究−つまりしっかりした科学のみを考慮するというものである。

私が面白いと思ったのは、このように明確で透明な基準に従って検索した結果、たった約1/3のみが考慮に値するだけの科学的にしっかりしたものであったということである。健康影響に関するものでは約11論文、栄養価比較に関するものではたった55論文しか基準に合わなかった。このことは私に言わせれば、オーガニック製品に関する主張には信頼できる科学が恐ろしく欠乏していることを示す。

またBritish Food Journal (2009, Vol 111, Issue 10)に発表された研究ではオーガニック食品に関する科学の欠如と、消費者の認識と科学的根拠の間にはギャップがあることを指摘している:

「オーガニック野菜は汚染物質が少なくて栄養価が高いため、通常野菜より健康によいと認識されている。しかしながらそのような認識を支持する又は反論する文献は十分でなく、消費者の認識と科学的根拠にはミスマッチがある。」

NZFSAはオーガニック食品をその他の食品と同様に扱う。農薬や動物用医薬品などを含めて、同じリスク管理の枠組みで安全性と食品としての販売可能性を評価する。

英国の研究ではオーガニックと通常栽培の野菜や果物で特定栄養素の幾分かの違いを見つけているが、健康への影響は与えない程度である。もちろん栄養成分は成熟度や栽培方法や市場との距離や貯蔵方法、露光、産地など各種条件により変動しうる。

オーガニック支持団体は、栄養価のようなオーガニック食品に入っているものではなくオーガニック食品に入っていないものがオーガニックをより良いものにしていると主張している。それについては消費者に宣伝されているほど明確ではない。ニュージーランドでは全ての食品の殺虫剤や除草剤や肥料や動物用医薬品は厳密に規制されている。これらの使用による食品への残留は消費者にとってリスクは概念上ゼロのレベルである。概念上ゼロというのはADI以下の摂取量であるということである。ADIは毎日一生涯にわたって摂取しても検出できる影響はない量である。有機認証農作物で使用される農薬についても同じリスク管理が行われている。

オーガニックでも通常生産でも全ての農薬の使用は残留農薬によるリスクが概念上ゼロであるように規制され監視されている。つまりオーガニック製品を食べることによる測定可能な健康上のメリットはないということである。

オーガニック生産では合成品ではなく「ナチュラル」な方法を使っているから安全であるとは言えない。オーガニック農法では肥料として堆肥を使うため、大腸菌O157のような有害微生物のレベルは必ずしも安全ではない。

「オーガニック」表示はオプションであるが、消費者保護法ではそれは事実でなければならない。このことはつまりオーガニック表示のあるものは全ての成分が100%オーガニックであることを期待されるということである。

オーガニックの通常食品と比較したメリットは不明瞭であり、私が強調したいことは生産方法に関わらず、健康のために1日に最低野菜3単位果物2単位を食べることである。

詳細についてはさらにウェブで提供している。

オーガニック食品 NZFSAの施政方針

Organic Food NZFSA Policy Statement

http://www.nzfsa.govt.nz/policy-law/policy-statements/organic-food-policy-statement.htm

背景文書

NZFSA Policy on Organic Food: A Background Paper

http://www.nzfsa.govt.nz/policy-law/policy-statements/policy-on-organic-food/index.htm



[]ヘルスカナダは消費者に対しオンラインで薬物を購入することのリスクについて再度注意喚起

Health Canada Reminds Consumers About the Risks of Buying Drugs Online

August 7, 2009

http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/advisories-avis/_2009/2009_127-eng.php

2009年8月7日、ニセ医薬品ネットワーク解体に関するカナダ連邦警察(RCMP) の声明に関連して、ヘルスカナダはカナダ人に対しオンラインで薬物を購入することのリスクについて再度注意喚起する。

特に海外から直接消費者に届けられる医薬品はリスクが高いが、一部のインターネットサイトはカナダ国内であると偽装している。所在地の住所や電話番号を明記しないサイトから医薬品を購入するのは重大なリスクがある。

