千葉市花見川区の花見川団地で18日朝、洋服店員の豊田愛子さん(61)が殺害された事件で、所在不明になっている豊田さんの次女(22)が今月4日、元交際相手の男(28)に愛知県内へ連れ去られ、1週間後に保護されていたことが19日、千葉県警の捜査幹部への取材で分かった。県警はこの男が再び次女を連れ去った可能性が強まったとして、逮捕監禁容疑で逮捕状を取った。豊田さんの殺害にも関与したとの見方を強め、行方を捜している。
県警によると、男は事件直後、愛知県への連れ去り時にも使用したシルバー色のセダン型乗用車に次女を乗せて現場から走り去ったという。また、現場近くの駐車場そばの林から、血の付いた刃物(刃渡り21センチ)が見つかり、豊田さんの殺害に使われた凶器とみて、鑑定を進めている。
男は今月4日、次女を自宅から連れ出し、山梨県内など各地を転々としたが、次女が10日に愛知県豊田市内のコンビニ店で助けを求め、同県警豊田署に保護された。
次女は翌11日に自宅へ戻り、姉とともに千葉県警千葉北署を訪れ、男からストーカー行為を受けていると相談。14日には姉が1人で同署を訪ね、「警察官を名乗る不審な電話がかかってくる」と相談していた。
次女と男は今年1月、出会い系サイトを通じて知り合い、神奈川県内などで同居していた。しかし、男の暴力などが原因で6月ごろに別れたといい、そのころからストーカー行為が始まったとみられる。
県警は次女に自宅から離れて生活するよう助言し、事件前日にはGPS(全地球測位システム)機能で所在地が分かる緊急通報装置を渡したという。事件後、通報装置は次女の携帯電話とともに自宅で見つかった。【神足俊輔、中川聡子、斎川瞳】
毎日新聞 2009年7月20日 東京朝刊