他に処方箋不要を謳っていたり、オンラインで質問に答えるだけで処方箋を出したり、あるいは「魔法の治療法」などと宣伝していたりするところから購入しないように。

偽物の特徴としては

・ ラベルにスペルミスがある

・ DIN又はNPN番号が明記されていない

・ 通常商品と味や臭いが違う

などがある。

RCMPによるニセ医薬品販売網解体のニュース

Counterfeit Prescription Drug Distribution Ring Dismantled by the RCMP

August 7, 2009

http://www.rcmp-grc.gc.ca/qc/nouv-news/com-rel/2009/08/090807-eng.htm

9人の容疑者を逮捕した。販売していたのは性機能不全治療薬。実際に有効成分が含まれる。

押収された医薬品の写真がある



[]製品レビュー:ビタミンEサプリメントとスキンケア製品

コンシューマーラボ

Product Review: Vitamin E Supplements and Skin Care Products

8/4/09

http://www.consumerlab.com/reviews/Vitamin_E_Supplements_and_Skin_Care_Products/vitamine/

一部の「ナチュラル」ビタミンE油には合成ビタミンが含まれる

また米国薬局方で定められたカプセルの溶出時間30分以内に合致せず128分かかるカプセルがあった。そのような製品は適切に吸収されない。



FSAのオーガニック食品研究への批判

Sense about Science

Criticisms on FSA organic food study, Daily Mail, 31st July 2009

http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/384

Joanna BlythmanのDaily Mailの記事「あなたのオーガニック食品への信頼を損なおうとする恐ろしい陰謀」で、FSAの最近の研究を批判している。彼女はFSAが一部の研究を無視し、オーガニックでない食品に含まれる農薬ががんを促進するということが無視されていると主張している。ここに二人の科学者がその主張を否定する。

Professor Alan Boobis OBE:

この記事では農薬は土壌への毒で野生動物を傷つけるばかりでなくがんを促進し各種の病気を促進すると主張している。虫を殺せるものがヒトに悪いのは常識だという。

英国で販売されている食品を食べることによってがんが増加するという根拠はない。動物に大量に与えた場合にがんができたとしてもヒトが食べる量とは違いあてはまらない。さらに虫を殺すメカニズムと発がん性には生物学的関連はない。

Professor Joseph D Rosen:

彼女はFSAの研究よりずっと素晴らしい、オーガニック食品の方が抗酸化物質が40%も多いという研究が無視されていると主張している。これはQLIFプロジェクトの研究を指すと思われるが、この研究はピアレビューのある雑誌に発表されていない。FSAの研究はQLIFプロジェクトを無視したのではなく、基準に満たなかっただけである。

問題の記事

http://www.dailymail.co.uk/debate/article-1203343/JOANNA-BLYTHMAN-A-cancerous-conspiracy-poison-faith-organic-food.html

写真がいかにも意図的。金網の中で豚を飼ったりしないだろうに。

コメントもたくさんついている。

今や巨大産業となったオーガニック産業が人々を洗脳し科学から遠ざけた結果であるというコメントもついている。



[]FSAはオーガニックレビューの妥当性を強調

Agency emphasises validity of organic review

Friday 7 August 2009

http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/aug/letter

FSA長官のTim Smithは関係団体からの公開質問状に答えてオーガニックレビューについて回答した。この文書で長官は、先週発表されたオーガニック食品と通常生産された食品との間に重要な栄養成分含量の違いはないという研究は妥当であることを強調した。

長官の回答文書のコピー

FSAはオーガニック食品と通常生産された食品との栄養価を比較した研究の発表について、事実関係を明確にしたい。このレビューは我々のオーガニック食品についての立場を最新の科学的根拠に基づいたものとして確認するために委託したものである。さらにこの分野の研究が多く発表されているためにオーガニック部門からも要請されていた研究である。

農薬はこの研究の対象からは除外されている。なぜならば我々は農薬の安全性については既に明確であるという立場であるからである。農薬は厳密に評価されその残留量は念入りに監視されている。このことから、オーガニックであろうと通常栽培であろうと使用されている農薬はヒトの健康に許容できないリスクとはならず、一年中豊富な食糧を供給するために役に立っている。

この独立した研究はLondon School of Hygiene and Tropical Medicine (LSHTM)が行ったものでこの分野において行われた研究の中では最も科学的に厳密なものである。系統的科学文献レビューで採用されている標準手法を用いて50年間の研究を調査した。期間内に発表された全てのピアレビューのあるデータが対象とされた。

この報告書は発表前にこの分野の著名な科学者たちにより厳密にピアレビューされ、さらに栄養学分野のトップの雑誌に発表された。FSAはこの仕事が妥当であることを完全に信頼している。我々の全ての発表される助言はこのように透明な形で導かれることが絶対的な基本原則である。

一部の人たちによるこのレビューの無責任な解釈によりオーガニック食品のほうが一部の栄養価が高いという主張が見られる。

このレビューは162の論文の全ての結果を報告したものである。この報告書の結論は予め設定した基準に見合う55の研究の結果に基づく。それは統計学的に有意な差が見られたものを集中的に検討している。科学的信頼性の低い論文からの恣意的な引用やデータの一部だけの使用には注意が必要である。

この報告書の重要なメッセージは、オーガニック食品を避けるべきだというものではなく、健康的でバランスの取れた食生活をすべきだというもので、栄養価については有機栽培だろうと通常栽培だろうと関係ない。


Andrewのブログ(Gill Fine代筆だけど)にもコメントがたくさんついている。

http://www.fsascience.net/2009/07/30/on_organic_food

特に気になったのはIndependentの記事にあるように

http://www.independent.co.uk/life-style/food-and-drink/news/organic-food-debate-boils-over-1767911.html

この論文の著者に嫌がらせのメールがたくさん届いているという。

ここまで来ると最早狂信者で、オーガニック食品を食べると凶暴になるのかという感じ。

科学者の多くは、この当然のことを改めて確認しただけの論文にこれだけ多くの関心が寄せられメディア報道が氾濫したことに驚いている。

個人攻撃が行われるということは如何にオーガニック支持者が虚偽の宣伝に騙されていたかを示すもの。本当に栄養価が高いと信じていた人たちが結構いるようだ。

ちなみに文句を言っている人のほとんどはこの長くて複雑な報告書本文を読んでいないだろうと思われる、とfood e-newsに書いてあった。



[]最新消費者態度調査

Latest consumer attitudes tracker survey published

Thursday 6 August 2009

http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/aug/tracker

3月よりFSAへの信頼上昇、食品への懸念は長期低下傾向を維持して減少(64% から61%)。



[][]トリフルラリンの農薬リスク評価ピアレビューに関する結論

Conclusion on pesticide peer review regarding the risk assessment of the active substance trifluralin. EFSA Scientific Report (2009) 327, 1-111

5 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902779519.htm

ADI 0.015 mg/kg bw/day

AOEL 0.026 mg/kg bw/day

ARfD 必要なし


[][]スピロジクロフェンの農薬リスク評価ピアレビューに関する結論

Conclusion regarding the peer review of the pesticide risk assessment of the active substance spirodiclofen. EFSA Scientific Report (2009) 339, 1-86. Re-Issued on 27 July 2009

6 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902782643.htm

ADI 0.015 mg/kg bw/day

AOEL 0.009 mg/kg bw/day

ARfD 必要なし


[][]ヘプタマロキシログルカンの農薬リスク評価ピアレビューに関する結論

Conclusion regarding the peer review of the pesticide risk assessment of the active substance heptamaloxyloglucan. EFSA Scientific Report (2009) 334, 1-52. Issued on 17July 2009

6 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902782469.htm

ADI AOEL  ARfD 必要なし


[][]ピリプロキシフェンの農薬リスク評価ピアレビューに関する結論

Conclusion regarding the peer review of the pesticide risk assessment of the active substance pyriproxyfen. EFSA Scientific Report (2009) 336, 1-99. Issued on 21 July 2009

6 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902782446.htm

ADI 0.1 mg/kg bw/day

AOEL 0.04 mg/kg bw/day

ARfD 必要なし


[]カルシウムとビタミンD3トローチと骨の消失 健康強調表示の科学的立証

Calcium + Vitamin D3 chewing tablets and bone loss - Scientific substantiation of a health claim related to Calcium plus Vitamin D3 chewing tablets and reduction of the risk of osteoporotic fractures by reducing bone loss pursuant to Article 14 of Regulation (EC) No 1924/2006

7 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902785434.htm

カルシウムまたはカルシウムとビタミンD3を有効成分として含むトローチについて、50才以上の女性に対して「骨密度を改善し、骨粗鬆症による骨折を予防する」という健康強調表示の申請があった。申請者は43の無作為化臨床試験と10のメタ解析を含む53の論文を提出した。全体としてメタ解析ではカルシウム単独又はカルシウムとビタミンD3の組み合わせが閉経後の女性の骨粗鬆症による骨折リスクを削減することを支持していた。提供された根拠からはルシウムとビタミンDと骨ミネラル密度又は骨粗鬆症による骨折の用量反応相関についての情報は限られている。

科学的根拠を反映した文言としては「カルシウムは閉経後女性の骨ミネラルの消失を削減する可能性がある。骨ミネラル密度は骨粗鬆症による骨折のリスク因子である。」

使用条件を確定するには提供された情報は不十分である。


[]EFSAは炭水化物、食物繊維および脂肪の参照摂取量についてパブリックコメント募集

EFSA launches public consultation on Dietary Reference Values for carbohydrates, dietary fibre, and fat

5 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902778363.htm

提案内容は以下のようなものである。

・炭水化物の摂取量は総エネルギーの45-60%

・ 砂糖については十分なデータがないため特に助言なし

・ 正常な消化器機能の成人に対しては食物繊維は1日25gが適切

・ グリセミック指数やグリセミックロードの体重維持用および食事関連疾患予防用の役割についての根拠は結論を出すに至らない

・ 脂肪の摂取量は総エネルギー量の20-35%の範囲で乳児には別。飽和脂肪とトランス脂肪については適切な食生活の範囲内でできるだけ削減する。

意見募集は以下から

Public consultation of the Scientific Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies on the draft Opinions regarding Dietary Reference Values (formerly Population Reference Intakes)

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902774897.htm

2009年10月15日まで。


[][]非食用非飼料用GM植物 EFSAは安全性評価に必要な事項を特定

GM plants used for non-food or non-feed purposes EFSA specifies requirements for safety assessment

7 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902783668.htm

GMOパネルは食品や飼料以外に使用されるGM植物のリスク評価について議論した「非食用非飼料用GM植物のリスク評価ガイド」を発表した。

酵素や紙や澱粉や工業原料用あるいは環境対策としての燃料用GM植物の評価には既存の環境影響評価ガイドが使えるであろうが、これらの植物を野生動物が食べた場合の影響などの追加の問題にも対応すべきである。

ガイドライン本文は以下より

Scientific Opinion on Guidance for the risk assessment of genetically modified plants used for non-food or non-feed purposes

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902783659.htm


[][]EFSAは農薬の新しい急性リスク評価を提案

EFSA proposes new acute risk assessment for pesticides

7 August 2009

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902785630.htm

EFSAは農薬による労働者、作業者、近傍にいる人、そして初めて住民へのリスク評価ガイドラインについてパブリックコメント募集を開始した。このガイドラインはリスク評価者にとって、農薬暴露によるリスクのより正確な推定と統一的評価を行うためのツールとなる。

EFSAの農薬とその残留に関する専門委員会(PPRパネル)は、経皮及び吸入による農薬の暴露評価方法を変更し、特に急性暴露による毒性についての追加のリスク評価を導入して新しい毒性学的参照値である急性許容作業者暴露用量Acute Acceptable Operator Exposure Level (AAOEL)の導入を提案した。この値は作業者や近くにいる人の1日暴露の現実的推定参照量となる。住人に対しては近傍にいる人の急性リスク評価でカバーされるために別の評価は必要ない。

意見募集は以下から。

Public consultation of the Scientific Panel on Plant Protection Products and their Residues (PPR) on the Draft Scientific Opinion on Preparation of a Guidance Document on Pesticide Exposure Assessment for Workers, Operators, Bystanders and Residents

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902783304.htm

2009年9月15日まで。



[]FVO視察報告書 

英国 残留物質や汚染物質と食用動物用医薬品の使用

GB United Kingdom - Residues and contaminants and the use of veterinary medicinal products in food producing animals

http://ec.europa.eu/food/fvo/ir_search_en.cfm?stype=insp_nbr&showResults=Y&REP_INSPECTION_REF=2009-8128


[]ブリュッセルで開催されたRASFF 30周年記念イベント

RASFF celebrates its 30th year during a three-day event in Brussels

http://ec.europa.eu/food/food/rapidalert/rasff_30_feedback_en.htm

写真やプレゼン資料などがアップされている



[]EPAは過塩素酸の再評価に意見募集

EPA Seeks Comments on its Reevaluation of the Chemical Perchlorate

08/05/2009

http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/bd4379a92ceceeac8525735900400c27/233acd1e83c1963885257609005bda5b!OpenDocument

EPAは飲料水中の過塩素酸塩について規制をしないという予備的決定を行ったが、さらに子どもや胎児への影響について重点的に評価するために意見を募集する。

過塩素酸

Perchlorate

http://www.epa.gov/safewater/contaminants/unregulated/perchlorate.html

EPAが過塩素酸についてさらなるパブリックコメントを募集

http://www.epa.gov/safewater/contaminants/unregulated/pdfs/fs_perchlorate_fact_sheet_v8_8_3_09.pdf



[]WHO紀要

WHO Bulletin

Volume 87, Number 8, August 2009, 565-644

http://www.who.int/bulletin/volumes/87/8/en/index.html

今月号のテーマは公衆衛生コミュニケーション

・ソーシャルメディアは専門家や市民に何をもたらすか

ブログやフェイスブックやTwitterなどのソーシャルメディアが世界のコミュニケーションの方法を劇的に変えている。さらに機械翻訳が情報の流通を助けている。これらを使って正確な情報が流れれば有用である。

・包装にある陰惨な写真が煙草の使用を削減する



その他論文やニュース

  • 人口統計学:子どもが戻ってくる

Nature 460, 693-694 (6 August 2009)

Demography: Babies make a comeback

Shripad Tuljapurkar

http://www.nature.com/nature/journal/v460/n7256//full/460693a.html

Nature 460, 741-743 (6 August 2009)

Mikko Myrskyl

Advances in development reverse fertility declines

http://www.nature.com/nature/journal/v460/n7256/full/nature08230.html

国が豊かになると出生率が下がるが一定のレベルにまで下がると今度は上昇するJ字曲線を描く。豊かさの指標として人間開発指数HDI)を用いた場合出生率が最低になるのは0.9-0.92の間で、0.95を超えると出生率が高くなる。これにあてはまらないのが日本・韓国・カナダで、これは政治的問題を反映している。特にアジア地域でのジェンダーの不平等の大きさを示唆している。

  • 恐怖に便乗:Dr. Searsの危険性

Cashing In On Fear: The Danger of Dr. Sears

John Snyder

http://www.sciencebasedmedicine.org/?p=512

小さな子どもを持つ保護者がワクチンの接種に関してDr. Searsの本を読んだと言って来る。Dr. Searsはメディアへの出演頻度が高く多くの本を書いていてウェブサイトも運営している。特に有名な本「ワクチンブック 子どもたちのために正しい決定を」は多くの保護者を混乱させ心配させている。

その本についての徹底的批判。長い


Dr. Searsがどんな人たちかは日本のアマゾンの書評欄でもなんとなくわかる

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/0316778001/ref=cm_cr_dp_all_summary?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending


  • 新しい化学物質規制の波がすぐそこに?

Science 7 August 2009:

Vol. 325. no. 5941, pp. 692 693

A New Wave of Chemical Regulations Just Ahead?

Robert F. Service

米国の有害化合物規制法は総点検が必要な時期に来ていて、科学工業界が次期計画に主要な役割を果たすことを望んでいる

1976年に有害物質規制法The Toxic Substances Control Act (TSCA)が成立し、この法によりPCBなどが規制されてきた。しかし1989年にEPAが肺がんと関連する分解されない超細繊維を禁止しようとしたがTSCAは最も負荷の少ない規制法を用いて規制することを要請しEPAが議会にアスベスト禁止が最も負荷の少ない規制法であることを確信させられなかったために1991年にアスベスト禁止が議会により破棄された。その後18年間、EPAはたった一つの化合物すら使用禁止にできないでいる。

TSCAの改正が必要であることは概ね合意されているがどのようなものが望ましいのかについては議論が多く、現時点でのオバマ政権の立場も不明である。

  • 化学物質のより良いリスク評価

pp. 694 695

Putting Chemicals on a Path To Better Risk Assessment

Erik Stokstad

高価で時間のかかる複雑な動物実験に代わる新しい技術に期待

マイクロアレイなどの技術に期待が寄せられるが未だ道は遠い